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職場で「部下に指示が伝わらない」「同僚から協力が得られない」「上司に認めてもらえない」などの悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
コミュニケーション能力は、特に仕事の場では仲良くなるためのものではなく、業務を円滑に進めるための手段です。そこで今回は、職場で求められるコミュニケーション能力をどのように鍛え、実際に活用していくか、相手別に詳しくご紹介します。
職場で求められる「コミュニケーション能力」とは?
コミュニケーション能力という言葉は、ちょっと抽象的ですよね。ですので、具体的に捉えていくことが大切になります。まずは、職場で求められるコミュニケーション能力にはどういったものが必要なのか見ていきましょう。
職場では、仕事の進行をスムーズにし、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が求められます。信頼関係を築いていくには、「仕事を確実にこなし、報告・連絡・相談を欠かさない」ことが土台になります。これによって、相手の不安を減らし、スムーズに仕事を進めていくことができるようになります。
コミュニケーションのコツは、「必要な情報を渡すこと」「仕事の意図や目的を明確にすること」、そして「相手が行動しやすくなるよう意欲を引き出すこと」です。良い関係を築いていくためには、自分の考えをシンプルに伝えられているか、相手の話もきちんと受け止めているかを振り返ってみましょう。
次に、自分が苦手な相手のタイプを特定しましょう。
うまくいかないときは、職場全体で問題があるわけではなく、特定の相手との摩擦が起きていることが多いはずです。上司や部下、同僚のうち誰と問題が生じやすいか、またどんな場面でうまくいかないことが多いのかを整理することで、解決策も具体的になりやすいです。次の項目からは、相手別・タイプ別にどのように対応すればよいか見ていきます。
★上司に「認めてもらう・協力してもらう」ためのコミュニケーション
まずは、上司編です。上司から協力的な姿勢を引き出すには、上司がどんな価値観を重要だと感じているのかを知り、それに合わせた伝え方をすることがポイントになります。
(1)見栄を気にするタイプ
見栄を気にする上司は、上長に自分がどう評価されるかを気にしています。情報共有をまめに行い、上司に恥をかかせないように配慮すると良いでしょう。
(2)不安が強いタイプ
不安が強いタイプの上司は、全体を把握しておきたい、コントロールしておきたいと思う傾向があります。その場合にも、進捗状況などの情報共有をまめに行うことで安心してもらいやすくなります。
(3)承認欲求が強いタイプ
上司が成果や実績を重視する場合は、「◯◯さんのおかげでうまく進んでいます」と、上司の貢献に軽く触れるだけでも協力的になってもらいやすくなるでしょう。
(4)忘れやすいタイプ
「そんなこと言ったかな?」と話が後から変わるような場合には、まめに記録を残すといいですね。「先日の打ち合わせ内容を共有します」とメールで送信しておいたり、関係者とやり取りするメールに上司をCCで入れておくなどすると、話がスムーズに進みやすくなります。
部下に「指示通りに動いてもらう」ためのコミュニケーション
部下が指示通り動くかどうかは、伝え方に大きく影響されます。部下のタイプを見極めて、それに合った指示の仕方をすることで、摩擦が少なくなります。
(1)プライドが高いタイプ
プライドを大切にしている部下には、プライドを尊重して「あなたの意見を聞きたい」「あなたに期待している」といった姿勢を見せることで、意欲的に取り組んでもらいやすくなります。良かった点があれば、積極的に伝えていくのも良いですね。
(2)納得しないと動かないタイプ
納得しないと動きにくい部下には、「これは一度経験として試してみてほしい」と、成長につながる機会として気軽に取り組んでみてほしいと伝えてみましょう。
(3)手順が大事なタイプ
仕事の進め方について、手順や段階を示されると安心する部下には、タスクごとに細かいステップを用意することでスムーズに進められることが多いです。「まずはこの手順通りに進めてみて。途中で気になることがあれば、どんどん聞いてもらって大丈夫だからね。」というように伝えると部下も安心するでしょう。
同僚から「協力してもらえる」ためのコミュニケーション
同僚からの協力を引き出すには、同僚が「気持ちよくサポートしたい」と感じてもらえるような工夫が大切です。
(1)同僚を立てる
同僚の長所や成果を認め、「◯◯さんの企画、視点が新しくてすごく勉強になりました。」「みんなが意見を言いやすい雰囲気を作ってくれて助かります」など、日頃のさりげない会話の中で伝えていくようにすると、相手も自然と良い気分になります。前向きなフィードバックは、お互いに信頼関係を深めるきっかけとなりますので、協力してもらいやすくなるでしょう。
(2)価値観の違いに合わせた対応をする
同僚の中には「そこまで仕事に熱意を持ちたくない」という価値観の人もいます。そうした場合は、相手が負担に感じない範囲で頼ることで、スムーズな関係が築けることもあります。
例えば、「今度の資料作り、ここの部分だけ少しアドバイスもらえると助かるんですが、お願いできますか?」というように、全部ではなく一部だけお願いしてみるのもいいですね。
相手に合わせた柔軟な伝え方を心がけよう
職場で求められるコミュニケーション能力を鍛えるには、まず「仕事をスムーズに進めるための手段」として捉え、相手に合わせた柔軟な伝え方を心がけることが大切です。
「相手がどんなことに価値を置いているか」「どのような不安を感じやすいか」を観察し、伝え方や話し方に工夫を入れてみましょう。ちょっとした気遣いで、職場の人間関係は大きく変わるものです。少しずつでいいのでぜひ実践してみてくださいね。
文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数3千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。
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