インボイス制度が開始して、間もなく1年が経過しようとしている。1年間、この新たな制度と関わる中で、企業の経理担当者はどのような課題を感じているのだろうか?
Sansanのインボイス管理サービス「Bill One」はこのほど、経理担当者1000名を対象に「インボイス制度開始1年後の実態調査」を実施し、その結果を発表した。
インボイス制度開始から1年経過するも、7割以上の経理担当者が対応への課題を感じている
経理担当者1000名に対し、現在インボイス制度対応について課題を感じているか聞いたところ、71.0%が「課題を感じている」と回答し、1年が経過するも制度に対して課題を感じている人が多いことがわかった。
次に「課題を感じている」と回答した人に対し、具体的な課題を聞いたところ、「制度対応に伴う業務負担が増えた」(50.1%)が最も多く、次いで「請求書や領収書が適格請求書の要件を満たすかどうかの判断が難しい」(38.6%)、「社員が適切に制度対応できているかどうか不安」(38.3%)となった。
制度開始前と比較して、経理1人あたり月に約5.5時間の業務時間増加
続いて、インボイス制度対応について「課題を感じている」と回答した人を対象に、インボイス制度開始前(2023年10月以前)と現在を比較して、月次決算業務にかける時間は、ひと月あたりどの程度増加したか聞いたところ、1人あたり月平均約5.5時間となった。
いまだ約7割が適格請求書の要件確認を目視で実施している
受け取った請求書について、主にどのような方法で適格請求書の要件を確認しているか聞いたところ、約7割の経理担当者が目視確認を行っていることがわかった。また、現場部門が目視確認しているケースもあり、いまだアナログな確認業務により手間がかかっていることがうかがえる結果となった。
インボイス制度による自社への影響で特に大きいのは「経理担当者の不足」「残業時間の増加」「グループ会社間における対応状況の相違」
インボイス制度による自社への影響を聞いたところ、「業務量が増え経理担当者が不足している」(33.8%)が最も多く、次いで「残業時間が増えた」(25.0%)、「グループ会社間で対応状況が異なっている」(16.0%)という結果となった。業務量増加による影響にとどまらず、グループ会社間によって対応が一致していない企業もあり、コーポレートガバナンス上でも懸念がある現状がうかがえた。
<調査概要>
調 査 名:インボイス制度開始後1年の実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:20~50代の経理担当者(正社員・契約社員)1000名
調査期間:2024年8月22日~2024年8月27日
調査企画:Sansan株式会社
出典元:Sansan株式会社
構成/こじへい