MBBの実践方法とポイント
MBBを効果的に実践するには、社員の価値観や信念を尊重し、組織全体の成長につなげる工夫が必要です。MBBを効果的に実践するための重要なポイントを、ここで押さえておきましょう。
■ビジョンや目的意識を持ってもらう
MBBを効果的に実践するには、まず社員一人一人にビジョンや目的意識を持ってもらうことが重要です。単なる数値目標の達成ではなく、個人の価値観や信念に基づいて、独自の目標設定を促すのがポイントです。
例えば、営業部門の社員が「顧客の課題解決を通じて社会に貢献したい」という思いを持っているなら、その思いを尊重し、達成すべき目標に反映させるわけです。
このアプローチにより、社員は自分の仕事の意義をより深く理解し、業務に対するモチベーションが向上するでしょう。ビジョンや目的意識の共有は、定期的な対話や研修などを通じて行うのが効果的です。
■日常生活と仕事を融合する
MBBの実践において、日常生活と仕事の融合を図ることは重要な要素の1つです。これは、ワークライフインテグレーションという考え方に基づいています。
従来のワークライフバランスが仕事と私生活を分離する傾向にあったのに対し、ワークライフインテグレーションでは両者を統合し、相乗効果を生み出すことを目指します。
例えば、趣味で得た発想が仕事の課題解決につながったり、仕事で培ったスキルが私生活を豊かにしたりするケースは珍しくありません。日常生活と仕事での経験をうまく組み合わせることで、創造性やモチベーションが向上し、結果として企業の成長にも寄与するのです。
ただし、完全な融合ではなく、適度なバランスを保つことが大切です。仕事とプライベートの時間や意識の区分けは必須ですが、両者のつながりを意識しながら、心身の健康も維持する必要があります。
■シャドーワーク(報酬のない仕事)も許容する
MBBでは、社員のシャドーワーク(報酬のない仕事)を許容することも重要です。シャドーワークとは、業務時間外に自発的に行う活動のことで、直接的な報酬はありませんが、個人の成長や組織の革新につながる可能性があります。
例えば、ある社員が業務外において、個人的に新しいプログラミング言語を学んでいるとしましょう。この知識が、後に会社の新規プロジェクトで生かされる可能性もあります。
また、別の社員が自主的に社内勉強会を開催することで、組織全体のスキルアップにつながるケースもあるでしょう。
MBBを実践する企業は、こういったシャドーワークを積極的に奨励し、社員が自発的に行動できる環境を整えることが大切です。シャドーワークを許容することで、社員の自主性や創造性が育まれ、結果として組織全体の活性化につながります。
MBBの実践に必要な知識を知っておこう
MBBは、社員個人の信念や価値観を重視する目標管理手法です。
多くの企業が社員の仕事への意欲や自主性を高めるために重視しており、MBOを補完する仕組みとして導入する例も目立ちます。うまく人事評価や人材育成に組み込めれば、社員の継続的なパフォーマンスの向上につながるでしょう。
導入に当たっては、経営理念の明確化や社内コミュニケーションの活性化が必要です。他社の事例も参考にしつつ、社員の価値観と組織のビジョン・経営方針などを、うまく融合できるように工夫しましょう。
構成/編集部