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「定性的」と「定量的」の違いとは?意味、目標設定、分析方法の違いを徹底解説

2024.10.24

定性的と定量的という言葉の違いを、使い分けることはできているだろうか

ビジネスシーンではデータを扱う場面でよく出てくるワードだ。「意味や違いがよくわからない」という方も多いだろう。目標設定や評価にも使うため、ビジネスパーソンにはぜひ知ってほしい。

この記事では「定性的」「定量的」の意味と使用シーン、目標設定、分析方法の相違をわかりやすく解説する。

定性的・定量的の違いの「早見表」

まずは定性的・定量的の違いを表でチェックしてみよう。定性的・定量的の意味などの詳細は後に紹介するので、まずはざっくりとしたイメージを把握してもらいたい。

定性的

定量的

意味

1.性質に関するさま。ある物質にその成分が含まれるかどうか

2.数値や数量で表せないさま

1.数量に関するさま。ある物質にその成分がどれだけ含まれるかどうか

2.数値・数量で表せるさま

データのメリット

・数値化できないものがわかる

・人の行動心理など、深い事情や理由を知る手段になる

・客観性が高く、比較・分析がしやすい

・大量のデータから予測も可能

データのデメリット

・客観性が乏しい

・データを見る人によって解釈が変わる可能性がある

・深堀りが難しい

・数字のみではわからない要素を見逃す可能性がある

目標設定のポイント

・期限を決めて、プロセスに着目する

・定期的なフィードバックや振り返りを行う

・数字を使って目標設定する

・期限や達成可能かどうかを考慮する(参考:SMARTの法則)

ビジネスシーンでの主な使い方としては、「定量的」は数値・数量で表せるもの、「定性的」はその逆で数字では表せないものだと覚えるとわかりやすい。

なお、定性的・定量的なデータを集めることを目的とした調査方法を「定性調査」「定量調査」という。収集したデータに基づいて分析を行うことが「定性分析」「定量分析」だ。

定性分析では評価基準を決めて分析を行うこと、定量分析では十分なデータ量を蓄積して傾向を見ることがポイントである。

それでは、それぞれの詳細を解説していこう。

定性的の意味と使用シーン

はじめに、「定性的」の意味と使用シーンを紹介する。具体例とともに確認していこう。

■定性的の意味

「定性的」には2つの意味がある。

デジタル大辞泉によると、一つは性質を表す意味だ。ある物質にその成分が入っているかどうかを表す。科学の分野では、物質の状態や変化を見るときに用いられる。

もうひとつの意味は、数値や数量で表せないさまだ。数字を使わずに、言葉や文章などで表すさまのことを意味する。

なお、定性的は英語で「qualitative」だ。qualitativeは形容詞で、「qualitative data(定性的なデータ)」などのフレーズで使う。

■定性的なデータのメリット・デメリット

定性的なデータのメリットは、数値化できないものを明らかにできることだ。

ビジネス上では、アンケートの自由回答欄や対面インタビューでわかる顧客の声、SNSでの反応のように行動観察によって得られる情報が、定性的なデータの主な例だ。単に「良い/悪い」「面白かった/つまらなかった」という評価だけではなく、「なぜそう思ったのか?その理由は?」と深く調査できる。人の行動心理を知ることに長けているのが、定性的なデータの強みだ。

一方でデメリットもある。定性的なデータは数字ではないので、比較・分析を行うことが難しい。見る人によって解釈が変わってしまい、数値化されたデータと比べて扱いづらいという側面もある。

■定性的のビジネスシーンにおける使用シーン

ビジネスシーンでは、ある事柄に対して数字ではない視点から捉えるときに「定性的」を使う。いくつか例を挙げよう。

 

【定性的を使った文例】

  • 定性的な考え方にも着目してほしい
  • 今期の業績が伸びた要因を、定性的に説明する
  • 先進的なアプローチによって定性的な実績が得られた

【定性的な表現例】 ※目標を定性的に表現する場合

  • 企業のブランドイメージを向上させる
  • 丁寧な顧客対応を心がける
  • リーダーシップとマネジメント力を磨く
  • チーム間で円滑なコミュニケーションを図る

 

定性的な表現というのは、抽象的な言い回しになる。これがわかりづらさの要因にもなっているので、難しいと感じる方も多いことだろう。

ビジネスシーンでは「定性的な表現に直してほしい」と言われたら、数値・数量ではない側面からその物事を捉えていただきたい。

※出典:小学館「デジタル大辞泉」

定量的の意味と使用シーン

「定量的」の意味と使用シーンを紹介する。「定性的」とは対になる表現であることに注目してほしい。

■定量的の意味

「定量的」には2つの意味がある。

デジタル大辞泉によると、一つは数量に関するさまだ。ある物質にその成分がどれだけ含まれるかを表す。性質を表す「定性的」とは違って、数量を表す言葉である。

もう一つは、数値・数量で表せるさまだ。例えば「売上高100億円を目指す」「顧客満足度90%以上を達成する」といったように、数字を使った表現が当てはまる。

英語では、定量的を意味する単語は「quantitative」だ。quantitativeは形容詞で、「quantitative data(定量的なデータ)」などのフレーズで使う。

