20数年ぶりのテレビCM放映
販促ではロゴマークを見たら直感的に購買行動に移すことを目指し、あらゆるところで『アセドロン』の名前とロゴマークを掲出することにした。日和さんは次のように話す。
「ブランド名やロゴマークをどこに掲出するか、どのタイミングで見てもらうかを検討し、汗の不快感が生じやすい場所に掲出することにしました。バス停や駅のホームでOOH(交通広告や屋外広告など家庭以外の場所で生活者に接触する広告のこと。Out of Homeの略)を実施し、汗で不快感を覚えやすい通勤通学時に見ると良さを感じ取ってもらえることを狙いました」
また2024年6月からは、季節品としては20数年ぶりのテレビCMも全国で放映した。テレビCMはキレのいい「サッ・シュッ・パッ」のフレーズが印象的だが、このフレーズは社内向けにわかりやすく特徴を示した「サッと吸湿・シュッと放湿・パッと速乾」に由来する。
取材からわかった『アセドロン』のヒット要因3
1.機能と着心地の両立
商品のほとんどが素肌に直接身につけるものなので、消費者にとっては汗の不快感解消だけではなく着心地の良さも無視できない。機能と着心地を両立できたことも予想以上の売れ行きに貢献した。
2.機能が伝わりやすいネーミング
『アセドロン』という名前は汗を素早く吸放湿する機能をわかりやすく表したもの。商品を見た時に使うとどのような効果が得られるのかが伝わりやすく、手に取ってもらいやすいところがあった。
3.顧客と向き合い一丸になった
汗の不快感を解決するべく、開発は解決可能な商品をつくり、マーケティングは商品を知ってもらうことに知恵を絞った。プロジェクトに関わった全員が一丸になって顧客の方を向いたことは、汗の不快感解決を必要としている人にソリューションを届ける原動力になった。
9月に入りメンズでロングスリーブシャツ(丸首)、レディースで8分袖インナーと秋冬向けの新商品が発売されたことを皮切りに、今後はラインアップを拡大する予定。年間通して汗の不快感に悩まされる心配はなくなりそうだ。
製品情報
https://www.gunze.jp/store/e/easedoron/
文/大沢裕司