会議の際に議事録を作成する役割を与えられ、頭を悩ませたことはありませんか?重要な情報を、漏らさず簡潔にまとめるのは意外と難しいものです。議事録の書き方や会議前に行っておきたい準備、役立つツールを紹介します。議事録作成を効率的に進めましょう。
目次
議事録の目的と基本構成を理解しよう
議事録を書く前に、書き方と構成を理解しておきましょう。なぜ議事録が必要なのか、作成の目的を把握することも大切です。まずは基本のポイントから解説します。
■議事録の目的と必要性
会議には、内容をまとめるための議事録作成が付きものです。いったい、なぜ議事録が必要なのでしょうか?
業務を進める上で、会議で決定された情報の共有は大切です。参加・不参加を問わず簡潔に情報を共有するため、議事録の作成が求められます。重要事項をまとめた議事録があれば、情報伝達のミスによるトラブルも防げるでしょう。
さらに、議事録は業務効率の向上にも役立ちます。過去の決定事項を素早く確認できれば、責任の所在や優先順位が明確になります。時間とリソースの有効活用につながり、組織全体の生産性も高まるでしょう。
■議事録の基本的な構成要素
議事録の基本的な構成要素は、会議の骨格を形作る重要な部分です。押さえておきたい基本の構成は以下のとおりです。
- 会議の名称
- 開催された日時と場所
- 出席者のリスト
- 話し合った議題や結論
会議の長さや内容に応じて、議題をカテゴリー分けするのも効果的です。議論の順序に沿って記載することで、後から内容を追いやすくなります。
議事録の一般的な形式
議事録には、いくつかの形式があります。会議の内容や目的に応じて、適切な形式を選ばなければなりません。まずは、一般的な形式を確認しましょう。
■時系列順に記入する「会話形式」
会話形式の議事録は、会議の流れを時系列順に記録する方法です。発言者の名前とその内容を順番に書き留めていきます。この形式の利点は、議論の経緯や各参加者の意見を詳細に把握できることです。
例えば、「田中:新商品のターゲット層は20代後半から30代前半の女性だと考えます」のように、発言者名と話している内容をそのまま書き込みます。
会話形式は、特に意思決定のプロセスを重視する場合や、後日の詳細な振り返りが必要な際に適しています。
ただし、長時間の会議では膨大な量になる可能性があるため、重要なポイントを聞き逃さないよう注意が必要です。発言の要約や簡略化も適度に行うと、より読みやすい議事録になります。
■要点を簡潔にまとめる「要約形式」
要約形式の議事録は、会議の要点を簡潔にまとめる方法です。この形式では、議題ごとに主要な決定事項や重要な意見を箇条書きで記録します。
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要約形式の利点は、情報が整理されており、後から必要な情報を素早く見つけられることです。また、長時間の会議でも、コンパクトにまとめられるため、参加者全員が内容を把握しやすくなります。
ただし、詳細な議論の過程は省略されるため、重要な意見や反対意見などが漏れないよう注意が必要です。この形式は、定期的な進捗確認会議や、迅速な意思決定が求められる場面で特に有効です。
会議が始まる前の準備
会議が始まってから突然内容をまとめようとすると、うまく行かない可能性があります。焦ることのないよう、しっかりと準備しておくことが大切です。会議前に用意しておきたい資料やツールについて紹介します。
■会議の目的と議題の確認
事前に、会議の目的と議題を確認することは、効果的な議事録作成の第一歩です。アジェンダを活用し、会議の全体像を把握しましょう。アジェンダとは、会議の計画書のことです。
アジェンダには、日時・場所・参加者・議題・会議の時間・配布する資料などの基本項目を明記します。参加者全員が内容を把握することで、会議の方向性が定まりやすくなるでしょう。
アジェンダは会議前に余裕を持って配布し、変更がある場合は速やかに周知することが大切です。この準備により、議事録作成の効率が大幅に向上します。
■必要な資料とツールの準備
効率的な議事録作成には、適切な資料とツールの準備が欠かせません。まず、パソコンやタブレット、ノートなど、自分に合った記録媒体を選びましょう。
会議資料や過去の議事録は事前に目を通し、重要なポイントにマーカーを引くなどして、素早く参照できるよう工夫します。
また、議事録用のテンプレートを用意しておくと、会議の流れに沿って効率的に記録できます。必要があれば、文字起こしや自動作成ツールの使用方法の確認、準備もしておきましょう。
そのほか、専門用語や略語の一覧表を手元に置くと、聞き慣れない言葉でも正確に記録できます。これらの準備を整えることで、会議中は内容の理解と記録に集中できるでしょう。
会議中のメモ取りと要点整理のコツ
議事録を作成する場合、通常は会議中にメモを取ることになります。メモ取りのコツを紹介します。また、どのように内容を整理していけばよいのか、会議中のポイントを解説します。
■効率的なメモ取りのテクニック
効率的なメモ取りは、議事録作成に欠かせません。まず、自分に合った方法を見つけましょう。
文字数を少なくするには、略語を使う方法があります。後から自分で確認して分かる程度に省略し、会議が終わってから正式な用語に訂正します。
このほか、会議の議題が複数に分かれている場合は、議題ごとに書く場所を分けるのも効果的です。会議で話している会話の全てを記録しようとするのではなく、数値や『誰がいつ何をしたか』といった基本ポイントを中心にメモしておきましょう。
次に、集中力を高める工夫も重要です。場合によっては、デジタルよりもアナログの方が効果的な場合があります。ペンと紙を使う方がメモが取りやすい場合は、デジタルだけにこだわらずアナログでのメモ取りも検討しましょう。
■重要ポイントの抽出と整理方法
重要ポイントの抽出と整理は、議事録作成の核心部分です。まず、会議の目的を常に意識するようにしましょう。
具体的な方法として、マインドマップの活用が効果的です。中心に会議のテーマを置き、枝葉のように関連する話題を広げていくことで、議論の全体像を視覚的に捉えることができます。色分けや記号を使って重要度を表現するのも良いでしょう。
さらに、議論の中で出てきた課題や次のアクションを明確にすることも重要です。これらをTo-Doリストとしてまとめれば、会議の成果を具体的な行動に結び付けやすくなります。