メンタリングを実施する際の注意点
メンタリングを成功させるためには、注意点についても知っておくことが大切です。ここでは、メンタリングを実施する上で特に重要な3つのポイントについて詳しく解説します。
■守秘義務を守る
メンターは、メンティーから打ち明けられた個人的な情報を、適切に扱う責任があります。なぜなら、守秘義務を守ることで、メンティーは安心して悩みや不安を相談でき、メンターはより深い理解と適切なサポートを提供できるからです。守秘義務が破られると、信頼関係が崩壊し、メンタリングが逆効果になる可能性があります。
仮に、社内に共有する必要があると判断した場合は、メンティー本人から伝えさせることが必要です。本人が言えず、代わりに伝える場合も、必ずメンティーの了承を得た上でなければなりません。
■必要以上の助言はしない
必要以上の助言を控えることも重要です。メンタリングの本質は、メンティーの主体性を引き出し、自ら考え行動する力を育むことにあります。例えば、メンティーの相談に対し、すぐに解決策を提示するのではなく、気付きのヒントとなるような質問を投げかけて、メンティー自身の思考を促しましょう。
メンターの役割は、メンティーの成長を見守り、必要最小限のサポートを提供することです。失敗も成長の過程の大切なプロセスと捉え、精神的な面で寄り添いながら、成長を見守ることが効果的なメンタリングにつながります。
■評価に影響させない
評価と切り離して取り組むことが大切です。相談内容が評価に影響すると、メンティーは本音を話せなくなり、信頼関係が崩れてしまうでしょう。
例えば、「今の仕事に向いていないかもしれない」と相談されたことを評価に反映させてしまうと、メンティーが不利益を被ることになるかもしれません。メンティーが不信感を覚えて、自ら離職してしまう可能性もあります。
メンターは評価者とは別の立場であることを明確にし、話された内容は二人の間だけにとどめておくことが肝心です。
メンタリングを人材育成に生かそう
メンタリングは、経験豊富な人材が後進の成長を支援する効果的な人材育成手法です。コーチングとは異なり、長期的な視点で指導を行います。効果的なメンタリングを実施するには、目標を明確に設定し、定期的な面談によってメンティーとの間に信頼関係を築くことが重要です。適切に実施することで、組織全体の成長にもつながるでしょう。
構成/編集部