DIME MAGAZINE
昨年末、JINS本社に従業員専用サウナがつくられた。目的はスタッフの心身をリセットし、クリエイティブを生みだしコミュニケーションを活発化させることだという。今回、サウナーのスタッフ3人に、その実態を聞いた。
JINS従業員専用サウナに潜入！3割以上の社員がオフィスでサ活
ARNE SAUNA
再開発により数年後解体される予定のビルを、髙濱史子建築設計事務所の設計で一棟まるごとフルリノベしたJINS新本社内に設けられた従業員専用サウナ。日本サウナ学会代表理事で医師の加藤容崇氏が監修した本格的なフィンランド式で、社員のウエルビーイングとクリエイティブな発想を高める効果が期待できる。ちなみに名前の「アーネ」とはJINS創業の地、群馬の言葉で共感を意味する「そうだね」からつけられた。
吹き抜け構造を採用した新社屋の最上階に本社勤務の従業員だけが利用できるサウナを設置。このほか、アート空間やカフェなど創造性を刺激する仕掛けが多数。
サウナで語ってもらったJINSの若手スタッフ
商品計画担当 田中慎二さん
頭の整理、上司へのプレゼンをサウナで行なうなど、アーネを最大限に活用。自宅近くに個人契約するサウナもあるなど、生粋のサウナーだ。
人事担当 田中章裕さん
サウナどころか銭湯も苦手というところから、週3で通うほどのサウナーに。人事のほか、アーネの利用促進という役割も担っている。
MD（マーチャンダイザー）担当 清水 詳さん
8月までマーケティング、9月より異動でMD担当に。お酒は苦手、でもサウナは大好き。全国を巡るサウナ旅にも出かけるという本格派サウナー。
人間関係をととのえる相互理解のためのツール
──吹き抜けのフロアやフリーアドレス制など、JINSさんには部署を超えたコミュニケーションがしやすい設備がオフィスにありますが、アーネサウナ（以下アーネ）も同様に対話を促すツールになっている気がします。
MD・清水 一般的なサウナは基本的に会話NGの黙浴ですが、アーネは会話OKです。室内でのコミュニケーションによって生まれる新しいアイデアや関係構築によって仕事も良い方向に向かうことが多いです。
商品計画・田中 初対面の人がいるかもしれない、というところは外のサウナと同じですが、自分と同じ社員なので「初めまして」から会話が始まって、実は関わりある仕事をしている人だったこともあります。それによって仕事のスピードが速くなるなどメリットは大きいですね。
人事・田中 私の場合はアーネの利用促進を担当していることもあって、同じように社内サウナがある企業の方と会って情報交換をすることも。アーネがきっかけになって、普段会うことがないような人ともつながることができて、社内外の人脈の幅が広がった印象がありますね。
MD・清水 サウナの中で自分に向き合うことも大切にしています。リラックスした空間で日ごろの仕事を振り返ると、社内でのコミュニケーションの取り方も、もう少し丁寧にしなければと気づくことも。大きな変化ではないですが、少しずつ仕事が丁寧になった気がします。
商品計画・田中 スマホもPCも持ち込めないので、かえって考えがまとまるところもありますよね。売り上げとか在庫管理とか数字を主に扱う仕事なので、デジタルなところから強制的に離れられるのがいいのかもしれないです。モヤモヤしてても、サウナから出たころには整理ができている状態になっていることがありました。
人事・田中 サウナってリラックスするものかと思っていたら、アイデアも生まれますよね。アーネに入ったら、たまたま慎二さんがいて、何気ない会話から新卒採用イベントのアイデアが降りてきて。慎二さんに登壇してもらったこともありました（笑）。
──アーネの中では、仕事のことを考えたり話したりすることが多い？
MD・清水 ここまで仕事の話ばかりしたのでそう思われるかもしれないですが、プライベートの話も多いです。むしろそっちの方が多いかもしれないですね。
商品計画・田中 仕事の話をするつもりで、一緒に入ったのはいいんですけど途中からプライベートな会話が多くなる（笑）。だから、自然に関係性は良くなるんですよね。
MD・清水 私はお酒が飲めない下戸ということもありますが、飲み会よりも距離が縮まる気がします。
商品計画・田中 お互いにほぼ裸っていうのがやはり大きくて、平等というか対等な感じもするんですよね。普段上司と雑談するのはハードルが高いと思うこともありますけど、アーネの中なら普通にできるんですよね。
MD・清水 JINSの企業文化もあるのですが、アーネの中だと上司にあまり気を遣わなくてもよく、いつも以上にフラットに会話できますし。
商品計画・田中 サウナあるあるなんですが、他社では上司とサウナに行くと、上司が先に出るまで出られないとか。JINSでは全くないですね。
──まさに風通しが良い！ 会社に不満もない感じですね。
商品計画・田中 実は不満というかお願いがあって……水風呂の温度はもっと低く、サウナ内の温度は上げてもらいたくて……。
一同 サウナの要望かい！
GROUP SAUNA
同時に6名が入浴可能な広さ。階段式ではなく対面式を採用したことで、役職に関係なく、フランクに会話できる空間になっている。
LOUNGE
サウナスペースの手前には、打ち合わせスペースとしても使えるラウンジも。ととのったあとには、読書や談笑をしながらのんびり過ごすこともできる。
GROUP SAUNA
水風呂→外気浴ができるスペースは広々としていて開放感がある。アイデアを書き留められるよう、ホワイトボードも設置されている。
SOLO SAUNA
コミュニケーションを深めるグループサウナのほか、ひとりで瞑想的な効果も高められるソロサウナも完備。パウダールームから水風呂、サウナ室まで自分の時間に集中できるデザインでしっかりととのえる。
SKY-HIが自社ビルにサウナをつくった理由とは？発売中のDIME最新号の特集は「サウナのある会社が元気な理由」
数年前のブームから文化として定着しつつあるサウナ。今では仕事帰りに1セットという人も多いだろう。「そんなサウナがもし、会社の中にあったとしたら？」今回DIMEでは自社ビルにサウナを設置したという企業に直撃取材！ 彼らが〝熱波師〟のごとく、ビジネスに旋風を巻き起こせた理由はサウナにあった!?
もはやJINSの定番に！サウナー御用達メガネ
左：『JINS SAUNA ボストン型・カーキ』
右：『JINS SAUNA ウエリントン型・ブラック』
各9900円
日常でもサウナでも使える、サ陸両用メガネ。高温多湿の環境でもくもりにくく、耐熱性も十分で視界の確保ができる。汗をかいた状態でもしっかりとフィットするデザインのため、普段使いに愛用する人も多い。
取材・文／今 雄飛 撮影／羽田 洋 イラスト／川崎敏郎
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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