2023年10月にステルスマーケティング(ステマ)規制が導入され、一年が経過した。その効果を実感している生活者はいったい、どれくらいいるのだろうか?
アフィリエイトプラットフォーム「afb」の開発運用を行うフォーイットはこのほど、全国の10代~60代までの男女500人を対象にステマ規制に関するアンケートを実施し、年代別等の特徴について発表した。
60代の54.0%が「ステマを知らない」と回答
全国の10代~60代の男女を対象に、「ステマ(ステルスマーケティング)が規制されている実感はあるか?」というアンケートを実施したところ、最も多かった回答は「特に変化は感じない」で30.6%となった。次いで、「SNSでの『#PR』や『タイアップ』などの広告表示が増えたと感じる」が23.8%、「インフルエンサーの投稿に変化を感じる」が16.8%で続いており、全体の約50%が何らかの変化を感じているという結果になった。
年代別で見ると、「ステマを知らない」と回答した人は60代が54.0%と圧倒的に多くなっており、SNSや動画サイトの利用率が低いと考えられる60代は、ステルスマーケティングを知る機会が少なかったと推察される。一方、ステマ規制について何らかの変化を感じている方は10代・20代が多くなった。
昨年10月の規制直後に実施した「web上の記事やSNSの投稿で『#PR』や『#広告』と記載されているのは気にしているか?」というアンケートでは、日頃からSNSなどに接しているデジタルネイティブ世代・ミレニアル世代でも「表記に気づいているが特に気にしていない」という人が多数派だったが、約1年が経過した今では、そういった人でも実感できるほど規制が効果を発揮していると言えるかもしれない。
職業別で見ると、ステマ規制後の変化を実感している人は「会社員・公務員」に最も多くなった。近年では、SNSやWebサイトで広告を展開したり、インフルエンサーに自社製品のPRを依頼したりする企業や、社内研修でステマについて取り上げる企業も多くなっていることから、法規制にアンテナを張っている会社員・公務員の方が多くなっている可能性がうかがえた。
一方、「専業主夫・主婦」では「ステマを知らない」という回答が43.6%に上っており、日常的にマーケティングや広告業界のトレンドについて話す機会が少ない様子がうかがえた。そんな中でも「SNSでの『#PR』や『タイアップ』などの広告表示が増えたと感じる」には20%程度の回答が集まっており、分かりやすいステマ対策であることがうかがえた。
<調査概要>
対象者:18歳~69歳の男女
サンプル数:500人
居住地:全国
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2024年9月24日
出典:afb
構成/こじへい