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【ヒット商品開発秘話】発売から3か月で約40万ケースを販売したサントリー「茉莉花〈ジャスミン茶割・JJ缶〉」

2024.10.24

「JJトハナニカ」とだけ掲出

「RTD市場では炭酸を使っていないものが少ないので、どの程度売れるかわかりませんでしたが、今のところ予想以上に売れており、少しずつ広がりを見せているところです」

『JJ缶』の売れ行きをこのように話す永尾さん。同社のRTDで無炭酸かつお茶で割ったものは『JJ缶』以外には『烏龍チューハイ』しかないこと、ジャスミン茶を割り材に使ったRTDが市場で見当たらなかったことから、売れ行きの見通しが立たなかった。当初の年間販売計画を50万ケースとしたのは、長く売れ続けている自社RTD商品の初年度販売実績などから決めた。

 テレビCMの放映もありJJは大阪と沖縄以外でも知られるところになった。販促ではこのほか、交通広告に注力した。発売前に大阪と沖縄で実施した時は「JJトハナニカ」と謎めいたものを掲出。あえて何も説明しないことで興味を引き、クチコミの拡散から話題づくりにつなげることを狙った。発売後の2024年夏には、『JJ缶』の好きなところやどういうふうに飲んでいるかといったSNS上でのつぶやきや公開されている画像を使った電車内広告を掲出した。

大阪と沖縄で掲出された「JJトハナニカ」の交通広告

 また、9月に入りパッケージをリニューアル。JJのロゴの下に[ジャスミン焼酎 ジャスミン茶割][無糖・無炭酸]と表記し、ブランド名の『茉莉花』は右上に移動した。飲んでみて初めて炭酸ではないとわかったこと、パッケージの色使いから甘い味を想像していたことがユーザーの声から確認できたため、このような変更が実施された。永尾さんは「どのような特徴を持っているのかを伝え、手に取ってもらえるようにすることについては、現在でも試行錯誤しています。パッケージなどのブラッシュアップは今後もずっと続いていくと思っています」と話す。

スイーツと一緒に飲まれるケースも

 SNSなどの反応から『JJ缶』には他のRTDにあまり見られない特徴が見つかった。それは、食事の後半から食後のリラックスタイムにかけて出現する機会が多いこと。1杯目ではなく2杯目以降で飲まれやすいのがその理由だ。

 料理との相性が良く何でも合わせやすいのも『JJ缶』の特徴。スッキリ爽やかな味わいなので中華料理との相性は抜群だが、ユニークなところではスイーツやお菓子と一緒に飲むユーザーも多いそうだ。

 料飲店でJJを飲むのは20代から30代にかけての若い世代が中心だったが、『JJ缶』はもっと幅広い世代に親しまれているという。永尾さんはユーザー層について次のように話す。

「店でJJを飲む人は飲みやすさや軽やかさ、楽しい時間に寄り添ってくれそうな印象を評価してくれまたしたが、こう評価していただけるのであれば『JJ缶』はもう少し上の年齢層にも需要があると見ていました。実際買っていただいているお客様を見ていると若い世代が多いものの、40代や50代の方もいらっしゃいます。年齢を問わず幅広く受け入れられている味わいなのだと感じています」

取材からわかった『茉莉花〈ジャスミン茶割・JJ缶〉』のヒット要因3

1.キャッチーなネーミング

 JJと聞いても中味の想像はつかないがキャッチーでインパクトがあるので、一度聞くと印象に残りやすい。お店にあったら思わず注文してしまいそうだし、店頭で『JJ缶』にある大きなJJのロゴを見かけたら思わず買ってしまいそうになる。そんな力がJJという愛称にはあった。

2.懐深い味わい

 中味はスッキリ爽やかな味わい。無糖・無炭酸なので飲みやすさは折り紙つきだ。どんな料理とも相性が良い仕上がりになっており、味わいに懐の深さが感じられる。

3.リラックスしたい時にピッタリ

 華やかな香りが特徴のジャスミン茶を割り材に使っていることから、食後に飲んだりスイーツやお菓子と一緒に飲んだりできるほど。炭酸が抜ける心配がないので、リラックスしながらゆっくり少しずつ飲むのに適している。

 JJはサントリーが提案した飲み方ではなく、『茉莉花』の顧客が生み出した飲み方。顧客に親しまれている味わいとJJの愛称を大切にし『JJ缶』の開発に生かしたサントリーの謙虚な姿勢もヒットに一役買っている。

『茉莉花』ブランドサイト

文/大沢裕司

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