ビジネスシーンで封筒を使用する際、縦書きと横書きの封筒では書き方を使い分けたい。本記事では、封筒に横書きする方法や注意点を紹介する。また、洋封筒と和封筒の横書き文字の書き方も解説。
目次
ビジネスシーンで封筒を使用する際、縦書きが一般的だと思われがちだが、近年では横書きの封筒も見かける機会が増えてきた。特に、英数字を含む宛名を扱う場合は、横書きの方が適していることもある。そこで本記事では、封筒に横書きする方法や注意点を紹介する。また、洋封筒と和封筒の横書き文字の書き方も解説するので、この機会にぜひ確認してほしい。
ビジネスで使う封筒は横書きしてもいい?
まずは、そもそもビジネスで使う封筒の宛名は横書きしてもいいのかを解説する。封筒を取引先などの会社宛てに送ることがあり、書き方は横書きでいいのか迷っている方はぜひチェックしてほしい。
仕事で使う封筒は横書きしたほうが良い場合がある
仕事で使う封筒は、特定のケースにおいて横書きが推奨されることがある。一般的に、封筒の書き方はビジネスシーンで会社宛てに送る場合は和封筒を使用する。そのため、横書きではなく縦書きが標準的な形式だ。
しかし、横書きが適切な場合もある。例えば、洋封筒を使用する際は、横書きで書くのが一般的だ。洋封筒は主に西洋文化に由来するものであり、封筒自体が横向きのデザインとなっているため、宛名もそれに合わせて横書きする方が適している。
また、宛名にアルファベットや数字が頻繁に使われる場合も横書きが相応しい。英数字は横書きの方が視認性が高く、相手にとっても読みやすい。そのため、例えば外資系企業や海外の取引先とのやり取りでは、横書きの封筒が好まれることが多い。ただし、どのケースでも封筒の用途や相手先に応じて、適切な書き方はどれなのかを検討したうえで封筒に宛名や住所を書こう。
洋封筒の場合
洋封筒を使用する場合、宛名を横書きで書くのが一般的だ。洋封筒は横長の形状で、長辺に文書を入れる封入口があるため、横書きの方がデザインに自然に馴染む。これは、主に西洋文化に由来する封筒であり、手紙や挨拶状、招待状など、フォーマルなコミュニケーションや気持ちを込めたメッセージを送る際に使われることが多い。
ビジネスでも使用されることがあるが、封筒に横書きの書き方で文字を書くのは、特に個人宛てに送る際やプライベートな内容を送る場合に選ばれることがほとんどだ。例えば、お礼状や案内状では、洋封筒が適しているとされる。
洋封筒のサイズにはいくつかの種類があり、代表的なものとして「洋形2号」「洋形4号」「洋形3号」が挙げられる。洋形2号はA4サイズを四つ折りにした書類が入る大きさで、メッセージカードや手紙に適している。洋形4号はA4サイズを三つ折りにした書類が収まり、ビジネス文書でもよく使われる。洋形3号は、はがきサイズの書類やB5サイズを四つ折りにしたものが入る封筒だ。封筒の選択肢はさまざまだが、目的に応じて最適なサイズと形状を選ぼう。
宛名に英数字を頻繁に使う場合
宛名や住所に英数字を頻繁に使う場合、封筒を横書きにするのが適している。和封筒は縦書きで宛名を書くのが基本だが、英数字を縦に並べると視覚的にバランスが悪くなり、読みにくくなる可能性がある。特にアルファベットを1文字ずつ縦に並べると、名前や住所が長い場合に見た目が崩れ、相手にとっても不便だ。このような場合は、和封筒であっても横書きを選択することで、見た目が整い、スムーズに読み取れるようになる。
また、外資系企業や海外の取引先に封筒を送る場合、宛名や住所に英数字が多く含まれるケースが多い。この場合も、横書きにすることで見やすさが向上する。特に英数字は横書きの方が一貫性が保たれ、洗練された印象を与える効果が期待できるだろう。会社名や住所に英数字が多い場合は、縦書きか横書きかを判断する基準として視認性や見た目のバランスを考慮して宛先を書くようにしよう。
横書きで封筒を書く場合の注意点
次に、横書きで封筒を書く場合の注意点を紹介する。横書きで封筒を書くことに慣れていない場合は、注意点を事前にチェックしておこう。
算用数字を使う
