新しい時代のビジネススキルを鍛錬できる貴重な機会
このリトリートでヨガや瞑想は単なる健康のためのエクサイズでなく、ヴェーダ哲学は、幸せに生きるための体系だったフィロソフィーであり科学であることをより実感させられれた。
テクノロジーの進化や業界の変革に伴い、職場や業界のニーズに対応できるよう、新しい分野や役割に適応できる能力を身につけリスキリングの重要性が高まっている現代。ビジネススキルアップというと、資格取得や、ITやWebマーケティング技術の習得といった実学重視の左脳的なテクニ二カルな方向に思いがいきがちだ。しかし、“コレ”という正解がわかりづらく、直感やコミュニケーションなど右脳的な能力が求めれるVUCA時代、ニーマル氏のリトリートのような右脳と左脳のバランスをとり、メンタルとフィジカル合わせて、ホリスティックに身体を整え、本来のポテンシャルを引き出すことを目指した本質的で実践的なワークこそ、現代ビジネスパーソンにとって最も必要とされるものなではないだろうか?
内側に意識を向け、本来の自分につながることで、今までどれだけ、どうでもよい外からの情報に右往左往させられ、無駄な力を注いできてしまってきたかに気づくはずだ。
アメリカの市場調査会社IDCのリサーチによると2020年の全世界のデジタルデータの総量は、20年前の約1万倍に増えているそう。まずは現状の過剰な情報のシャワーをシャットダウンする場に身を置き、思考を整理するだけでも、日々の仕事の質を高めることにつながりそうである。それだけでも、リトリートに参加する意義がありそうだ。
ヨガのポーズでフィジカルな鍛錬し瞑想で心が正しく働くように調整し、自律神経や副交感神経整え、何千年という歴史を誇るヴェーダの哲学の本質的な正しい生き方を学び、大きな広い視野で、世のため人のため自分のためになる働き方を実践し、ビジネスを展開していく能力を身に付けていく。これこそが令和のビジネススパーソンのスタンダードとなっていったら世の中はもっとより良くなっていくのではないだろうか?
今回のリトリートを終えた各々が家庭や仕事場に戻ったときに、今回の体験をどう活かしていくのかが楽しみである。
世界的に、宗教に特定の所属や信仰を持たないが、個人的な精神性やスピリチュアリティを重視する「SBNR」(Spiritual But Not Religiou)という層が増えてきている。
SBNRは、特にZ世代の若者や富裕層などをメインに西洋社会で広がっており自然との調和、哲学的な探求などを通じて、自分なりの精神的な道を見出そうとする傾向がある。個人の価値観が多様化し、従来の宗教では提供できない精神的な支えを求める人々が増えている現れだろう。
また、環境保護だけでなく、自然資源や生態系を再生し、自然の豊かさを取り戻すことを目指す国際的な取り組みの一環として「ネイチャーポジティブ(Nature Positive)」と言うキーワードも注目されている。自然環境への負荷をを減らし、長期的に自然の回復を実現することを目指すこの考え方は、国や地域だけなく企業の賛同、協力も必須で、今後ますます重要になるとされいてる。
リトリートツアーは、こういった世界の最先端かつ最重要な流れを身をもって体感する貴重な機会となった。今度、自身のビジネスをより良く展開するための知見を得ることができたと確信している。
ストレスフルなオフィスで閉じこもってしまったハートを開き、五感を研ぎ澄ますことで正解の無い時代を生き抜く新しい時代のビジョンが生まれてくるはずである。
いきなりリトリートは、ちょっとハードルが高そう…という方には、まず、ニーマル氏の著書『心が整うマインドフルネス入門: エグゼクティブが実践するニーマルメソッド』読んでみるのをオススメする。
ニーマル・ラージ・ギャワリ氏
母国ネパールにて9歳よりヨガを学び、15歳から指導を開始。ハタヨガメディテーション及びアーユルヴェーダを学び、22歳で博士号を取得。20カ国でメディテーションを指導し、2003年に来日。2019年に瞑想・マインドフルネス・ヨガ等を用いて、ライフスタイルにおけるウェルビーイング事業を展開するスワル株式会社を設立。著書に『黒感情がら消える ニーマル10分瞑想』、『美顔ヨガ』(小学館)など。