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管理職の半数以上が「部下へのフィードバックをためらう」と答えた理由

2024.10.18

部下の成長を促す上で、適切なフィードバックは欠かせない。しかし、部下がどんな反応をするのか恐れたり、自分の主張が正しいか自信が持てなかったりと、何らかの理由でためらってしまう管理職も少なくないのではないだろうか?

ALL DIFFERENTおよび人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所はこのほど、同社の管理職向け研修の受講者415名を対象に「管理職意識調査」を行った。本記事では、管理職の最大の課題である「部下育成」のうち、「部下へのフィードバック」に焦点を当てた結果を紹介する。

半数以上の管理職がフィードバックをためらう

はじめに、課長クラス以上の管理職(以下「管理職」と記載)に、部下へフィードバックする際、ためらったことがあるかを質問した。

結果、53.2%が「はい」と回答し、半数以上の管理職が部下へフィードバックすることをためらうことが明らかとなった。(図1)

次に管理職のうち、1~3年目の課長クラスを「新任管理職」、4年目以上の課長クラスを「ベテラン管理職」、部長クラスを「幹部候補」と三つのステージに分類し、ステージ別に違いがあるか見ていく。

新任管理職:1~3年目の課長クラス
ベテラン管理職:4年目以上の課長クラス
幹部候補:部長クラス

新任管理職の約6割がフィードバックをためらう。ステージ初期の管理職ほど割合高まる

部下へフィードバックする際、ためらったことがあるかステージ別に比較した。「はい」と回答した割合は、新任管理職は63.2%、ベテラン管理職は53.2%、幹部候補は39.3%となった。ステージが低い管理職ほど、フィードバックをためらう傾向にあることが明らかとなった。(図2)

ためらう理由、新任・ベテランは「部下の反応」、幹部候補は「自分の正しさ」への不安が上位に

次に、フィードバックをためらった理由をステージ別に比較した。

結果、新任管理職は「部下の反応に対して不安があるから」と回答した割合が47.8%となった。以下「自分が本当に正しいかに自信がなかったから」が40.3%、「適切な伝え方がわからなかったから」が38.8%と続いた。

ベテラン管理職は「部下の反応に対して不安があるから」が55.9%、「適切な伝え方がわからなかったから」が45.8%となり、どちらも他ステージよりも突出する結果となった。

幹部候補は、「自分が本当に正しいかに自信がなかったから」が54.2%、「部下の反応に対して不安があるから」「もう少し様子を見てからでも良いかと思ったから」が同等の割合で41.7%となった。(図3)

新任は「週1」「特に決めていない」、ベテランは「即時」、幹部候補は「特に決めていない」と回答

次に、部下にどれくらいの頻度で、業務に関するフィードバックをしているか質問した。

新任管理職は「週に1回フィードバックしている」「特に決めていない」がともに23.6%となった。ベテラン管理職は、「即時にフィードバックしている」が26.1%、次に「特に決めていない」が19.8%。幹部候補は「特に決めていない」が26.2%、「即時にフィードバックしている」が24.6%となった。(図4)

全体の8割以上、幹部候補の9割以上が「対面・口頭伝達」

フィードバックの伝達方法について質問したところ、8割以上が「対面で、口頭伝達している」と回答する結果となった。ステージが高まるほど、対面・口頭伝達を選択しており、幹部候補は9割以上となった。また、「チャットやメールなどで文書伝達している」と回答した割合も3割以上おり、新任管理職ほどその割合は高くなった。(図5)

7割以上の管理職が「事実や結果に基づく具体的な内容」を心がける

フィードバック時にどのようなことを伝えるよう心がけているか質問したところ、各ステージとも「事実や結果に基づく具体的な内容」と回答した割合が7割以上いることがわかった。特に幹部候補は8割以上が回答した。

ステージ別に比較したところ、新任管理職は「事実や結果に基づく具体的な内容」(72.6%)の次に、「フィードバックの意図や理由」が56.6%、「日頃の感謝や努力への労い」が47.2%となった。

ベテラン管理職では、「事実や結果に基づく具体的な内容」(70.3%)の次に、「日頃の感謝や努力への労い」が53.2%、「フィードバックの意図や理由」が51.4%となった。

幹部候補は、「事実や結果に基づく具体的な内容」(82.0%)が他のステージよりも高い結果となった。(図6)

「課題を認識しているが、行動につながらない」がトップ

フィードバック後の部下の行動について、悩んでいることを質問したところ、「自分の課題を認識してはいるが、すぐに行動につながらない」と回答した割合が46.8%となった。以下、「質問や反論はないが、自分の課題を認識してもらえないことが多い」と回答した割合が28.9%と続いた。(図7)

幹部候補はフィードバック後の部下の行動に悩みを感じる割合が高い

上記の悩みの割合を、管理職のステージ別に比較したところ、各ステージとも「自分の課題を認識しているが、すぐに行動につながらない」と回答した割合が最も多く、以下「質問や反論はないが、自分の課題を認識してもらえないことが多い」が続いた。

新任管理職では、「自分の課題を認識しているが、すぐに行動につながらない」と回答した割合が44.3%となり、次に「質問や反論はないが、自分の課題を認識してもらえないことが多い」が34.0%となった。

ベテラン管理職では、「自分の課題を認識しているが、すぐに行動につながらない」が49.5%、「質問や反論はないが、自分の課題を認識してもらえないことが多い」が27.0%と続いた。

幹部候補では、「自分の課題を認識しているが、すぐに行動につながらない」が77.0%、「質問や反論はないが、自分の課題を認識してもらえないことが多い」が59.0%と続いた。幹部候補は全項目において他ステージよりも悩みを感じる割合が突出していることが特徴だ。(図8)

<調査概要>
調査対象者:ALL DIFFERENT株式会社が提供する管理職向け研修の受講者
調査時期:2024年5月20日~7月17日
調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
サンプル数:415名
属性:
(1)業種
建設業 32人(7.7%)
製造業 64人(15.4%)
電気・ガス・熱供給・水道業 5人(1.2%)
情報通信業 100人(24.1%)
運輸業,郵便業 16人(3.9%)
卸売業,小売業 74人(17.8%)
金融業,保険業 17人(4.1%)
不動産業,物品賃貸業 12人(2.9%)
学術研究,専門・技術サービス業 17人(4.1%)
宿泊業,飲食サービス業 2人(0.5%)
生活関連サービス業,娯楽業 1人(0.2%)
教育,学習支援業 1人(0.2%)
医療,福祉 3人(0.7%)
複合サービス事業 11人(2.7%)
サービス業(他に分類されないもの) 37人(8.9%)
公務 4人(1.0%)
その他 18人(4.3%)
わからない 1人(0.2%)

(2)企業規模
~50名 44人(10.6%)
51名~100名 53人(12.8%)
101名~300名 202人(48.7%)
301名~1,000名 90人(21.7%)
1,001名~5,000名 18人(4.3%)
5,001名以上 6人(1.4%)
わからない  2人(0.5%)

出典元:ALL DIFFERENT株式会社

構成/こじへい

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