2024年に行われた衆議院選挙では、与野党問わず票数獲得に力を尽くす候補者たちの姿が見受けられた。
職場でも同様に、意見や提案を通すためには、いわゆる”社内政治”を行い、協力者を集める必要性が求められるケースもある。このような状況で、はたらく現場での社内政治の実態はどのようなものになっているのだろう。
Job総研では446人の社会人男女を対象に、出世意欲の有無と社内政治と出世の関係、社内政治力の定義と職場の実態やはたらきやすさとの関係、さらに出世に必要な力を年代別・役職別で紐解くとともに、社内政治への賛否と必要性などを調査した「2024年 社内政治の実態調査」を実施したので、結果をお伝えしよう。
全体の96.6%が社内政治と出世は「関係する」、社内政治力とは「根回しの上手さ」「良好な関係構築ができる」
回答者全体の446人に出世意欲の有無を聞くと、「意欲がある派」が57.8%で過半数を占め、内訳は「とてもある」9.1%、「ある」15.5%、「どちらかといえばある」33.2%という結果に。
また、社内政治と出世の関係については「関係すると思う派」が96.6%で大多数を占め、内訳は「とても関係すると思う」30.7%、「関係すると思う」38.3%、「どちらかといえば関係すると思う」27.6%となった。
社内政治力の定義を聞くと、「根回しが上手い」が57.4%で最多となり、次いで「周囲と良好な関係を築く」が54.9%、「業務や人間関係の把握が上手」が49.6%で続く。
職場で社内政治はあるか、という問いに対しては「ある派」が69.5%で過半数を占め、内訳は「とてもある」13.9%、「ある」24.4%、「どちらかといえばある」31.2%という結果に。
全体の88.2%が社内政治は「はたらきやすさに関係」、53.4%が出世には政治力より「成果を出す力」必要で50代が最多
社内政治ははたらきやすさに関係するかを聞くと、「関係すると思う派」が88.2%で大多数を占め、内訳は「とても関係すると思う」18.2%、「関係すると思う」36.8%、「どちらかといえば関係すると思う」33.2%であった。
出世には「社内政治力」と「成果を出す力」どちらが必要かについては、回答は割れたものの「成果を出す力派」が53.4%で半数を占め、内訳は「断然成果を出す力」16.8%、「成果を出す力」17.5%、「どちらかといえば成果を出す力」19.1%となった。
「成果を出す力派」の年代別回答を見ると、50代が60.9%で最多となり、次いで30代が52.3%、20代が52.3%、40代が49.9%。
役職別では、部長クラス以上が76.9%で最多となり、次いで課長クラスが69.8%、一般社員が54.8%、係長クラスが47.9%、主任クラスが34.8%であった。
全体の58.3%が社内政治には「反対」だが、全体の55.2%が社内政治は「必要」
回答者全体の446人に社内政治への賛否を聞くと、「反対派」が58.3%で半数を超え、内訳は「とても反対」12.8%、「反対」17.9%、「どちらかといえば反対」27.6%という結果に。
社内政治の必要性については、「必要だと思う派」が55.2%で過半数を占め、内訳は「とても必要だと思う」6.1%、「必要だと思う」16.4%、「どちらかといえば必要だと思う」32.7%であった。
社内政治が必要と回答した246人にその理由を聞くと、「上司から評価を得やすくなる」と「社内の意思決定スピードが上がる」が同率で39.8%となり、次いで「対立を防ぎ仕事が円滑になる」が37.8%。
不要と回答した200人にその理由を聞くと、「適切な評価が行われなくなる」が63.5%で最多となり、次いで「意識が分散し生産性が下がる」が51.5%、「ストレスや意欲に影響する」が48.0%となった。
■回答者自由記述コメント
出世に必要なのは「社内政治力」と「成果を上げる力」で意見が分かれるコメントが多く集まっていた。
■社内政治力派
・積極的に上司にも絡みに行き、懐に入り込める部下は可愛いがられるし、結果評価されやすくなると思います
・物事を効率よく進めようとすると、それなりの関係性構築、情報共有、事前の根回しは必要になって当然
・成果を上げても上司から嫌われると評価されないため、ある程度の政治力は必要と思います
・成果を得るには成果を出せる椅子に座る必要がある。その椅子を得るのは能力というより人間に依る気がする
・議論に参加せず実力者にすり寄っていた人が、結局気に入られてプロジェクトの成果はその人の手柄になった
■成果を上げる力派
・社内政治は成果をあげるための手段であり、出世したいのであれば、成果をあげるのが重要だと考えます
・大きな組織の場合、成果で見せた方が評価されやすい。成果が出せる人は上からも認めてもらえる人だと思う
・いくら人脈があっても成果が出せなければ、長期目線で見切りをつけられる
・チーム・会社・お客様へ貢献した対価が、昇給や出世に繋がっていくべきだと思います
・皆が納得する実績をあげることが必要。人脈は社会スキルの一つと思うが、第一は実績あっての話だと思う
調査概要
調査対象者:現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国/男女/20~50代
調査期間:2024年10月2日~10月7日
有効回答人数:446人
調査方法:インターネット調査
関連情報
https://job-q.me/articles/15649
構成/Ara