リモートワークが進み、昨今注目が集まるグループウェアの導入。種類や導入のメリット・デメリットを正しく理解して、業務効率化を図りましょう。
目次
『グループウェア』という言葉を耳にしたことはありませんか?
多くの企業が導入を検討し、すでに活用しているところも少なくありません。グループウェアの基本から導入時のポイントまで、導入を検討している際に役立つ情報を分かりやすく解説します。
グループウェアの定義と基本機能
グループウェアは、業務に役立つツールとして知られています。具体的に、どのようなものをグループウェアと呼ぶのでしょうか?基本機能と活用法について詳しく見ていきましょう。
■グループウェアとは何か?
グループウェアとは、コミュニケーションツールやスケジュール管理ツールなどが一体化したものを指します。提供されるツールはサービスによって異なりますが、主にメール・チャット・ファイル共有・ワークフロー管理・カレンダー・タスク管理などが主流です。
社内でのファイル共有やワークフロー管理をスムーズに行い、コミュニケーションを取りやすくするために使われています。
近年は、インターネットを通じてどこからでもアクセスできるクラウド型のグループウェアも増えてきています。 クラウドを使用することにより、在宅勤務やモバイルワークなど、多様な働き方にも柔軟に対応が可能です。
グループウェアの種類と特徴
グループウェアには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の二つがあります。
これらは導入方法や運用面で異なる特徴を持ち、企業のニーズや規模によって選択が分かれます。それぞれのメリットやデメリット、適している企業の特徴などを詳しく見ていきましょう。
■オンプレミス型グループウェア
オンプレミス型グループウェアは、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして運用する方式です。機密性の高い情報を扱う企業や、セキュリティに厳しい規制がある業界でよく使われます。
メリットとしては、カスタマイズの自由度が高く、自社の業務フローに合わせた細かな設定が可能です。また、長期的に見ると運用コストを抑えられる場合もあります。
一方で、初期導入コストが高く、サーバーの管理や保守に専門知識が必要となるデメリットもあります。リモートワーク対応には追加の設定が必要なケースもあり、導入前の慎重な検討が欠かせません。
■クラウド型グループウェア
クラウド型グループウェアは、インターネットを通じてサービスを利用する方式です。利用者側の設定によっては、必要な機能を選んで利用できます。
メリットとしては、サーバー管理の手間がなく、サービスによってはスマートフォンからもアクセス可能な点が挙げられます。また、定期的なアップデートにより、常に最新の機能を利用できます。
一方で、カスタマイズの自由度が低く、他システムとの連携に制限がある場合もあります。また、インターネット環境に依存するため、通信障害時の対策が必要です。
グループウェア導入のメリットとデメリット
グループウェアは、ビジネスの効率化とコミュニケーション改善に大きな可能性を秘めています。しかし、その導入には慎重な検討が必要です。主なメリットとデメリットを理解し、導入の検討に役立てましょう。
■【メリット】導入による組織の課題解決
グループウェアの導入は、情報共有の効率化・コミュニケーションの活性化・業務の効率化など、組織の課題解決に大きく貢献します。
例えば、リアルタイムでのスケジュール共有により、会議の日程調整がスムーズになります。コミュニケーションツールとして活用すれば、在宅勤務者や別拠点の従業員とのコミュニケーションも活発になるでしょう。
また、グループウェア上で手続きを進める場合、申請・承認のフローが円滑に進み、業務の遅延を防ぐこともできます。
■【デメリット】導入前後の課題や運用コスト
グループウェア導入前後には、新しいシステムへの抵抗感があり、使い方の習得に時間がかかるといった問題が生じる可能性があります。導入前に検討を十分に行い、場合によっては試用期間を活用するなどの対策が必要になるでしょう。
システムが魅力的であっても、使い方によっては過度な情報共有により、プライバシーの問題や情報セキュリティのリスクが高まることも懸念されます。
そのほか、運用・維持コストがかかる点もデメリットです。コストをかけた分以上にメリットがあるのか把握した上での導入が望まれます。
主要なグループウェア製品の比較
グループウェアの選択は、企業の生産性向上に直結する重要な決断です。代表的なグループウェア製品の特徴を解説します。自社の業務スタイルに最適なグループウェアを見つけるために、まずは主な製品の基本情報をチェックしておきましょう。
■Google Workspace
Google WorkspaceはGoogle社が提供するグループウェアです。料金の一例を挙げると、Business Standardの1年契約では1カ月あたり1,360円(ユーザー1人当たり)となっています。
文書作成ソフト、表計算ソフトといったサービスに加えて、チャット・タスク管理・カレンダー・ビデオ会議のようなグループウェアが利用できます。
普段からGmailやスプレッドシート、Googleドキュメントなどを活用している場合は、グループウェアとしても活用しやすいでしょう。
■Microsoft 365
Microsoft 365は、Microsoft社が提供するグループウェアです。事務処理に使えるMicrosoft Officeソフトに加えて、チャット・タスク管理・カレンダー・ビデオ会議といったグループウェアが利用できます。
文書作成や表計算、資料作成に使えるソフトと、コミュニケーションツールが組み合わさっている点はGoogle Workspaceと同じです。
料金の一例を挙げると、Business Standardの1年契約では1カ月あたり1,874円(1ユーザー当たり)となっています。
Microsoftが提供するOfficeソフトとの連携がしやすく、仕事でMicrosoft製品を使う機会が多い場合に適しているグループウェアです。