10月に入っても最高気温が25℃以上の夏日が続き、秋らしいカラッとした涼しさを感じることができない日が続いている。朝晩と日中の寒暖差も激しく、体調を崩してしまったという人も多いのではないだろうか。
日本ゼオンは、体調を崩しがちな季節の変わり目を迎える今、全国の20~60代の男女1008人を対象に、秋バテや睡眠の質に関するアンケート調査を行った。
今年、夏から秋への季節の変わり目で不調を感じる人は半数以上! 6割が「例年より不調を感じる」
今年、夏から秋への季節の変わり目で不調を感じる人は55.6%。また、今年は例年よりも不調を感じるという人は64.2%に上った。
今年、夏から秋への季節の変わり目の不調については、 80.5%が日常生活や仕事に影響を与えることがあると回答している。
「秋バテ」の認知率は2割未満、「秋うつ」の認知率は約1割のみ
「秋バテ」の認知率(症状まで理解している)は18.3%にとどまり、「秋うつ」の認知率は11.8%のみにとどまった。
最近、当てはまる症状について伺ったところ、1位「最近、体がだるく感じることがある」2位「最近、疲れやすく感じる」3位「最近、眠りが浅いと感じることが多い」という結果に。
また専門家によると、以下の赤枠の項目のうち、3個以上当てはまると「秋バテ」、6個以上当てはまると「秋うつ」の可能性があるという。
これを踏まえると、不調を感じている人のうち、30.6%が「秋バテ」に該当し、4.1%の人に「秋うつ」の可能性が見られた。
9月中旬、約6割が睡眠の質は「夏と変わらない」、3人に1人は「夏よりも睡眠の質が下がった」
睡眠の満足度は平均4.9pt。睡眠の満足度はやや低い傾向が見られた。また本来は暑さが多少和らぐ9月中旬時点でも、「夏と睡眠の質が変わらない」という回答が約6割に上り、3人に1人が夏より睡眠の質が下がったと回答。
夏時期に冷房で体調の変化を感じた人ほど、今秋睡眠の質の低下を実感する人が多い傾向となった。
専門家によると、「秋バテは夏の「暑さ負債」「寒暖差自律神経疲労」が関係しているという。
夏場のクーラーによる室内・室外の寒暖差や、気温・気圧の変化により自律神経が乱れたまま秋を迎えて、一気に夏の疲れが出ることで起こる。これにより、結果的に睡眠の質の低下を引き起こしている可能性があるという。
今秋、積極的に日光を取り入れている人ほど、睡眠の質の低下を感じにくい傾向
普段から積極的に日光浴を取り入れている人は60.3%。積極的に日光を取り入れている人ほど、睡眠の質の低下を感じにくい傾向が見られた。
現在の仕事の満足度(最大10ポイント)は、平均5.9ポイントという結果に。一方で、積極的に日光浴をする人は、平均6.5pt、積極的に日光浴をしない人は5.7ptにとどまっている。積極的に日光をする人ほど、仕事の満足度も高まる傾向が見られた。
調査概要
調査対象:全国の20代~60代男女1008人
調査期間:2024年9月17日(火)~9月19日(木)
調査方法:株式会社ジャストシステム「Fastask(ファストアスク)」を用いたインターネットリサーチ
※結果数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
※日光浴ナビゲートデバイス「LNES」提供 日本ゼオン株式会社調べ
睡眠負債の専門家白川 修一郎 先生のコメント:暑さ負債に注意!秋バテ対策にも、適度な日光浴が必要
夏から秋にかけて日長時間が短くなっていきます。生体リズムが軽い時差ボケ様の状態になりやすい季節の変わり目です。
また、気温や気圧の変化が起きやすい時期です。軽い時差ぼけ様状態で気温や気圧の変化にさらされると、自律神経が不調になりやすく、さらに夏の暑熱にさらされて蓄積した自律神経の疲労をひきずってしまうことで、心身の不調を感じやすくなるのでしょう。
■9月に突入しながらも「睡眠の質の低下」が続くのは“暑さ負債”のため。改善するには生体リズムを整えること
今年の9月は、猛暑日の日数が記録開始以来最多の地域も多く、夏の暑さによる自律神経の負債が解消できていない可能性があります。
交感神経がしっかりと休息モードに入らないと質の良い睡眠は保証されません。交感神経と副交感神経のバランスが乱れたままだと、交感神経が夜に休息モードに入りにくいことが知られています。
軽度の時差ぼけ様状態だと考えると分かりやすいでしょう。自律神経の一日の変化は、脳内にある生体リズムのマスタークロックがコントロールしています。
交感神経と副交感神経のバランスを調整し、交感神経が夜に休息モードに入りやすくするには、生体リズムを整えることが、まず第一なのです。
■睡眠負債が蓄積すると、気分が落ち込みやすくなる傾向も。秋バテや秋うつ症状も睡眠の質向上で解決
脳や体の疲労の回復には、なんと言っても良質で適切な時間の睡眠が効果的です。睡眠不足が続く、睡眠の質的悪化が続くと睡眠負債が蓄積します。睡眠負債が蓄積すると、気分が落ち込みやすくなることが分かっています。
夏から秋、秋から冬へと日照時間は段々と減っていきます。太陽光を浴びる時間が少なくなると気分が落ち込み、何をやるにもおっくうになってしまう人が、日本人の中に少なからずいることも報告されています。
秋は、しっかりと日光浴をして気分を爽やかにして体を動かし、その結果として夜の睡眠の質を向上させることが、秋バテや秋うつに対抗する有効な手段です。
■今秋、睡眠の質を向上するためには「(1)朝9時前に10分程度の日光浴」「(2)1日を通じて1時間以上の日光浴」が必要条件。秋バテ防止には「(3)週に数日は7時間以上の睡眠をとる」こと
夜の睡眠の質を向上させるには、朝に10分程度太陽光を浴び、生体リズムを調整し、日中に1時間程度の日光浴で夜のメラトニン分泌を増大させることが、この秋に良好な睡眠をとるための秘訣です。
また、昼間の気分向上に関わるセロトニンは、メラトニンの前駆物質です。夜間のメラトニンを増やすことは、昼間のセロトニンを増やすことにもつながります。
朝食と昼食にセロトニンとメラトニンの元となるトリプトファンを多く含む食品(大豆製品や乳製品など)をしっかりととることも大切です。
関連情報
https://www.lnesproject.jp/sl04/
構成/Ara