【AJの読み】「宇宙シャワー」「ミライ人間洗濯機」と入浴の進化を探求し続けるサイエンス
ISSでの宇宙飛行士の活動を見ると、無重力の狭い空間でトイレや入浴はどうしているのだろう?と素朴な疑問を抱いていたが、山崎さんの体験談を聞いて、体や髪のべたべたやニオイは「我慢していた」と知った。数か月から長い人は1年も宇宙に滞在する中で、入浴ができないことは想像を絶する辛さだ。
ミッションを成し遂げるため厳しい訓練に耐えて宇宙で活動する宇宙飛行士と違い、民間宇宙ステーションは一般人が観光目的で訪れるため、やはりQOLの向上は必須。
宇宙ステーションで使うシャワーは、カプセル型の立位型のシャワーを想定して開発を進めていくとのこと。ISS運用終了後の民間主体のポストISS時代に向けて、欧米の商業宇宙ステーション計画も活発化してきており、宇宙シャワーも2030年前後の実装を目指す。
サイエンスはミラブル技術のヘルスケア分野での活用にも取り組んでおり、2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに「ミライ人間洗濯機」を展示する。これは1970年の大阪万博で展示されたサンヨー館「ウルトラソニックバス」(通称:人間洗濯機)の未来型となるべく研究、開発が進められていたもの。
サイエンスの独自の技術で、「ミライ人間洗濯機」に入ることで身体を清潔にするだけでなく、入浴者の心拍計測を軸として、入浴時の心身状態を可視化。得られた個々の計測値より、入浴者に合わせた映像を投影、さらにその反応を観察しながら入浴者への水流なども制御することで、入浴環境を良好な状態へと導くという。「ミライ人間洗濯機」を全身で体感すると入浴後には心身ともに癒され、若返った感覚を実感できるという、まさに未来の入浴スタイルだ。
「ミライ人間洗濯機」は万博会場で体験できるとのことで、現在、特設サイトにて事前受付中。
取材・文/阿部純子