封筒を横書きで書く際には、数字は算用数字を使うようにする。算用数字とは「1、2、3」といったアラビア数字のことで、縦書きの場合に使用される漢数字「一、二、三」とは異なる。例えば、縦書きの封筒では「一丁目二番地」と漢数字で書くところを、横書きでは「1丁目2番地」と算用数字で書くのが一般的だ。住所や郵便番号などに使われる数字も、横書きの場合はすべて算用数字で統一することで、読みやすさが向上する。
ただし、会社名やブランド名に含まれる数字には注意が必要だ。会社名に漢数字が使われている場合、算用数字に置き換えることは避けた方が良いだろう。例えば「第一株式会社」という名前を「第1株式会社」と変更して書くことは、相手への礼を欠く行為となる可能性があるため注意が必要だ。数字を扱う際には、内容に応じた適切な書式を選び、相手に正確に伝わるよう心がけよう。
封締めは任意
封筒を横書きで書く際、封締めは任意とされているため必ずしも行う必要はない。封締めとは、封筒の封をしたことを示すために「〆」や「封」といった封字を記す行為で、封筒が第三者に開封されていないことを相手に伝えるために行われるものだ。縦書きの封筒の場合は、封締めはマナーの一つ。一方、横書きの場合は封締めをしなくても失礼にはならないとされているため、状況に応じて判断する必要がある。例えば、重要な書類や個人的な手紙を送る場合、信頼性を示すために封締めをすることがある。しかし、横書きのビジネス書類などでは省略されることも多い。書くかどうかは送り先や文書の重要度によるが、横書きでは形式にこだわる必要はない。封締めを行わなくてもマナー違反と見なされることはないため、書かなくても構わない。
二重敬語を使わない
文書や手紙を書く際には、二重敬語を使わないように注意しよう。二重敬語とは同じ種類の敬語を一人の相手に対して重ねて使うことで、二重敬語を使うとマナー違反とされる。特に封筒の宛名で見られる誤りとして「〇〇部長様」や「〇〇社長殿」といった表現が挙げられる。「部長」や「社長」自体が敬称であるため、これに「様」や「殿」を付けると過剰な敬語となり、二重敬語にあたる。
敬称を使うことは礼儀を示す重要な要素だが、過剰な表現はかえって相手に不快感を与える可能性があるため、敬語は適切な範囲で使おう。先ほどの例を引用すると、「〇〇部長」や「〇〇社長」と敬称のみを使用すれば、シンプルかつ正しい書き方となる。特にビジネスの場では、相手に対して適切な敬意を示しつつも、過剰にならないよう配慮することが肝心だ。封筒における宛名書きでも、正しい敬語の使い方を心がけよう。
宛名や住所は正しく読める文字で書く
宛名や住所を書く際は、文字の読みやすさと情報の正確さに気を付けよう。基本的な部分だが、封筒が相手に届くためには、正しい住所や氏名で封筒に記載されている必要がある。特に宛名の氏名や漢字を間違ってしまうと、相手に不快感を与える原因にもなる。宛名や住所は相手が一目で読み取れるよう、適切なサイズで丁寧に書こう。宛名は封筒の中心付近に大きく記載し、バランスよく配置することで、視覚的に見やすくなる。住所や部署名も省略せず、正確に書くようにしよう。
また、エアメール(航空機で運ばれる手紙)の場合には、住所の書き方に注意が必要だ。国名や番地を間違えると、手紙が届かないだけでなく、途中で紛失するリスクもある。不安な場合は、封筒を送る前に相手に正確な住所を確認し、印刷して封筒に貼り付けるのが確実だ。
サイズや料金に留意する
封筒を送る際には、サイズと料金を誤らないように注意しよう。日本国内では封筒のサイズによって、郵送方法が「定形郵便」か「定形外郵便」に分かれる。定形郵便の規格内であれば基本料金で送れるが、サイズや重量が規格を超える場合は、追加の料金が必要になる。封筒に入れる書類が多くなり、重量が増すと料金が予想以上に上がることがあるため、事前に封筒の重量を確認しておこう。
また、貼る付ける切手の料金が不足していると、受取人が不足分を支払う必要があり、相手に迷惑をかけてしまう可能性がある。そのため、郵送する封筒のサイズや重さが正確に分からない場合は、郵便局で事前に計測してもらい、確実に適切な料金を把握してから送付しよう。
特に急ぎの郵送物の場合は、少し余裕を持った金額の切手を貼るとトラブルを防げる。特にビジネスの場面で封筒を送る際には、相手に不快な思いをさせないよう、郵便物のサイズや料金を十分にチェックして発送しよう。
洋封筒の場合の横書き文字の書き方
