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セキュアとイオンモールが完全レジレス無人店舗の実証実験をスタート、人手不足の切り札となるか?

2024.09.28

近年、コンビニなどを中心に少しずつ広まりを見せはじめている無人の小売り店舗。

レジレスで人件費の大幅カットやデータ収集・活用ができるなどのメリットがある一方で、導入コストやセキュリティ面の懸念は残っている。

そんななか、セキュリティソリューションを提供する株式会社セキュアでは、2024年の秋にイオンモールと協働で完全レジレス無人店舗の実証実験を行うことを発表した。

本記事ではレジレス無人店舗の仕組みやメリットについて簡単に解説し、セキュア×イオンモールの実証実験について担当者に伺ったお話を紹介している。

広まりを見せるレジレス無人店舗とは?

レジレス無人店舗とは、入店~会計までの人的オペレーションを排除した店舗のことだ。

接客スタッフは基本的に配置されておらず、レジ操作や会計処理不要で買い物ができることから「ウォークスルー店舗」とも呼ばれている。非接触で買い物が完結することからコロナ禍で大きな話題になり、アフターコロナ以降も国内市場は伸びている。

店によってシステムの詳細は異なるが、レジレス無人店舗のおおまかな仕組み(手順)は以下だ。

1. スマホのQRコードやICカードをゲートにかざして入店
2. 店内で自由に品物を選ぶ
3. 購入したい商品を持って退店する

一般的なレジレス無人店舗の店舗内では、天井付近に設置された多数のAIカメラによって来店客の動きをトラッキングし、商品棚の重量センサーと併せていつ誰が何を手に取り購入に至ったかを判別している。支払いは事前登録されたクレジットカードやモバイル決済によって自動的に行われるため、退店時にセルフレジなどを操作する必要もない。

レジに並ぶこともセルフでバーコードを読み取らせることもなく、快適で気軽な買い物体験ができるのが顧客にとってのメリットだ。

一方で運営側のメリットも多く、人件費の大幅カットや労働力不足の解消、在庫管理のデジタル化、顧客データの収集・活用など、効率的な運営体制を整えることができる。

今秋イオンモール羽生で行われるレジレス無人店舗の実証実験とは?

レジレス無人店舗の実証実験は、セキュリティソリューション企業であるセキュアと、全国にショッピングセンターを展開するイオンモールとの協働で行われる。

舞台は埼玉県羽生市にあるイオンモール羽生で、期間は2024年秋~1年間(予定)だ。

画像出典:株式会社セキュア プレスリリース

来店客は予めインストール・登録しておいた専用アプリのQRコードをゲートにかざして入店し、店内を自由に見て回った後、購入したい商品を持って退店するだけでOK。まさにウォークスルーな買い物体験ができる。

このレジレス無人店舗は、重量センサーは使用せず、天井に設置されたカメラ映像のAI解析のみで来店客が何を手に取ったか認識する仕組み。

実施場所はイオンモール羽生の2階にある区画で、もともと出店していた店舗を改装するのではなく、新たにレジレス無人店舗を設営して商品を展開するということだ。

これまでにもレジレス無人店舗の実用化が話題になったことはもちろんあるが、まだまだコンビニなどの小型店舗か、オフィス・ホテル・マンション内など半プライベート空間のような場所で展開しているイメージが強い。小型店舗やオフィスビル内などではなく、イオンモールのような大型ショッピングモールで行うというのが今回の実証実験が話題になっている理由の1つといえる。

加えて、来店客は年齢も属性もバラバラだ。キャッシュレス会計に慣れ親しんだデジタルネイティブ世代もいれば、スマホを持っていてもシンプルな機能しか使ったことがないようなシニア世代もいるだろう。

そのような環境下でのレジレス無人店舗の展開は、いったいどのような効果をもたらすのか。各方面からの注目が集まっている。

完全レジレス無人店舗実証実験についてセキュアの担当者にお話を伺ってみた

ここからは、イオンモールと協働で完全レジレス無人店舗の実証実験を実施するセキュアの執行役員 営業推進部長である谷口氏に伺ったお話をご紹介する。

【株式会社セキュア】
AIや画像解析システムを活用したセキュリティソリューション事業を展開。2002年の設立以来、エイベックスやYahoo!、メルカリ、アダストリアなど、多数の企業のソリューションを手がける。

――このたびのプロジェクトの発端と、実施に至った背景を教えてください。

イオンモール羽生店は、数あるイオンモールの中でも売上、集客力ともにトップクラスを誇 ります。出店を希望するメーカーや店舗、もしくは誘致したい店舗があったときに出店の壁と なっている1つの要因が人手不足の中でのスタッフ確保です。

レジレス無人店舗はこの課題を解決し、新しい店舗販売の形を実現します。 例えば、展開商品数が少なく小さなお店で販売を希望している DtoC 企業や地元の店舗などがモールでの販売を試みるなど、スタッフを自社で手配することなく試験販売することも可能です。小規模事業者やスタートアップ企業による新たなチャレンジを手助けし、遠隔地の 特産品等の販売もできると考えています。

モール側のメリットとしては、人手不足解消とコスト・人件費低減が挙げられます。当社と しましては、モールという1つの街のような、不特定多数のお客様が訪れる場所でのレジレ ス無人店舗は初の試みとなり、今後の事業拡大において重要な実証実験となると考えていま す。

――不特定多数のお客さまが利用する大型ショッピングモールを舞台に実証実験を行うにあたり、課題となった点や注力している点はありますか?

これから実証実験を実施するにあたって発生するであろうと考えている課題は、以下の2点です。

1.レジレス店舗を経験したことがない、決済もアプリ(アプリをダウンロードしてクレジッ トカードを登録)という経験をしたことがない方々にどうやって買い物をしてもらうか
2.モールというマーケット内で、どうポジションを作っていくか

注力している点は、 お客様にもっと自由に買い物を楽しんでもらいたいということ。「レジレスで並ばずスピーディーに」「接客レスで気軽に」「人目を気にせず買い物を」の実現です。また、地元名産品の販売や短期イベント、催事などの実施も検討したいと考えています。モールにどういった展開が適しているのかを見つけていくことにも力を入れています。

――レジレス無人店舗の実用化が今後さらに広まることで、社会や私たちの生活にもたらすメリットはどのようなものだと考えられますか?

これまで販売員の手配や会計対応がネックで、販売場所がなくて出店機会を得られなかった 小売業者やスタートアップ企業の販売場所提供になると考えております。 また、レジに並ばないレジレス決済は、お客様が時間をかけたいことに時間をかけられることに直結します。

例えば、スタジアムや映画館、イベント会場やコンサート会場でのグッズ 販売や売店がレジレスになれば、レジ待ちに費やしていた時間はなくなり、楽しむための時間を無駄にせずに済みます。

そしてなにより、人手不足という社会問題への解決の一手となることは間違いないと思って おります。例えば、23 時に閉店していた地方のコンビニが、夜間を無人レジレス店舗にすることで販売員なしでセキュリティを担保しながら、売上を上げることも可能です。 AIは日々進化を続けており、来店客の行動データを活用したマーケティング分析も期待されます。

無人レジレス店舗の普及によって、事業者はセキュリティ担保と人手不足解消、お客様はス トレスがないスピーディーで自由な買い物を実現できます。小売業者にとって新たなビジネスチャンスを生み出し、安心で活性化された社会作りに貢献できると考えております。

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