親しい人や仕事仲間などに期待したものの、相手から思っていたような言動がなくてストレスを感じたことはないでしょうか?
それが何度も続くと、ストレスを抱えるだけでなく、相手との関係悪化にもつながりかねません。
他人に期待してしまうのはなぜだと思いますか?
ほとんどの人が無意識のうちに他人に期待をしてしまっているので、なぜなのかを詳しく考えたことは少ないはずです。
本記事では、他人に期待してしまう理由、期待しない人の特徴、そして期待しない方法をご紹介します。
他人に期待してしまうのはなぜ?
まず、最初にお伝えしたいのは、他人に期待することは、決して悪いことではないということです。
他人に期待してしまう理由は、相手に対して興味や好意、信頼があるからだと言えます。
自分が関心を持つ相手には「自分が思った以上のことをしてくれるはず」「自分では考えつかないようなことをやってくれるはず」という期待値が無意識のうちに高まっていくのです。
■他人に期待してしまうとなぜダメなのか
期待することは悪いことではないですが、期待しすぎると相手との付き合いが苦しくなることがあります。
なぜなら、期待が大きくなると、自分の思った通りの見返りを求める気持ちも大きくなってしまうからです。そして、その見返りが思ったようなものではなかったときにはそれを裏切られたと思い、苦しくなります。
期待している相手には、自分からも相手の期待に添えるような行動をしていることが多く、その見返りを求めてしまうのです。その見返りは自分が思っている以上のものだと勝手に期待して、勝手に裏切られたと思いストレスを抱える……。これが期待しすぎてしまったために生まれる問題となります。
他人に期待しない人の特徴
他人に期待する人がいる一方、他人に期待しない人もいます。その人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは他人に期待しない人が持つ特徴を見ていきます。
1.気持ちに余裕がある
他人に期待しない人は、見返りを求めることがないので、他人の行動に対して不満を抱えることが少なくなります。なので、イライラすることや感情的になることが少なく、気持ちが一定で穏やかな印象を周囲に与えます。
2.周囲に人が集まる
気持ちに余裕があって、感情的になることが少ないという特徴がある人は、好かれる傾向があり、周囲には人が集まります。
他人に期待しないので、周囲の人にとってはプレッシャーを感じることがなく、トラブルなども起こりにくいでしょう。
3.何でも1人で決断する
他人に期待しない人は他人の意見にも左右されません。なので、何か決断が必要なときには自分の意見が最優先となり、他人に意見を求めることが少ないという特徴があります。
これは自主性があり、メリットでもありますが、その一方、他人に相談することがないので何でも自分1人で抱え込んでしまうという面もあります。
他人に期待しない方法
期待してしまうことのダメなポイント、期待しない人の特徴がわかったところで、最後に期待しない方法をお伝えします。他人に期待してしまうばかりに人間関係に悩みやすい人はぜひ下記のことを実践してみてください。
1.自主性を持つ
他人に期待しすぎないためには、自主性を持つことが大切です。
自主性を持つためには、他人に自分の考えをしっかりと伝えることです。仕事であれば、ゴールに対する取り組み方を自分で考えて、それを周囲に伝えてみてください。こうすることで自分自身の責任で行動することができます。
また、周囲に伝えるという行為は、期待しない人が陥りやすい1人で抱え込んでしまうことを防ぐ効果もあります。
2.自分の価値観で判断しない
相手に期待してしまうときには、無意識のうちに自分の価値観が加わってしまっています。「あの人なら自分が好む方法を取り入れてくれる」、「私はこのやり方は苦手だからきっとこれは避けてくれる」というふうに。
自分の価値観はあくまでも自分だけのもの。他人に押し付けるものではありません。期待に自分の価値観がプラスされていると期待を裏切られることも増えることになり、その結果ストレスを抱えてしまいます。
今まで期待している人はすぐに期待することをやめることは難しいでしょう。なので、まずは期待と自分の価値観と切り離してみることから取り組んでみてください。
3.相手を信頼することはやめない
相手に期待してしまうのは、相手への興味や信頼があるからこそと最初のほうでお伝えしましたが、期待することをやめることイコール、相手への信頼をやめるというふうに捉える人もいます。しかし、これは間違いです。
相手への信頼する気持ちまでやめてしまうと、人間関係は浅いままで深めることは難しくなります。また、揉めることはなくなるかもしれませんが、相手と疎遠になる可能性もあります。
相手を信頼すると、自分のことを相談することができ、相手の意見や行動を受け入れることができます。自分が期待する行動が返ってこなかったとしても、相手がしてくれた行動に対して素直に感謝することができるようになります。
文・構成/藤野綾子