一貫してモノ・ヒト・コトに関するトレンドを深堀りして、ヒット商品やトレンドの背景に何があるか取材してきたビジネストレンドマガジン『DIME』とWebメディア『@DIME』は、本誌連載陣や第一線で活躍する著名人・ビジネスパーソンがテーマに合わせてディスカッションするカンファレンス「DIME Business Trend Summit」を開催した。第2回となる今回のテーマは「Well-Working」。
急速に変容する世界で生き残るために、企業も個人もイノベーションが欠かせない時代に何が必要なのかを考えていく。ここではタレントで「ルンバ」愛用者でもある横澤夏子さんとアイロボットジャパンの山内洋さんが「ルンバ」について対談した内容を紹介していく(司会/『DIME』編集長 石﨑寛明)。
プロフィール
横澤夏子(よこさわ・なつこ)
タレント、芸人。1990年、新潟県生まれ。NSC東京校15期生。モノマネを中心に数々の賞レースで活躍。2017年に一般男性と結婚し、現在は3人の子育てをしながら情報番組やCMなどで幅広い活躍をしている。
山内洋(やまうち・ひろし)
アイロボットジャパン合同会社製品担当ディレクター。“ルンバのプロ”として魅力を世間に伝えている。自宅でも「ルンバ」を愛用しており、プライベートと製品レビュー用に合計8台を所有。
「ルンバ」は時短ではなく「時産」してくれる家電
2017年にアイロボットジャパンが設立されて、日本市場で500万台以上を販売している家庭用掃除ロボット「ルンバ」。タレントとしても3人の子どもの母としても多忙な生活を送る横澤さんにとって、「ルンバ」は必要不可欠な家電になっているという。
「本当に「ルンバ」さんには何年もお世話になっていて、頭が上がらない存在です。「ルンバ」を作動させる時は、子どもたちに床にあるおもちゃを全部あげさせています。だから「ルンバ」が子どもたちにとっては床を片付ける合図になっています。それに「ルンバ」を使えば、床掃除などでしゃがむ機会が減るのが本当に助かります」(横澤さん)
ITや最新家電などが苦手な横澤さんにとって「ルンバ」を使うことでほかのメリットもあるという。
「夫は家電などが大好きで「ルンバ」のアプリは夫が操作しています。だから「ルンバ」で掃除することは夫の仕事になっているので家事の分担にもなっています」(横澤さん)
タイパという言葉が一般化して時短家電も人気を集めているが、山内さんは「ルンバ」は時産家電だという。
「これまでの時短家電は30分でできたことが15分で可能になるという考え方でした。でも「ルンバ」は丸ごと床掃除を請け負うことで、その時間分を浮かして新しい時間を産み出すことができます。調査によると日本は、1日20分ぐらいの時間を掃除に使っています。毎日の掃除を「ルンバ」に置き換えることができれば、1週間で2時間以上も産み出すことができて、それを別の家事やほかの時間として使えます。それが忙しい共働きの方の助けになればいいなと思います」(山内さん)
掃除ロボットは、手抜きをしないので人間以上に頼りになっている部分もあるという。
「あまり見えない場所もきちんと掃除をしてくれるので、自分が掃除機をかけるよりもきれいになっている。赤ちゃんは落ちているものを口に入れてしまうし、床掃除を毎日やってきれいにしておかないと不安だったりしますが、そういうことも不安も減りますね」(横澤さん)
「ルンバ」には、エントリー、スタンダード、プレミア、スーパープレミアといったさまざまなランクが用意されており、部屋の大きさや使い方によって使い分けることができるのも特徴のひとつだ。
「部屋や生活のスタイルによって、向いている「ルンバ」は違います。カーペットをひいてない人は、必要のない機能を絞ったモデルでもいいですし、ワンルームマンションでも使いやすいモデルがあります。掃除をしなくてはいけないという気持ちを取り除きたいので、ワンルームでも広い部屋でも「ルンバ」はぜひ使ってほしいです」(山内さん)
クラウドによる集合知で「ルンバ」はどんどん賢くなる!
「ルンバ」の特徴として、初期モデルから外観やサイズはあまり変化がないように見えるが、これにも理由がある。
「イスの間やソファの下などに入れるような厚さやサイズで作られているので、上からみるとフォルムはあまり変わりません。家電量販店でも「ルンバ」は、同じような丸いものがディスプレイされているように見えます。基本形は一緒ですけど、それぞれの違う機能があります」(山内さん)
外見は同じだが、高性能なAIを搭載していたり、カメラで部屋を認識する機能などクラスで性能差がある。最近の注目機能は水拭き機能。床のゴミを吸引するだけではなく、床についた汚れを水拭きで拭き取ってくれる。そして今年8月に発売された最新モデル「Roomba Combo 10 Max ロボット+AutoWash 充電ステーション」では、床のゴミの吸引と水拭きを自動的に切り替えながら掃除するほど賢くなっている。対談でも実機デモが行われたが、水拭きする時は自動で変形して水拭き用のモップパッドで床が拭けるようになっていた。
そのほか上位モデルはカメラを搭載しているので、床に落ちている靴下などを識別して即座によけたり巻き込みを防いでくれる。その動きと技術のすごさに横澤さんも驚いていた。
「充電ステーションは、これまでも「ルンバ」の中にたまったゴミを吸引してあとでまとめて捨てられる優れものでしたが、さらに進化して水拭きの水補充と汚れた水の回収とモップパッドの洗浄・乾燥まで自動で行います。普通の使い方をすれば水拭きのタンクは7日間ぐらいで交換すればいいと思います。水拭きが必要なところだけロボットが判断して水拭きをするので、カーペットなどの掃除ではモップパッドを収納しています」(山内さん)
「これまで「ルンバ」は部屋をきれいに掃除してくれるけど、「ルンバ」自体の掃除が大変だと思っていたこともありましたが、これは「ルンバ」自身がすべて自分できれいに洗ってくれるので親離れしたという感じですね。人がやることがほぼなくなった気がするので、これがあれば旦那は別の家事ができます(笑)」(横澤さん)
アプリを使って拭き掃除禁止エリアや拭き掃除エリアが設定可能で、ダイニングテーブルの下など汚れがなくても必ず水拭きしてほしい場所は設定しておけば掃除をしてくれる。さらにAIも大幅に進化しており、より効率的に掃除をしてくれるようになっているという。
「たくさんの「ルンバ」を使用しているユーザーがデータを提供してくれるので、それを解析してクラウドによる集合知でどんどん賢くなっています。ユーザー参加型AIと呼んでいますが、ゴミの判別がすごい精度になっているのはユーザーのみなさんと一緒に作っているおかげです。これまで「ルンバ」のことを少しおバカでかわいいという人もいましたが、いまはすごく賢いですよ(笑)」(山内さん)
今回の対談で横澤さんは、実際に最新モデルに触れたことでかなり興味を持った様子だった。
「「ルンバ」はこれまでも賢くなっているとは思っていましたが、ここまで賢くなって本当に健気でかわいいなと思いました。ちょっと「ルンバ」に意地悪しちゃおうかなという思考回路で接しても、どんな問題もクリアできるように鍛えてられている「ルンバ」とアイロボットさんの研究熱心なところも聞けてうれしかったです。本当に「ルンバ」は、我が家だけでなく私の心もきれいにしてくれています」(横澤さん)
家事から掃除の概念をなくして、別のことに使える時間を産み出す時産家電として「ルンバ」は、忙しい共働きにとって必須の家電としてこれからも支持を集めそうだ。
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取材・文/久村竜二