自走型人材の評価と動機付け
自走型人材を育てるには、評価基準を明確にすることが大切です。具体的な指標の設定方法やパフォーマンスの評価方法、自走力が不足している社員への接し方などを見ていきましょう。
■自走力を測定する具体的な指標
自走力を客観的に評価するには、具体的な指標が不可欠です。例えば、目標達成率や新規プロジェクトの立案数、問題解決のスピードなどが挙げられます。
運動能力テストのように自走力を数値化し、可視化できる指標を設定しましょう。また、報連相の質や頻度、ロジカルシンキングも重要な指標となります。
上司の指示なしに現場から新しいアイデアが生まれているか、トラブル発生時に迅速な対応が取られているかなども、組織の自走力を測る上で有効です。
これらの要素を定量化しスコア化することで、個人や組織の自走力を客観的に把握できます。定期的にチェックすれば、成長の度合いや改善点が明確になるでしょう。
■自走型人材のパフォーマンス評価方法
自走型人材のパフォーマンス評価には、従来の指示通りの業務遂行とは異なるアプローチが必要です。まず、企業が求める自走型人材像を明確に定義し、それに基づいたコンピテンシーを設定します。
例えば、課題発見力や目標設定能力、言語化能力などが挙げられます。目標とする自走型人材に求められる行動特性を具体的に定義し、評価基準を明確にしましょう。
各コンピテンシーにおける達成度は数値化し、総合的に評価します。また、評価結果に基づいたフィードバックを行い、社員の成長を促すことも大切です。
自走型人材の特性に合わせた評価方法の採用は、社員のモチベーション向上と組織全体の成長にもつながります。
■自走力が不足している社員への対処法
自走力が不足している社員には急激な変化を求めるのではなく、段階的なアプローチが効果的です。
まず、小さな権限委譲から始め、社員の自信を育みましょう。過剰なフォローは控え、適度な距離感を保つことが大切です。
質問ではなく確認を促し、自ら考える習慣を身に付けさせましょう。失敗を責めるよりも成長の機会と捉え、一緒に改善策を考えると社員の自走力を高められます。
また、自由に意見を言える環境づくりは、自走力向上の土台となります。自走の成果を積極的に賞賛し、社員のモチベーションを高められれば、さらなる成長につながるでしょう。
自走力を養い自社の成長を加速させよう
上司に細かく指示されなくても、自らの力で目標設定や課題解決ができる自走型人材は、今後の社会でますます必要になっていくと考えられます。
急激な変化に対応できる人材を確保すれば、組織全体の生産性が向上し自社の成長を加速できるでしょう。
社員自らが自己研さんするだけでなく、部下をどのように育成していくかが成功のポイントとなります。また、社員が自由に意見を言いやすい環境づくりも大切です。
自分の自走力を鍛えたい場合は、自分で目標を立てて、その達成度を自ら評価する機会を多く持つようにしましょう。
構成/編集部