ハングリー精神のいきつく先
ハングリー精神を強く持ち、がむしゃらに働いて社会的成功者と言われるようになった。でもそうなった途端に、燃え尽き症候群のようになって何もする気がなくなってしまった、自分が欲しかったものは本当に今の生活だったのだろうかと思い悩むようになってしまった、という話を時々聞きます。
これはマズローの5段階欲求説で考えると、誰もがうらやむような地位や生活を手に入れて「承認欲求」は満たされたものの、最後の「自己実現欲求」が満たされていないからといえます。
ハングリー精神の行きつく先というと、大金をつかんで贅沢な暮らしができる、と思われがちですが、本当の幸せは物質的な豊かさや他人からどう思われるかではなく「自分自身が幸せだと思える生活ができていること」です。
ハングリー精神は承認欲求を満たすことがゴールではありません。ハングリー精神を持って頑張る気持ちは応援しますが、いきつく先は承認欲求を満たすことではなくて自己実現。ここはしっかりおさえておきましょう。
まとめ
「ハングリー」という言葉がそもそも「空腹や飢えている様子」と直訳されるため、生命の危機を感じるような厳しい状態から這い上がるような状況がなければハングリー精神なんて持たなくてもよい、と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、ハングリー精神とは「自分が自分らしく生きるための原動力」です。人生は一度きり。誰のものでもない、自分自身が納得できる人生のためにハングリー精神を活用してみてはいかがでしょうか。
文/小日向るり子
フィールマインド代表。カウンセリング件数約6000件(2024.4月現在)。カウンセリングのほか人間心理や恋愛コラムの執筆も行っている。