■定量的なデータのメリット・デメリット

定量的なデータのメリットは、比較や分析がしやすいことだ。集めた大量のデータから予測を行うこともできるため、市場動向や顧客の需要予測にも活用されている。

また、定量的なデータは客観性があることもメリットだ。数字ではっきりと見えることから、データを見る人の主観によって解釈が左右されにくい。複数人が同じデータを見るときにも、共通認識をもって話すことができる。

デメリットは、深掘りが難しいことだ。例えば、ある有料動画配信サービスでユーザー数が減少した月があったとする。数字上ではわかっても、その数字が意味するものが何なのか、実態が見えてこないケースは珍しくない。

数値化できるものにも限界があるため、定性的なデータと組み合わせることが必要な場面もある。

■定量的のビジネスシーンにおける使用シーン

ビジネスシーンでは、数値化できるものを表す際に「定量的」を使う。「定量的に述べる」「定量的に記載」も、数字で具体的にしてほしいという意味合いで使う言い回しだ。

 

【定量的を使った文例】

  • 今の話を、定量的に説明してほしい
  • 当社が導入したAI予測サービスによって、定量的な予測に成功した
  • 取り組みの経過に、定量的な効果が見えている

【定量的な表現例】

  • 売上高1,000万円  ※金額(利益、価格など)
  • ユーザー数600万人  ※人数(来店者数、従業員数など)
  • 市場シェア90%  ※割合(生産性向上やコストカットの程度、進捗状況など)
  • 契約件数700件  ※件数(業務の処理件数、ミスの件数など)
  • 410万PV ※Web関連の単位(ページビュー数、コンバージョン数など)
  • 1か月あたり5社と商談する  ※時間と社数の組み合わせ

 

このように、数字を使うことが定量的な表現だ。「定量的」というワードが出てきたら、数字の話をしているのだと思い浮かべるとわかりやすい。

※出典:小学館「大辞泉」

定性的・定量的な目標設定のポイント

次に、定性的・定量的な目標設定のポイントを解説する。「定性4:定量6」の割合で決めることが一つの目安になると言われているので、参考にしてほしい。

■定性的な目標設定の方法

定性的な目標設定とは、数値・数量ではないものを目標に設定することだ。最初にどうありたいかを言語化して、それを目標に落とし込む。

 

【目標設定の例】

  • 顧客満足度を高める
  • 取引先との信頼関係を強固にする
  • 業務の品質向上を実現する
  • 仕事へのモチベーションを向上させる
  • 社内のメンバー間で積極的にコミュニケーションをとる

 

目標設定のポイントの一つは、期限を決めることだ。数値化できない目標であるからこそ、プロセスや達成度を見ることが難しい。「いつまでに、どのように達成するか?」という視点は欠かせない。

客観性が足りなくなることにも留意したい。自分が目標達成に向けてアクションする立場であれば、評価者から定期的なフィードバックを受けることや、振り返りも行うことが重要だ。

■定量的な目標設定の方法

定量的な目標設定とは、数値・数量を使って具体的に目標を設定することだ。金額や割合、時間、人数などのように数字で言えるものには、定量的な目標設定が向いている。

 

【目標設定の例】

  • 月間売上500万円を達成する
  • 顧客満足度を80%から90%に引き上げる
  • 月間残業時間を10時間削減する
  • システムの不具合件数を7件減少させる
  • キャリア採用で年間20名採用する

 

定量的な目標設定のポイントは、数字だけではなく、期限や達成可能かどうかも考慮することだ。SMARTの法則というフレームワークでチェックできるので、以下の5つの要素も参考にしてほしい。

 

【SMARTの法則】

  • Specific(具体的に):誰が見てもわかるか
  • Measurable(測定可能な):達成度を把握できるように数字を使っているか
  • Achievable(達成可能な):現実的に達成できるか
  • Related(関連性のある):他の目的との関連性があるか
  • Time-bound(期限がある):いつまでに達成するか

 

注意点としては、定量的な目標のみではプロセスを見落としてしまう懸念がある。売上20%アップという成果が出たとしても、努力して出した結果か、たまたまそうなったのかでは意味が変わってくる。

実態を明らかにしたい場合には、数字では見えない面にもよく目を向けることが重要だ。

定性的と定量的を使い分けてビジネスに生かそう

「定性的」と「定量的」は似ている言葉だが、意味や使い方は異なる。

「定性的」とは数値化できないさまのことだ。定性的なデータとは人の声や反応など、主観性の高い情報であることが多い。目標設定ではプロセスに注目した目標を立てる。それをいかに評価するかがポイントだ。

「定量的」は数で表すことができるさまだ。定量的なデータとは、金額やパーセントなど数字で示すことができて客観性がある。目標設定においては達成したかどうかがわかりやすい一方で、深堀りが難しいこと、数字のみにとらわれてしまうケースがあることにも注意点だ。

それぞれの違いを押さえて、ビジネスシーンではぜひ使い分けていただきたい。

 

文/zero

人と組織を支援するライターで、導入事例やセミナーレポートを執筆。ビジネスパーソンに向けた多様なジャンル・カテゴリの役立つ情報を作成している。

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