コロナ禍を経て、フレックスや在宅勤務など新しい働き方が世間に浸透し、柔軟な働き方を可能にする制度を導入する企業も多くなった。環境が変わったことで、ビジネスパーソンの労働環境はどのように変化したのだろうか。
チューリッヒ生命保険は、全国1,000人のビジネスパーソンを対象に、今年で7回目になるストレスについての調査を実施。
現在ビジネスパーソンが抱えているストレスの要因に加えて、働き方に関する変化やハラスメントの実態、ウェルビーイングの認知度について調査を行ったので、詳細をお伝えしよう。
ビジネスパーソンのストレスの要因第1位は4回連続で「給与・賞与(金銭面)」
Q1 あなたが普段、仕事をする上で、最もストレスを感じる要因を教えてください。
普段、仕事上で最もストレスを感じる要因について聞いたところ、最も多かったのは「給与・賞与(金銭面)」(21.7%)で、経済的な不安が4回連続で1位という結果に。
次に多かったのは「仕事内容」(17.8%)で、「上司・部下以外の社内の人間関係」(15.4%)、「上司との関係」(13.6%)と続く。
過去のトップ5と回答が同じことから、特に経済面でのストレスが近年の悩みとして大きく、また、新しい働き方が浸透してきても変わらず、多くのビジネスパーソンのストレスや悩みになっていることが明らかになった。
年代によって異なる仕事のやりがい。20代は「給与・賞与」、50代は「感謝されること」
Q2 普段仕事をする上で、最もやりがいを感じる場面をお答えください。
仕事をする上で、最もやりがいを感じる場面について聞いたところ、最も多かったのは「給与・賞与をもらったとき」(23.1%)、次に多かったのは「感謝をされたとき」(16.4%)であった。
年代別に見ると、20代で最も多かったのは「給与・賞与をもらったとき」(55.2%)、次に多かったのは「目標を達成したとき」(23.2%)。
一方、50代で最も多かったのは「感謝をされたとき」(40.0%)、次に多かったのは「給与・賞与をもらったとき」(32.0%)で、年代によって仕事のやりがいが異なることが明らかに。
日本では年齢や勤続年数に応じて給与が上がりやすい傾向があり、若い世代は金銭的な「安全欲求」がやりがいにつながり、年齢に伴い給与も上がりやすくなる世代では「承認欲求」がやりがいにつながることがわかる。
Q3 さまざまなストレスにより精神面の不調や不安を感じることがありますか。
ストレスにより精神面の不調や不安を感じることがあるか聞いたところ、「とても感じている」(15.9%)、「やや感じている」(30.2%)、「どちらともいえない」(29.8%)、「あまり感じていない」(13.8%)、「全く感じていない」(10.3%)であった。
ストレスにより精神面の不調や不安を感じる人(「とても感じている」「やや感じている」)の合計が46.1%と約半数を占め、ビジネスパーソンが日々ストレスと隣り合わせであることがわかる。
Q4 なぜ精神面の不調や不安を感じていると思いますか。
ストレスにより精神面の不調や不安を感じていると回答した人に、なぜ精神面の不調や不安を感じていると思うか聞いたところ、トップ3は「職場での人間関係によるストレス」(45.8%)、「経済面の不安によるストレス」(38.4%)、「仕事の負担感によるストレス」(38.2%)であった。
Q5 あなたは今現在、一週間で平均何日間程度の在宅勤務を行なっていますか。
一週間の平均在宅勤務日数を聞いたところ、「0日(フル出社)」(61.7%)が6割以上を占め、次いで「週5日」(15.8%)という結果に。在宅勤務の働き方を認める企業と、フル出社を推奨する企業の二極化が進んできているようだ。
Q6 昨年(2023年)4月~今年(2024年)3月の期間に取得した有給休暇で行ったことを教えてください。
有給休暇で行ったことを聞いたところ、トップ3は「ゆっくり過ごす」(48.7%)、「国内旅行」(37.8)、「家のことをする(掃除や洗濯など)」(29.6%)であった。
Q7 希望する定年退職の年齢をお答えください。
希望する定年退職の年齢を聞いたところ、「65歳」(25.4%)が最も多く、「70歳以上」(8.6%)も比較的多い結果に。
65歳以上と回答した人を合計すると39.2%となり、人生100年時代と言われる中、年齢を重ねても働きたい意欲がある人が一定数いることが分かった。