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企業のコンプライアンス意識は高まっているものの不正発生率は上昇している日本

2024.10.11

デロイト トーマツ グループから「企業の不正リスク調査白書 Japan Fraud Survey 2024-2026」が発表された。

この調査は、無作為抽出した上場企業・非上場企業を対象に2024年5月から7月にかけて、不正の実態および不正への取り組みに関するアンケート調査を依頼。714社から得た回答をまとめてたものだ。同社では本調査を2006年より定期的に実施しており、今回で9回目となる。

調査の目的

今回の調査では、不正・不祥事が法令違反に及び、ガバナンス不全によると思われるものがこれまで以上に増加している状況を踏まえ、各社のコンプライアンスおよびガバナンスに対する意識、取り組み状況を重点的に分析している。

これらの調査結果を「不正・不祥事の実態」、「コンプライアンスリスクへの認識」、「不祥事対応に向けたガバナンス」の3つに分類。日本企業の不正・不祥事対応の最新傾向を解説したものだ。

本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。

2022年に比べて1社あたりの不正発生率が上昇、不正リスクへの危機感が高まっている

過去3年間に何らかの不正・不祥事が発生した上場企業は、前回調査と同じく50%となっている。その一方で、6件以上発生した企業の割合は14%で5ポイント増加しており、1社あたりの発生率が高まっている結果となった。

これは、コロナ禍のリモートワークが解かれる中で、不祥事が発覚しやすい状況へ変化し、発覚が先行している企業とそうでない企業に格差が生じていることを示唆しているものと考えられる。

今後、全体にこういった傾向が波及していく兆候とも考えられ、足元の不祥事報道の増加とも相まって、不正リスクへの危機感の高まりにつながっている。

また、国内の本社や関係会社と海外の関係会社で明らかな傾向の違いがあり、国内は会計不正、データ偽装などの組織不正の発生率が高く、海外ではサイバー攻撃が目立つ結果となった。

■コンプライアンス遵守への意識の高まりに対し、海外やサードパーティを含むリスクの把握・評価・対応が不十分

93%の企業が直近20年間でコンプライアンス違反行為の範囲が広がっていると考えており、法令だけでなく社会的・倫理的なルール違反が含まれると考える企業が88%にも上った。

一方で、遵守すべき法令を海外含め網羅的に確認できている企業は10%にとどまっている。リスク評価、モニタリング、サードパーティに対する対応が十分ではないとする企業はいずれも約70~90%となっており、コンプライアンス意識の高まりに対し、海外やサードパーティを含むリスクの把握・評価・対応が追い付いていないことが明らかとなった。

■ガバナンスにおける経営者に対する監督・監視への意識の低さ、内部通報制度は改善の兆し

ガバナンス上で重視するものとして、コンプライアンス、不正・不祥事の防止および対応、グループガバナンスが50%以上を占める一方で、経営者の監督・監視は18%となった。

社外取締役への期待も、リスクマネジメント、危機対応およびリーダーシップへの期待を持つ企業は1%~4%にとどまっており、助言機能を重視していることを示唆している。社外取締役の選定プロセスにも課題を抱えるなど、ガバナンスのあり方を考えさせる結果と言える。

不正関連の内部通報があった企業の割合は前回の35%から41%に6ポイント増加しており、匿名性や専門部署の設置といった運用面における問題に意識が向けられ始めるなど、改善の兆しも見られた。

調査概要
調査主体/デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
調査期間/2024年5月~7月
調査方法/Web+紙アンケート方式。上場企業・非上場企業から無作為抽出で一定数の企業に電子メールで回答用サイトを案内又は郵送で調査票を発送(回答件数 714件)

関連情報
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/risk/articles/frs/jp-fraud-survey.html

構成/清水眞希

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