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サイレントお祈りとは、就職活動中に企業からの連絡が途絶えてしまうことです。
期待と不安が入り混じる中、返事を待ち続けるのはつらいものです。本記事では、サイレントお祈りをする企業の意図や求職者が取るべき具体的なアクションを解説します。
サイレントお祈りとは?
就職活動中の学生や転職活動をしている人の間では、『サイレントお祈り』が話題に上ることがあります。英語で『無言』を意味する『サイレント(silent)』と『お祈り』を合わせた造語ですが、どのようなシーンで使われているのでしょうか?
■サイレントお祈りの意味
サイレントお祈りとは、主に就職活動において、通知なく不合格になることです。企業側は合格者に対しては必ず連絡をしますが、不合格者への連絡は省略することがあります。
サイレントお祈りの由来は、不合格通知を意味する『お祈りメール』です。不合格通知には、『今後のご活躍をお祈り申し上げます』という定型文が添えられるケースが多く、一部では不合格をお祈りと呼んでいます。
サイレントは無言を意味するため、『企業から不合格通知がない状態』をサイレントお祈りと呼ぶようになりました。
■一般的な日数の目安
企業によっては、応募者への合否の連絡が遅れることがあります。サイレントお祈りといえるのは、連絡がない期間がどれくらい続いたときなのでしょうか?
企業にもよりますが、判断の目安は2週間程度です。これは、企業の採用プロセスにかかる時間と応募者のキャリアプランへの影響を考慮した妥当な期間といえます。2週間を経過しても連絡がない場合は、残念ながら採用の可能性は低いと判断すべきでしょう。
採用スケジュールや通知のタイミングを明確に示している企業もあるため、サイレントお祈りかどうかを判断する前によく確認する必要があります。
企業がサイレントお祈りを行う理由
サイレントお祈りは就活生や求職者に不安や焦りを与えるばかりか、次のステップに進めない状況を生み出します。そもそも、企業はなぜサイレントお祈りをするのでしょうか?
■連絡の手間を省きたい
企業がサイレントお祈りを行う理由の一つに、連絡の手間を省くことが挙げられます。応募者全員への連絡は、時間と労力を要する作業です。大手企業や人気企業では、一つの求人に対して数百から数千の応募があるケースも珍しくありません。
このような状況下で、全ての応募者に丁寧な返信を行うことは、人事部門の業務効率を著しく低下させる上、企業のコスト増加にもつながります。
そのため、多くの企業は最終選考まで残った応募者以外への連絡を省略し、サイレントお祈りを選択しているのです。
■ヒューマンエラーを減らしたい
採用プロセスでは、多くの情報を正確に管理する必要がありますが、人間が介在する以上、ヒューマンエラーは避けられません。選考段階では、不合格の通知書を合格者に送付してしまう重大なミスが起こる可能性があります。
このようなミスは、応募者に不必要な期待を抱かせたり、企業の信頼性を損なったりしかねません。慎重を期して、合格者に対してのみ連絡をする方針の企業は少なくないようです。
サイレントお祈りは、個人情報保護の観点においてもメリットがあります。連絡を最小限に抑えれば、連絡ミスによって個人情報が漏えいするリスクも低減するでしょう。
■人材を保留しておきたい
人材獲得競争が激化する中、企業は複数の応募者を並行して検討することがあります。第一候補者との交渉が不調に終わった場合に備え、他の応募者をキープしておきたいのが本音です。
例えば、最終面接を終えた5人の応募者のうち、2人を採用すると仮定します。優秀な人材は、他社の内定を受けて辞退する可能性が高いため、サイレントお祈りによって、3位以下の応募者にもすぐに連絡できるようにしているのです。
この戦略は、企業にとって柔軟性を持たせる一方で、応募者には大きな不安を与えます。
サイレントお祈りにどう対処する?
企業のサイレントお祈りを受けた場合、就活生や求職者はどのように対処すればよいのでしょうか?代表的な三つの方法と注意点を解説します。
■連絡が来るのをひたすら待つ
サイレントお祈りを受けた場合、多くの就活生や求職者は連絡が来るのをひたすら待つことになります。希望と不安が入り混じる日々を過ごすでしょう。
待機期間中は、自己啓発や他の求人への応募準備など、前向きな活動に時間を使うことをおすすめします。不安な気持ちが薄れる上、キャリアアップにもつながります。
ただし、無期限に待ち続けるのは得策ではありません。不安や焦りなどの精神的なストレスで体調を崩す人もいるため、2週間を経過したら、次のステップに進む準備をしましょう。
■企業に問い合わせる
2週間以上たっても連絡がないときは、電話やメールで問い合わせる手もあります。電話の場合は、日中の業務時間内に連絡するのがマナーです。ただし、出勤直後や退勤直前は慌ただしく、電話はあまり歓迎されません。
メールの場合は、件名に具体的な内容を記載するのがポイントです。本文には、面接のお礼を添えると印象が良くなります。
いずれの場合も、直接合否を聞くのではなく、『結果発表日時』を尋ねましょう。明確な回答が得られない場合は、他の企業の選考に集中するなどの柔軟な対応が求められます。
■他社の選考を受ける
2週間待っても連絡がない、または問い合わせても明確な回答が得られなかった場合は、この企業とは縁がなかったと割り切って、他社の選考を優先しましょう。
この経験を糧に自己分析を深め、面接での自己アピールや志望動機に改善点はなかったかを冷静に振り返ります。同時に、業界研究や求人情報の収集をし、自分に合った企業を見つける努力を続けましょう。
なお、サイレントお祈りに対して感情的な対応は避けましょう。ネガティブな反応は自身のキャリアに悪影響を与える可能性があります。