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仕事中に「ヒヤリハット」が起こる主な原因と効果的な対策

2025.02.20

『ヒヤリハット』と聞いても、意味がよく分からない人もいるでしょう。言葉の意味や定義と併せて、主な原因や対策、業界別の事例などについて詳しく紹介します。ヒヤリハットに対する理解を深め、職場の安全管理に役立てましょう。

ヒヤリハットの定義とビジネスにおける重要性

ヒヤリハットとは、どのような意味なのでしょうか?言葉の定義と重要性、ビジネスにおけるヒヤリハット活動の目的を紹介します。

■ヒヤリハットの意味

ヒヤリハットは、『ヒヤリ』と『ハッ』という驚きを表す擬音語を組み合わせた言葉で、重大な事故や災害に至る一歩手前の出来事を指します。例えば、階段で足を滑らせそうになったり、車の運転中に居眠りしそうになったりなどです。

ヒヤリハットの重要性は、『ハインリッヒの法則』によって裏付けられています。この法則は、1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故があり、さらにその背景に300件のヒヤリハットが存在するという考えです。

ヒヤリハットを見逃すことは、潜在的な危険を見過ごすことにつながります。そのため、安全管理においてヒヤリハットの収集と分析は非常に重要な位置を占めているのです。

■ビジネスにおけるヒヤリハット活動

ヒヤリハット活動の目的は、職場の安全性を高め、重大な事故を未然に防ぐことにあります。

事故には至らなかったものの危険を感じた経験を共有し、分析することで、潜在的なリスクを特定します。これにより、効果的な安全対策を講じることが可能になるのです。

多くの企業や組織では、ヒヤリハットの報告制度を設け、日常的に情報を収集・分析しています。このような地道な取り組みが、職場の安全文化を促し、事故のない健全な環境づくりにつながるのです。

ヒヤリハットの主な原因と発生メカニズム

焦るビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

ヒヤリハットの発生には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。ヒヤリハットの主な原因を三つ紹介します。

■人的な要因

作業者の不注意や判断ミスなど、人間の行動に起因する人的な要因が挙げられます。例えば、疲労による集中力低下や慣れによる油断などです。

知識や経験不足も要因に含まれます。指示の聞き間違えや確認不足による誤作動で事故につながるなど、コミュニケーションエラーも人的要因です。

人的要因を防ぐには、適切な休憩時間の確保や、定期的な研修の実施などが効果的です。また、ダブルチェック体制の導入や、コミュニケーションスキルの向上を図ることも重要といえるでしょう。

■環境的な要因

作業場の設備や環境の不備など、環境的要因によるヒヤリハットも少なくありません。例えば、照明不足による視認性の低下や、騒音による聴覚情報の低下が挙げられます。床のでこぼこや滑りやすさも転倒のリスクを高めます。

温度や湿度も重要な要因です。夏場の高温多湿の環境下では、熱中症のリスクが高まります。また、換気不足による有害物質の蓄積も、健康被害につながる可能性があります。

環境要因を改善するには、定期的な設備点検や季節に応じた適切な空調管理、作業に適した照明の設置など、快適な作業環境の整備が重要です。

■組織的な要因

マニュアルの不備や教育不足など、組織的な要因もあります。例えば、新人職員への指導が不十分だったことで、重機の誤操作をしてしまうなどです。

情報の共有不足も大きな課題です。建設現場では、作業手順の変更が適切に周知されず、事故につながることもあります。また、安全よりも業績を優先する組織文化も問題です。

安全を重視する組織文化の構築や適切な業務管理などを実施することで、組織的な要因によるヒヤリハットを軽減できるでしょう。

業界別ヒヤリハットの事例と特徴

医療現場

(出典) pixta.jp

ヒヤリハットは、業界によって特徴が異なります。業界別に現場で発生しやすいヒヤリハットの具体例と特徴を見ていきましょう。

■医療・看護業界

医療・看護現場におけるヒヤリハットは、多岐にわたります。多くを占めるのが、注射や点滴など薬剤に関するものです。例えば、投薬名や量のエラー、投与方法や速度のエラーなどがあります。

転倒や転落、誤嚥(ごえん)や誤飲など療養上の世話に関するヒヤリハットも少なくありません。その他にも治療や処置・医療機器・輸血に関するものもあります。

ヒヤリハットが発生する主な要因には、情報伝達の混乱や類似した薬剤の存在、知識不足、時間的プレッシャーなどが挙げられます。

■介護・保育業界

介護現場では、高齢者の身体機能の低下などにより、転倒や転落のヒヤリハットが少なくありません。利用者が他の利用者の薬を飲もうとする、スタッフの付き添いが必要なのに勝手にトイレに行ってしまうなど、認知機能や判断力の低下が原因のものもあります。

保育現場では、子どもの予測不能な行動や職員の不注意が事故につながりやすい傾向にあります。例えば、園庭の遊具を使用時に転落しそうになったり、アレルギー食材を誤って取りそうになったりなどです。

遠足などの外出先での見失いや置き去りなどのヒヤリハットもあります。登園・降園時に送迎用バスに乗る園児を間違えそうになったり、駐車場で事故に遭いそうになったりなども発生しています。

■工場・製造業界

工場や製造現場では、機械設備や重量物を扱うため、重大な事故につながるヒヤリハットが発生しやすい環境にあります。作業場の床の滑りやすさや高低差などによる転倒が代表的な事例です。

台車やフォークリフト使用時の衝突や転倒、製造機器への巻き込まれ、重量物の落下、刃物によるけがなども発生しやすい事例です。電気炉がある工場での火災や、薬品を扱う現場での有害物との接触などもあります。

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