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山崎怜奈×三宅香帆「デジタル時代の知識収集ハック」スペシャル対談動画を公開中

2024.10.12

一貫してモノ・ヒト・コトに関するトレンドを深堀りして、ヒット商品やトレンドの背景に何があるか取材してきたビジネストレンドマガジン『DIME』とWebメディア『@DIME』は、本誌連載陣や第一線で活躍する著名人・ビジネスパーソンがテーマに合わせてディスカッションするカンファレンス「DIME Business Trend Summit」を開催した。第2回となる今回のテーマは「Well-Working」。

急速に変容する世界で生き残るために、企業も個人もイノベーションが欠かせない時代に何が必要なのかを考えていく。ここでは本誌連載中の山崎怜奈さんと文芸評論家の三宅香帆さんによる「デジタル時代の知識収集ハック」についてディスカッションした内容を紹介していく。

「社会人になると本を読めなくなる」は本当か?

ダイムで「山崎怜奈の好奇心のとびら」を連載中の山崎怜奈さんと著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題の文芸評論家の三宅香帆さんは、今回が初めての対談となる。山崎さんは、本屋さんで表紙を見た時に「わかるー!」といいたくなるほど共感したという。三宅さんがこの本を書いたきっかけは、著書でも触れている1本の映画だった。

「映画『花束みたいな恋をした』には、大学時代は本や漫画や映画をいっぱいみていたのに、働き出して急にできなくなるという主人公が登場しますが、それに私も共感したし、周囲の人も『あれは自分かと思った』と言っている人がたくさんいました。「働いていると本が読めない問題」は、けっこう大きい問題だなと思っていたので執筆のきっかけになりました」(三宅さん)

山崎さんも映画を観て同じことを感じたという。学生時代から本が好きだった山崎さんは、いまはラジオパーソナリティーとして毎日違うゲストと会うので、そのための情報収集として本を読んでいることも多いという。

「本を読む時に楽しみたいという気持ちはあるけど、いまは著者と会う時に何を聞こうか考えながら読むようになった。心の充足感を大事にするうえでは、これでいいのかなとは思っています」(山崎さん)

三宅さんもいろいろなコンテンツがある中で、どうやってインプットしていけばいいのかを考えているという。大学院で文学研究をして、そこから社会人になって仕事が楽しくなると、気が付くと本を読んでいない自分に気づいたという。

「仕事の本は読めるけど、かつて研究していた古典文学や海外文学など、いまの仕事と遠いものになると読めないなって感じて」(三宅さん)

三宅さんは著書では、インターネットで得られる情報と本で得られる知識は違うという内容を書いている。

「自分が欲しい周辺の知識が得られるのが本の特徴だと思っています。本の中ではノイズと言っているんですが、欲しい情報の周辺知識や背景の文脈みたいなものがあるのが本の特徴だとすると、インターネットは欲しい情報そのものを提示してくれる。SNSは自分がフォローしているアカウントだけの情報、YouTubeだと見たい動画だけを見ることができる。そういうノイズのなさがインターネットの特徴だと思います」(三宅さん)

一方で情報収集という意味では、人気を集める本の要約サイトや要約動画について、山崎さんは危うさを感じているという。

「要約でわかった気になるのは危ないというか、もったいないかなと思います。あくまで部分抜粋というのを前提として読んでいたらいいけど、映画の要約とか映画のコメントだけで観た気になるのは怖いです」

情報収集で大切なのは複数のメディアにふれること

最近の情報収集の仕方についてもふたりは同意見のようだ。

「職業柄もあって本を読むのは好きで新書がすごく好きです。なんとなく調べたいことや知りたいことは新書を読むのが一番早い。新書で入門的なことを調べて、そこから参考文献的な次の本にいく、みたいなことが多いです」(三宅さん)

そこで三宅さんが挙げた新書が阪井裕一郎さんの『結婚の社会学』。それを読んだ理由は、周囲が結婚ラッシュになった際、結婚式へ出席するモチベーションを上げるためだったそうで、そこから結婚式の意外な事実を知ったという。

