ビジネスシーンで頻出するマターの意味を正しく理解し、使えているでしょうか?各シーンでの使用例や目上の人に使う際の注意点を解説します。
目次
ビジネスシーンでよく耳にする『マター』という言葉の正確な意味や適切な使い方を理解していない人もいるのではないでしょうか? マターの意味と正しい使い方について、詳しく解説します。言い換え表現も知り、理解を深めましょう。
マターとは?
『マター』とは、どのような意味なのでしょうか?言葉の意味とビジネスシーンにおいて、どのような意味合いで使われているのか、詳しく見ていきましょう。語源についても紹介します。
■マターの基本的な意味と語源
マターは、『担当』や『責任』を表す言葉です。一般的に個人名や部署名と組み合わせて使います。
例えば、「新製品の開発は、山田さんマターです」と言えば、山田さんが担当者であるという意味になります。適切に使うことで、コミュニケーションがスムーズになる便利な表現です。
なお、言葉の由来は、英語の『matter』です。問題・案件・事柄・件などの意味があります。本来の意味には担当や責任という意味はないため、英文メールなどを書く際には注意しましょう。
■ビジネス用語としてのマターの位置付け
ビジネスシーンでは、単なる担当以上の意味を持ちます。責任の所在を明確にし、業務の効率化を図る重要な役割を果たしています。
例えば、「新規顧客開拓は営業部マターだ」と言えば、その業務の主幹・責任が営業部であるという意味です。
マターの適切な使用は意思の疎通を円滑にし、業務の効率化につながります。
マターの具体的な使用例と表現方法
マターの具体的な活用法を見ていきましょう。個人名・部署名・チーム名・クライアント名との組み合わせ方や注意点を解説します。実践的なポイントを確認しましょう。
■個人名とマターの組み合わせ
『◯◯さんマター』のように個人名と組み合わせた表現は、特定の個人に担当や責任を割り当てる際に使用されます。例えば、「新製品のプレゼン資料作成は、山田さんマターでお願いします」と言えば、山田さんが担当することを簡潔に伝えることが可能です。
また、マターの使用は、プロジェクトの責任分担を明確にするのにも役立ちます。例えば、「プロジェクトAは山田さんマター、プロジェクトBは高橋さんマター」と分けることで、誰がどの案件を担当するか明確になります。
ただし、チームワークを重視する場面では、「みんなで協力して進めましょう」といった表現を付け加えた方が適切な場合もあるでしょう。状況に応じて使い分けることが大切です。
■部署名やチーム名とマターの組み合わせ
部署名やチーム名とマターを組み合わせる使い方も、ビジネスシーンでは頻繁に見られます。例えば、「この案件はIT部マターです」と言えば、IT部が担当することを簡潔に伝えられます。
また、「契約書のチェックは、法務部マターです」や「プロジェクトAは、チーム1マターで進めていきます」のように、特定の部署やチームの責任範囲を明確にする際にも有効です。
部署やチーム間の連携が必要な場合は、「この問題は営業部と開発部の共同マターとして取り組みましょう」のように使うことも可能です。
■クライアント名とマターの組み合わせ
クライアント名とマターを組み合わせた『クライアントマター』という使い方もあります。担当や責任という意味ではなく、『クライアントの意向次第』というニュアンスで使う点に注意しましょう。
例えば、「予算の最終決定はクライアントマターです」と言うことで、クライアントの判断を待つ必要があることを伝えられます。
なお、マターはフォーマルなビジネス用語ではないため、クライアントとの会話で使用するのは控えましょう。
マターの使用上の注意点とマナー
マターを適切に使用するには、いくつかの注意点とマナーがあります。効果的に活用しつつ、円滑な意思疎通を図るためのポイントを詳しく解説します。
■社内限定での使用と外部とのコミュニケーション
マターはフォーマルな場面に適した表現ではないため、外部とのやりとりでは使わないようにしましょう。クライアントや取引先に対して『〇〇さまマター』という表現は避け、「〇〇さまご担当の件」などと言い換えるのが適切です。
クライアントとの会話で同僚に対して使う際も、「この件は、山田マターです」ではなく、「この件は山田が担当しております」と言い換えるのがビジネスマナーです。
■目上の人や上司に対する使用時の配慮
目上の人や上司に対して使用する際は、細心の注意が必要です。例えば、『◯◯部長マター』という表現は、尊敬の念を欠く印象を与える可能性があります。「◯◯部長が担当の案件」や「◯◯部長の管轄事項」といった丁寧な言い回しを心掛けましょう。
また、上司の名前を直接使用せず、「経営陣マター」や「役員会マター」のように、役職や組織を指す表現を用いるのも一つの方法です。これにより、個人を特定せずに業務範囲を示すことができます。
ビジネスシーンでは、相手の立場や状況に応じて適切な言葉遣いを選ぶことが重要です。特に目上の人との会話では敬意を表す表現を心掛けましょう。
■マターの過剰使用を避ける
マターの過剰使用は、コミュニケーションを煩雑にする恐れがあります。例えば、「山田マター」「佐藤マター」などと連発すると、かえって誰が何を担当しているのか分かりにくくなることもあります。
立場によっては、責任を押し付けているような印象にもなりかねないため、適度に使用しましょう。
また、具体的な内容を補足することで、より明確なコミュニケーションが可能になります。『佐藤マターの新デザイン企画』のように、何についてなのかを明示するとよいでしょう。