所属するスタートアップ企業数は約500社、パートナー企業数は約200社に
STATION Ai 上:外観、下:内観
ソフトバンクの子会社で、オープンイノベーション拠点「STATION Ai」の運営を担うSTATION Aiは、2024年10月1日に日本最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」を愛知県名古屋市に開業した。
「STATION Ai」に所属する会員は10月1日からオフィスフロアなどを利用することができ、一般利用者は11月1日から施設の利用が可能になる。なお、10月31日のグランドオープン時点で所属するスタートアップ企業数は約500社、パートナー企業数は約200社となる見込みだ。
ソフトバンクは、2018年に愛知県の「Aichi-Startup戦略」における「愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業」の整備運営事業者の選定を受け、「STATION Ai」の開業に向けてスタートアップを創出・育成する環境の整備や施設の設計などを進めてきた。
開業後は国内外の企業とのネットワークを生かして、さまざまな企業やスタートアップの誘致を行なう。
さらに、ソフトバンクの社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」やスタートアップの支援で培ったノウハウを基に、STATION Ai株式会社が新規事業の創出に向けた育成プログラムの提供や起業後のメンタリングなどを行ない、「STATION Ai」に所属する数多くのスタートアップをサポートしていく。
■グローバルなスタートアップ・エコシステムの構築を推進
また、ソフトバンクとSTATION Aiは、「STATION Ai」が日本のみならず世界におけるイノベーション創出の中核的な拠点になることを目指し、愛知県や協力企業と連携しながら、グローバルなスタートアップ・エコシステムの構築を進めていくとアナウンスしている。
開業した「STATION Ai」は、延べ床面積2万3000平方mの、日本最大規模のオープンイノベーション拠点だ。地上7階建ての各フロアはスロープでつながる構造で、「STATION Ai」に所属する会員のみが利用できる「会員専用ゾーン」と、誰でも利用できる「一般開放ゾーン」で構成される。
「会員専用ゾーン」には、利用者のニーズに合わせて選択可能な3種類のオフィススペース(コワーキング席・固定席・個室席)を用意。「一般開放ゾーン」には、飲食店やイベントスペース、宿泊施設などの他、革新的な事業を起こした愛知県にゆかりのある創業者や経営者の功績などを伝える「あいち創業館」を併設する。
また、「STATION Ai」は、ソフトバンクが持つ最新のIoT(Internet of Things、モノのインターネット)やAI(人工知能)、データ利活用の技術などを取り入れたスマートビルディングとして、施設内の混雑状況を可視化するなど、利用者の利便性を向上させることに加えて、施設全体でロボットによる実証実験を行なうことができるロボットフレンドリーな設計を採用した。
さらに、施設の施工段階からスタートアップの技術を積極的に活用し、設備の配管をデジタルツインで3Dモデル化して配筋・配管検査にかかるコストを抑制した他、「STATION Ai」の会員が利用できるフィットネスジムに防犯カメラを活用したAI画像解析ソリューションを取り入れて無人化することで、運営に関わる人件費を削減するなど、スタートアップのさまざまな技術やプロダクトを導入している。
■施設の建設・運営に携わっているスタートアップ
・株式会社Liberaware
配筋・配管検査の検証をデジタルツインプラットフォーム「TRACNITY」による3Dモデル化でコスト抑制。
・株式会社OptFit
防犯カメラを活用したAI画像解析ソリューションを提供。
・株式会社SQUEEZE
DXソリューションを用いて次世代のホテル宿泊体験を実現。
・株式会社Spacewasp
植物廃棄物から生まれたサステナブルな家具プロダクトを「STATION Ai」内に設置。
・株式会社ヘラルボニー
唯一無二の存在感を放つ異彩作家達のアート作品を「STATION Ai」内の各所に提供。
■所在地
愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-2-32(鶴舞公園南側)
構成/清水眞希