SNS運用やホームページ更新、プレゼン資料など、ビジネスパーソンにとって画像作成やデザインの機会は複数ある。けれど「デザインがいまいち苦手なんだよなぁ」と口癖のようにつぶやいている人も多いのではないだろうか。しかし現在では手軽に無料でも利用できるデザインツールがいくつか存在する。それらを利用すれば、手軽に誰もが見映えの良い画像やデザインを作成できるものだ。
今回は、Adobe ExpressとCanvaを日々活用しているプロに、デザイン性に優れたSNS投稿画像や企画書の作成のポイントを聞いた。
Adobe Express~ECサイトの商品画像を制作
Adobe Expressは、Adobe AcrobatやAdobe Photoshopなどで知られるアドビ社が手がけるデザインアプリだ。無料でも豊富なテンプレートやデザイン素材を利用して手軽に画像や動画を作成できる。
ビジネス用途でも、例えばSNS投稿用の画像やチラシ、動画、プレゼンテーションなどを手軽に作ることが可能。
今回は、Webデザイナーやアートディレクターである黒葛原(つづらはら)道氏にEC商品画像を作るポイントや本アプリならではの活用方法を聞いた。
●Adobe ExpressでECサイト用の商品画像を作るメリット
「プロのデザイナー向けの高品質なAdobe Stockの素材やAdobe Fontsのフォントライブラリが利用できる点がありがたいです。プロのデザイナー目線でいうと、高単価の商材には、相応なフォントや素材が必要なので、安心して使えます。
また、作ったコンテンツはLINEやnote、Wixといった外部のサービスでも利用できますし、テンプレートもそれらサービスに対応したものが豊富にあるので、一つのデザインからいろんなプラットフォームに展開するのも楽で嬉しいポイントです。
また、作った画像は複数のSNSへ予約投稿ができるのも便利です。それぞれのSNSにログインすることなく、投稿タイミングを管理できるので、手間やミスが起きづらくなります」
●Adobe Expressならではの活用ポイント
EC用の商品画像を作成する際には、Adobe Expressをどう活用できるだろうか。そのポイントを聞いた。
1.クラウド共有でデザイン素材を連携する
「Adobe Expressでは、アドビが提供するデザインアプリのAdobe IllustratorやAdobe Photoshopで作ったロゴなどのデザイン素材を、クラウドで共有しスムーズに連携できます。過去にプロのデザイナーが作ったバナーなどのデザイン資産を無駄にすることなく、かつ、デザイナーではない運用者でも簡単に扱うことができるのは嬉しいです」
2.生成AI(Adobe Firefly)を使った画像の編集や加工
「最近使えるようになったAdobe Fireflyという生成AIの機能も活用できます。文字入力によるプロンプト(指示)だけではなく、あらかじめ用意されている効果やスタイル(水彩画風になるものなど)が適用できます。
また『参照画像』という機能では、別の画像を元にして、構図や色味・タッチをイメージに近づけることができます。
思うようなコントロールがむずかしい生成AIですが、活用することで高い精度で画像が生成でき、かつアドビの生成AIは商用利用にも安心な画像を生成するよう設計されているので、とても重宝しています」
このAdobe Fireflyについては、黒葛原氏自身、次の用途で活用しているという。
「簡単なところでは、画像内の不要なものの削除をしたり、元々、画像になかったものを生成したりしています。例えばサラダの写真にプチトマトを違和感なく加える、といったことが簡単にできます。他には、モデルさんの服装やアイテムを変更したりしています。例えばノーネクタイのシャツにネクタイを生成したり、服装そのものを変更したりすることも行っています」
AI機能が加わったことで、より活用の幅が広がったAdobe Express。ぜひECの商品投稿用に使ってみよう。