パーパス経営を実践する際のポイント4つ
パーパス経営を実践する際は、以下のポイントをおさえておくことが大切です。
1.自社とステークホルダーをしっかり分析する
2.わかりやすい言葉で明文化し、社内に浸透させる
3.経営戦略や事業戦略、業務に落とし込む
4.パーパス経営の失敗例を知っておく
これらのポイントについて、詳しく確認していきましょう。
■1.自社とステークホルダーをしっかり分析する
効果的なパーパス経営をおこなうためには、まず自社の現状を把握することがポイントです。
自社のノウハウや知見を活かせるような活動であれば、市場から理解を得やすくなります。自社の強みを活かせる独自のパーパスを策定するためにも、自社の分析が重要です。
また、自社のステークホルダーもしっかり分析しましょう。ステークホルダーとは、顧客・投資家・従業員・仕入先など、企業に関わるすべての人のことです。
自社とステークホルダーの情報を集めて整理する際は、「自社のCSRに関する調査」「IRに関する外部評価」「仕入先の調査データ」「従業員のデータ」「顧客のデータ」などをもとに分析するといいでしょう。さらに、そのほかの外部環境に関する調査も有効です。
■2.わかりやすい言葉で明文化し、社内に浸透させる
パーパスは、わかりやすい言葉で明文化することも大切なポイントです。
組織や業務の目的・使命を明確に表現するパーパスは、従業員を含めたステークホルダーに共感してもらうことで効果を発揮します。そのため、相手に伝わりやすい言葉であることと、共感を得られる内容であることが重要です。
「社会における課題」「問題の根本的な原因」「企業がどのような価値を提供するのか」などを深掘りしておくと、自社にあった内容を検討しやすくなるでしょう。
社内に浸透させる際は、パーパスを設定した背景まであわせて伝えると、共感を得やすくなります。社内研修やワークショップを実施してパーパスの重要性や目的を学ぶと、より深く理解してもらいやすいでしょう。
■3.経営戦略や事業戦略、業務に落とし込む
パーパス経営をおこなう際は、形だけになってしまわないように、実際の行動につなげることも大切なポイントです。
まずは、経営戦略や事業戦略にパーパスを組み込みます。中長期の目標やKPI、ビジネスプランをパーパスの考え方にもとづいたものに策定しなおし、事業活動全体で体現できるようにしましょう。
KPIとは業務パフォーマンスの計測・監視を目的とした指標で、「重要業績評価指標」ともいいます。
さらに、パーパスの考え方を日々の業務に落とし込むことで、従業員がパーパスを意識して行動しやすくなります。
■4.パーパス経営の失敗例を知っておく
パーパス経営の失敗例を事前に知っておくことも、パーパス経営を実践する際の重要なポイントです。
パーパス経営に失敗すると、以下のような状態になります。
・策定したパーパスが経営に取り入れられていない
・従業員がパーパスを理解していない
・実際の行動がともなっていない
せっかくパーパス経営に取り組んでいても、失敗例のようになっていては効果をあげられません。
経営層がパーパスの定義を理解できていなかったり、社員に浸透していなかったり、具体的な業務に落とし込めていなかったりすると、パーパス経営が失敗しやすいです。パーパス経営を実践する際は、これらにあてはまらないようにしてください。
パーパス経営を正しく理解しよう
パーパス経営は、意思決定の迅速化や従業員エンゲージメントの向上、ブランディングにつながることなどのメリットのある経営手法です。ただし、うまく活用しないと、せっかく取り組んでいても形だけになってしまう可能性もあります。
パーパス経営に求められるものやメリット、デメリット、取り組む際のポイントなどを理解して、パーパス経営を適切に理解し活用できるようになりましょう。
構成/chihaya