2024年11月にフリーランス新法(正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)が施行される。これは、フリーランスとそれを委託する企業側とのトラブルが少なくないため、そのトラブルを防ぐための法律だ。
では、このフリーランス新法について、実際にフリーランスとして働く人の何割程度が認知・理解しているのだろうか?
株式会社スガワラくんはこのほど、20歳以上50歳未満の個人事業主・フリーランス・一人社長・自営業主の特定委託事業者の男女全国500人を対象に「取引先とのトラブルとフリーランス新法」についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
フリーランス新法の認知度は5割弱、理解度は2割
「これまでに取引先(発注者)との間でトラブルを経験したことがあるか?」と聞いたところ、「専属外注の取引先とトラブルがある」が6.8%、「専属外注以外の取引先とトラブルがある」が8.0%となり、合わせて15.8%のフリーランスが何らかのトラブルを経験したことがあることがわかった。
トラブルの経験があるフリーランスに「トラブルの内容」を聞くと、「契約書に明記されている業務の範囲外のことを依頼される」(35.1%)が最も多く、以下「理由なく報酬を減額される」(33.8%)、「報酬が支払われない」(32.4%)、「理由なく成果物が返品される」(24.3%)、「性的・威圧的な発言(ハラスメント)」(23.0%)と続いた。
次に、「2024年11月から『フリーランス新法』が施行されることを知っているか?」と聞いたところ、「知らない」が半数以上(53.2%)いた。また、「内容まで理解している」は1割に満たず(5.0%)、「施行を知っていて、内容もなんとなく知っている」も1割超(14.8%)と理解度の低さが浮き彫りになった。
内容を理解している・なんとなく知っていると回答したフリーランスに「フリーランス新法への期待度」を聞くと、「やや期待している」(42.4%)が最も多く、以下「あまり期待していない」(28.3%)、「とても期待している」(20.2%)、「まったく期待していない」(9.1%)と続いた。
続いて、とても期待している・やや期待していると回答したフリーランスに「どんなことを期待しているのか?」と聞いた。「理由のない報酬減額の防止」(51.6%)、「報酬の支払遅延防止」(50.0%)、「相場に比べて著しく低い報酬の防止」(48.4%)、「報酬の不払防止」(45.2%)が半数前後を占めた。報酬に関するトラブルは、フリーランスにとって死活問題になりかねないため、これらの期待値は高いのだと考えられる。
<調査概要>
調査期間:2024年10月9日~11日
調査手法:インターネット調査
調査対象:20歳以上50歳未満の特定受託事業者(以下、フリーランス)の男女全国
有効回答者数:500人
調査機関:Freeasy
構成/こじへい