次に、洋封筒を使用する場合の横書き文字の書き方を紹介する。表面、裏面の横書き文字の正しい書き方を、それぞれ押さえておこう。
表面の書き方(洋封筒の場合)
洋封筒の表面に宛名を書く際は、郵便番号欄の有無によって書き方が異なる。郵便番号欄がある場合は、その欄に算用数字で郵便番号を記入し、封筒の封入口が上になるようにする。次に、封筒の左側に2文字分のスペースを空けて住所を書き始める。住所が長い場合は適切な位置で改行し、番地などの数字は算用数字を使用する。ビル名や部屋番号も忘れずに記載しよう。住所の下には、役職名や会社名、宛名を順番に記入する。会社名を書く際は、「株式会社」を「(株)」と省略せずに正式名称で記入したほうが相手に失礼な印象を与えずに済む。
また、役職名や氏名は会社名と同じ位置から書き、宛名は封筒の中心にくるようにするとバランス良く見える。さらに、氏名は住所や役職名よりも少し大きな文字で書くと、視認性が高まる。なお、郵便番号欄がない場合は住所の上部に郵便番号を記入しよう。住所と郵便番号の書き始めを揃えると、全体が整って見える。さらに、宛名や住所の最後の文字の位置を揃えることで、より見栄え良く仕上がる。
裏面の書き方(洋封筒の場合)
封筒の裏面は、表面と上下を揃えて封入口を上に位置した状態で文字を書こう。郵便番号欄がある場合は、その欄に算用数字で郵便番号を記入し、次に住所をその下に書く。住所は左右のバランスを考慮しながら、中央寄りに配置すると見た目が整う。
郵便番号欄がない封筒では、住所の上に郵便番号を記入し、封筒の下側3分の1以内に収めるのがポイントだ。差出人の住所、会社名、部署名、役職名、氏名を順に記入するが、差出人名は他の情報よりも大きめに書くことで、視認性が高まり整った印象を与えられる。
差出人の名前は封筒の中心に近づけて配置し、全体の文字のバランスを保てるよう心がけよう。また、封かん日(発送日)を記入する場合は、封の部分と重ならないように左側に小さく書き込むのが適切だ。特に、会社宛てに送るときは裏面に書かなければいけない事項に漏れがないか、封筒の書き方に注意しよう。
和封筒の場合の横書き文字の書き方
最後に、和封筒の場合の横書き文字の書き方を解説する。洋封筒の場合の横書き文字の書き方と混同しないよう、正しい書き方を理解しておこう。
表面の書き方(和封筒の場合)
和封筒を横書きで書く場合、まず封筒の上下を確認し、封入口が右側に来るように配置する。郵便番号欄がある場合は、その欄に算用数字で郵便番号を記入する。次に、封筒の左側に2文字分ほどの余白を空け、住所を記入する。住所が長い場合は適切な箇所で改行し、読みやすさを保つことが大切だ。住所の書き出しと郵便番号の書き出しを揃えると、全体がバランス良く仕上がる。
郵便番号欄がない場合は、住所の上に郵便番号を記入する。郵便番号と住所を揃え、整った見た目にすることで、読みやすさが向上する。次に、会社名や役職、宛名を記入するが、会社名は住所の一段下げた位置から始める。宛名は封筒の中央付近にバランスよく配置し、他の文字より少し大きく書くと、視認性が良くなる。
和封筒でも洋封筒と同様に、住所や宛名の書き出し位置を揃え、全体のバランスを意識して書くことが、綺麗な仕上がりを保つポイントだ。
裏面の書き方(和封筒の場合)
和封筒の裏面を横書きで記入する際は、基本的に洋封筒と手順は同じ。まず、封筒の上下を確認し、封入口を左側に置いた状態で横向きに配置する。郵便番号欄がある場合は、その欄に算用数字で郵便番号を記入する。次に、差出人の住所、会社名、部署、役職、氏名を郵便番号の右隣に書こう。住所は封筒の下3分の1以内に収め、全体のバランスを考慮して中央寄りに配置するのが理想的だ。
郵便番号欄がない場合も、差出人情報を封筒の下側にバランスよく配置しよう。まず、郵便番号を住所の上に記載し、その下に住所、会社名、部署、差出人名を順に書く。差出人名は他の情報より少し大きめに書き、封筒の中央に来るようにすると、文字の調和が取れて見える。また、封かん日を記載する場合は、封の部分と重ならないように左上に書き込むと綺麗に仕上がる。こうした工夫で、和封筒の裏面も整理された見た目となり、丁寧な印象を与えられるだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部