先行する競合品のユーザーが高く評価
いっぽう具材については、白菜、たけのこ、豚肉、にんじん、チンゲン菜、きくらげの6種類を使用。大きくカットし、食感がしっかり感じられつつも加熱しすぎないようにした。あんの味は強め。電子レンジで温めている時に煮立ち、具材との一体感が生まれるよう、製造時は加熱した具材に冷ましたあんを掛けて急速凍結している。
パッケージの中には上下2段になったトレイが収められており、トレイごと電子レンジで温めれば完成となる。写真は温め終わった後
実は、冷凍食品で具材の食感を残すことは難しい。長期保管することから衛生基準が厳しく、くたくたになるまで加熱することが普通だからだ。「衛生基準を守ることを前提にしながらもしっかりした食感が残せるよう、何回もテストを繰り返しながら製造工程をつくり込んでいきました」と蟹沢氏は明かす。
完成までにつくった試作は最低でも100を超え、他の商品と比べて手がかった。しかしその甲斐もあり、外部モニター調査では味が高く評価された。調査は先行する競合品のあんかけ焼そばのヘビーユーザー、ライトユーザー、ノンユーザーを集めて実施したが、ノンユーザー以外のスコアが比較的高く、とくにヘビーユーザーからの評価が高かった。ヘビーユーザーでも別の選択肢を求めていることがわかり、発売に向けて自信を深めることができた。蟹沢さんは次のように話す。
「意外にも競合品のヘビーユーザーから高く評価されたことで、1メニュー1アイテムだと選択肢が少ないことが実感できました。麺の焼き具合やもちもち食感、具材の満足感がしっかり出せれば味付けの違いで棲み分けることができると思いました」