帯のラジオ番組や時事を扱う番組にも出演する山崎さんも情報収集には気をつけていることがある。

「ニュースだと新聞と、ネットメディア・ニュースをまとめているサイトなどもみます。テレビは出先だと観にくいのでラジオやポッドキャストも使います。調べる時は、情報の偏りやメディアによって載っていない情報もあるので、必ず複数のメディアを資料として目を通すようにしています。ひとつの事象も見る角度で全然違うので、いろんな立場の人の目でみたものを知りたいです」(山崎さん)

「たくさんの情報を得ることで複数の見方があることがわかるし、私も複数のメディアをチェックすることは大事にしています」(三宅さん)

山崎さんは、時事問題を扱う番組やディスカッションする番組などの出演も増えたが、その時には柔軟性を持ってアプローチしているという。

「私は好奇心に偏りがないというか、割と全方位に興味のポイントが持てるタイプ。自分が知らない分野でも仕事のために調べ始めたらおもしろいと思うこともある。生放送中にジャンルの当事者や専門家の話を聞く中で、考え方が柔軟に変わっていくこともあります」(山崎さん)

「いまの話はすごく大事だと思っていて、何かの分野の仕事のテーマを与えられた時に、それをどうおもしろがるかは社会人スキルだと思います。自分を含めてそれができない人は意外と多いなと思います。人間は生きるうえでさまざまな分野に携わっているわけだから、そこにフォーカスしておもしろがり方を考えてみるのも大事かも」(三宅さん)

前置きのやさしさが伝わらない時代

山崎さんは、これまでアイドル活動や番組出演で人を傷つけないために話しても、それが伝わらないもどかしさを感じることもあったという。

「誰かを傷つけないために前置きも話しているのに、核心の部分だけが切り取られて結果的にすごく傷つけることになってしまうケースもありました。ワンパッケージのつもりなのに、前置きのやさしさはあまり届かないですよね。前置きの部分を読み取る人が少ないのは、本が読めなくなっている状況と関係あると思いますか?」(山崎さん)

「本は全体を捉えるというか周辺知識や背景の知識ごと自分の知りたい要点を得ることで、前置きを含めて物事を知ることができる。前置きを無視して要点だけを知りたいと思うことと本を読まずに本の結論部分だけ知りたいという感情はかなり近いなと思いました。早く答えを知りたいというオーラが世の中に蔓延していますよね」(三宅さん)

「周辺知識があったほうが、全体の縮図みたいなものがわかって本筋にたどり着く距離がわかります。そこの客観視みたいなものは、周辺情報があってこそ。でも、みんな最短距離を測ろうとしますよね。情報集めや勉強、インプットは、時間がかかるから。だけど、効率化したほうがいいところとそうではないところの棲み分けをしていきたいとは常々思います」(山崎さん)

情報収集で紙の本と電子書籍を活用しているふたりだが、かなりの読書家のため本の収納には苦労している様子だ。

「本は、自己生殖してどんどん増えていくものとして考えています(笑)。大学院生時代の恩師に本棚は拡張脳内だから、何がどこに入っているかわかってないといけないと言われました。だから本棚に入りきらなくてもどこに何が入っているかはわかっておく。それができればOKというルールでやっています」(三宅さん)

山崎さんも膨大な本の整理に苦労している様子だが、本の内容の整理についてはメモを活用している。

「読書メモは、アナログとデジタルを併用しています。電子書籍はコピペができるので、自分のスマホのメモ帳に今後引用しそうなところのページをメモしたり。紙の本だとアナログのメモに書きこんでいますね。また見返すなと思った紙の本は、直接マーカーして本棚へ仲間入り。その後で開いた時に『うわーっ』と思ったり、『これを読んだ時はここが気になったな』という振り返りになっています。読んだ日付を本の中に付箋でメモすることもあります」(山崎さん)

そして本の読み方も山崎さんは独自のルールがあるようだ。

「本を読む時は、人から連絡が来ないだろうなという時間を選びます。家を出なきゃみたいな焦りを感じながら本を読むのがすごくいやだし、長編小説は途中で終わらせずにずっと読みたい。朝井リョウさんの『正欲』は読み始めたら朝でした。本には、誰かの人生や人の頭の回路をのぞき見するような、そこでしか得られない魅力がある」(山崎さん)

「本は書き手の人の頭の中の言葉がダイレクトに伝わってくる感じがすごくいいですよね。せっかちなので、自分の速さで読める本という媒体が一番好きで、私は隙間時間に読んでいます」(三宅さん)

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