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ExcelでVLOOKUP関数のエラーが出る原因と対処法

2024.10.16

VLOOKUP関数は、Excelで大量のデータを扱う際に非常に便利な機能だ。しかし、使用中にエラーが発生することも少なくない。

本記事では、VLOOKUP関数で発生する主なエラーの種類、その解決方法、さらにエラーを防ぐための方法について詳しく解説する。

VLOOKUP関数で発生する主なエラーの種類

VLOOKUP関数を使用する際、いくつかの典型的なエラーに遭遇することがある。以下に主なエラーの種類と原因を説明する。

(1)#N/A エラー:該当データが見つからない

#N/A エラー

#N/A エラーは、VLOOKUP関数が指定された検索値を見つけられない場合に発生する。これは最も一般的なエラーの一つだ。主な原因として、以下が考えられる。

  1. 検索値が検索範囲内に存在しない
  2. 検索値と検索範囲のデータ形式が一致していない(例:数値と文字列)
  3. スペルミスや余分な空白がある

(2)#REF! エラー:参照エラー

#REF! エラー

#REF! エラーは、VLOOKUP関数が参照しようとしているセルや範囲が無効な場合に発生する。主な原因として、以下が考えられる。

  1. 参照しているシートや範囲が削除された
  2. 関数の引数に誤った範囲が指定されている
  3. コピー&ペースト操作により、参照が壊れた

(3)#VALUE! エラー:値の型が不適切

#VALUE! エラーは、VLOOKUP関数に渡された引数の型が不適切な場合に発生する。主な原因として、以下が考えられる。

  1. 検索値や範囲指定に数式の結果ではなく、数式そのものが入力されている
  2. テキストデータと数値データが混在している
  3. 日付や時刻のフォーマットが一致していない

VLOOKUP関数のエラーを解決する方法

VLOOKUP関数のエラーに遭遇した場合、以下の方法で解決を試みることができる。

■検索値の形式を確認・修正

#N/A エラーや #VALUE! エラーの多くは、検索値の形式が適切でないことが原因だ。まず、検索値と検索範囲のデータ型が一致しているか確認する必要がある。

次に、余分な空白や改行がないか確認し、ある場合はTRIM関数などで除去する。さらに、日付や数値の場合、フォーマットが一致しているか確認することも重要だ。

これらの点を順に確認し、必要に応じて修正することで、多くのエラーを解決できる。

■検索範囲の設定を見直す

#REF! エラーや不適切な結果の多くは、検索範囲の設定ミスが原因だ。まず、検索範囲が適切に設定されているか確認する。

次に、絶対参照($記号)が正しく使用されているか確認する。最後に、検索範囲に余分な空白行や列が含まれていないか確認する。これらの点を順に確認し、必要に応じて修正することで、多くのエラーを解決できる。

■IFERROR関数を組み合わせて使用

エラーメッセージの代わりに特定の値や文字列を表示したい場合、IFERROR関数とVLOOKUP関数を組み合わせて使用する方法が効果的だ。

例えば、「=IFERROR(VLOOKUP(検索値, テーブル範囲, 列番号, FALSE), “該当なし”)」のように記述することで、エラーが発生した場合でも「該当なし」などのメッセージを表示できる。

この方法により、エラーメッセージによるユーザーの混乱を防ぎ、より分かりやすい結果を提示することができる。

VLOOKUP関数のエラーを防ぐ方法

エラーを事前に防ぐことで、作業効率を大幅に向上させることができる。主な予防策として、以下の方法が効果的だ。

■絶対参照と相対参照の適切な使用

VLOOKUP関数をコピーして使用する場合、絶対参照($記号)を適切に使用することが重要だ。検索範囲は通常、絶対参照にする必要がある。

例えば、「=VLOOKUP(A2, $B$2:$D$100, 2, FALSE)」のように記述することで、関数をコピーしても検索範囲が変わらないようにすることができる。

この方法により、関数のコピー時に発生するエラーを防ぐことができる。

■データの事前クリーニングと形式統一

エラーを防ぐ最も効果的な方法の一つは、データを事前にクリーニングし、形式を統一することだ。

TRIM関数を使用して余分な空白を除去し、TEXT関数を使用して日付や数値のフォーマットを統一する。また、データの型(文字列、数値、日付など)を統一することも重要だ。

これらの作業を事前に行うことで、多くのエラーを未然に防ぐことができる。

■INDEX-MATCH関数の活用

VLOOKUP関数の代わりにINDEX-MATCH関数の組み合わせを使用することで、より柔軟で堅牢な検索が可能になる。

例えば、「=INDEX(返り値の範囲, MATCH(検索値, 検索範囲, 0))」のように記述することで、左側の列以外からも検索できる点や、検索範囲の列が追加・削除されても影響を受けにくい点で優れている。

この方法を活用することで、より柔軟なデータ検索が可能になり、エラーのリスクを軽減することができる。

まとめ

VLOOKUP関数のエラーは、主に以下の理由で発生する。

  • 検索値の形式不一致:検索する値が適切な形式でないと、正しい結果が得られない。
  • 検索範囲の設定ミス:範囲を誤って設定すると、期待したデータが取得できない。
  • データ型の不適切さ:数値と文字列など、異なるデータ型が混在しているとエラーが発生することがある。

これらのエラーは、以下の方法で多くの場合防ぐことができる。

  • データの事前クリーニング:データを整理し、形式を統一することで、エラーを減少させる。
  • 適切な関数の使用:状況に応じてVLOOKUP関数だけでなく、他の関数も活用する。
  • 絶対参照と相対参照の正しい適用:参照の形式を理解し、正しく設定することで、意図しないエラーを防ぐ。

エラーが発生した場合は、本記事で紹介した方法を試してみることが推奨される。また、より複雑なデータ検索が必要な場合は、INDEX-MATCH関数の組み合わせを検討するのも良い選択肢である。

VLOOKUP関数を適切に使いこなすことで、大量のデータを効率的に処理し、作業の生産性を大幅に向上させることができる。エラーに遭遇しても、その原因を理解し、適切に対処することで、より信頼性の高いデータ分析が可能になるだろう。

構成/編集部

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