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「筋トレは損をしない投資」というのは本当か?エドワード加藤さんに学ぶ筋トレ経済学

2024.10.20

外気温が下がって、フィットネスへのモチベーションがアップしている今こそ、筋トレのチャンス。SNS総フォロワー40万人(2024年8月時点)を超え、「LYFT(注Yは特殊文字、ブランドロゴ画像参照)」CEOでフィットネス界のカリスマであるエドワード加藤さんに、ビジネスマインドに基づく筋トレ哲学について教えてもらおう。

エドワード加藤さんは、筋トレとマネジメントには共通する要素がたくさんあると考え、このほど「筋トレは損しない投資 筋肉×ビジネス」(KADOKAWA発刊、定価1600円+税)を発刊した。注目されつつも、あまり知られていない筋トレの市場の現状や、ビジネスマインドに基づく筋トレ哲学を解説している。今回はエドワードさんのユニークな筋トレ哲学のポイントを紹介しよう。

POINT1 コンプレックスと向き合うことは既にトレーニングだ

新刊書ではパーソナルジムのトレーナーだったエドワード加藤さんが、どうやってプロの競技者になったのか。日本一のD2Cフィットネスブランドの経営者になるまでの、全過程を赤裸々に紹介している。ファンにとっても垂涎の一冊だ。特にエドワード加藤さんならではの考え方の中で、ビジネスに役立つ部分をいくつか紹介しよう。

1)コンプレックスと向き合うことはすでにトレーニングである

自らのハンディをいかに強みにしていくかを考え、行動してきた体験から、コンプレックスと向き合うことは、すでにトレーニングであると言う。トレーニングを積み重ねれば必ず自分の実力となり、筋トレは結果として必ず成果が形になってあらわれる。コンプレックスに向き合うことは苦しいけれど、自分自身をランクアップさせる手段のひとつでもある。

2)見た目や印象にこだわることで唯一無二の個性をもつことができる

仕事はできても、自分を魅力的に見せることが得意ではない人は多い。エドワード加藤さんはビジネスを成功させるために、自分自身が広告塔になってブランディングしていく方法を採用した。もともとスポーツが得意で、好きでもあった筋トレをビジネスにして、スポーツジムを経営し、さらにアパレル市場へと展開している。唯一無二の個性をもつことは、ビジネスシーンでは難しいが、まずは見た目や印象にこだわるやり方は、参考になる。

3)転機を迎えても最後は自分の直感を信じてやる

エドワード加藤さんはスピード感を大切にし、直感で物事を判断して、次に進むことを心掛けていると言う。パーソナルジムの共同経営参画に関しても、初めて会って三日後には結果を出していた。特に投資など大きな資金が動く時や、異業種への転職など転機を迎えた時は、誰もが慎重になるが「自分の直感を信じる」ことが一番大切だと主張している。

座右の銘「BORN TO LIFT(鍛えるために生まれた)」に由来したブランドLYFT

POINT2 人生をリフトアップさせる極意

「ボディメイクはいかに継続できるかが大事であり、そのためのモチベーションを提供するのがトレーナーの仕事」と考えていたエドワード加藤さん。だからこそ、明るさや笑顔を大切にして、来てくれる人が「一緒に頑張ってくれる」と実感できるような環境づくりに努めてきた。

顧客が何を求めているのか、ニーズにマッチさせることはサービスの基本である。この基本をきっちり押えた上で、自分のやりたいことを一つずつ積み重ねて行くことで、人生がリフトアップできると言う。

もうひとつ、人生をリフトアップさせる極意として「良い人間関係を築く時は、互いが上手く行っている時である」という主張も見逃せない。どちらかが上手く行っていない時、互いをリスペクトしながら高め合うような人間関係を築くことはむずかしい。良い人間関係を築きたかったら、自分も相手も充実した仕事をしていなければならない。

POINT3 筋トレは損しない投資 

筋トレはどんな人でもやれば必ず身体に変化が表れる。努力が報われることで、自分に対する信頼や自信が得られる。エドワードさんはそれを、「筋トレは損しない投資だ」と主張している。「私自身、トレーニングを続けることで人生が変わりました。できるだけたくさんの人にも同じように感じてもらえたら嬉しい」と言う。

フィジーク・プロの世界は国内トップ選手であっても、賞金だけで生活するのは難しいのが現状だ。筋トレは他のスポーツ同様、トレーニングや食事など、身体づくりにコストがかかる。そうした現状を踏まえて、プロ選手であっても個人のブランディングは必須となってくる。

企業の支援やファンを獲得するためにも、アンバサダーマーケティングを行い、伸びしろのある自分の要素を見つけて伸ばし、他の選手に負けない強みを磨く戦略を立てることを、エドワードさんは提案している。

新刊書ではフィジークに興味の無い人であっても、エドワードさんの人柄と戦略に惹きつけられる人は多いはず。誠実さやメンタルの強さ、逆に他人に対する繊細なまでの思いやりや、ビジネスに対する熱い想いなどは感動的で、なるほど、こういう考えでこういう行動をしているから、今の成功があるのだと、納得しながら読むことができる。筋トレを語った、成功するための起業の一冊で、フィットネス業界のマネジメントも学びたい。

エドワード加藤さん
1992年8月30日、愛知県名古屋市生まれ。幼少期と大学時代はイギリスで過ごす。「LYFT」創業者兼CEO及び日本トップクラスの男性フィットネスインフルエンサー。鍛え抜かれた肉体全体のバランスの美しさを競い合う競技「フィジーク」選手として、世界最高峰「オリンピア」で部門別ランキング世界1位に輝いた経験を持つ。2018年、座右の銘「Born To Lift」(トレーニングするために生まれた)に由来するフィットネスブランド「LYFT」を創業。競争の激しい業界で6期目を迎え、国内外にファンを増やしている。

文/柿川鮎子

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