ビジネスを円滑に進めるために重要なタスクフォース。あなたはこの用語の意味を正しく理解して使っていますか?メリット・デメリットを知り、現場に活用する方法をチェックしましょう。
目次
『タスクフォース』は、急な問題解決や特別なプロジェクトに関連する言葉です。
実際にどのような場面で使われているのか、知らない方も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンにおける役割や、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
タスクフォースの基本概念を理解しよう
タスクフォースの特徴や目的、プロジェクトとの違いなどを知ると、言葉の意味を深く理解できます。どのようなチームを指す言葉なのか、見ていきましょう。
■特別な目的のための一時的なチーム
タスクフォースとは、組織内で特定の課題解決や目標達成を目指して、一時的に編成される特別チームです。例えば、新型コロナウイルスへの対応のように、緊急性の高い問題解決に向け設置されるケースが多いでしょう。
タスクフォースは課題が解決されたら解散する前提で集結し、短期間で成果を出すことが求められます。
メンバーは、課題に関連するさまざまな部署から選抜されるのが一般的です。例えば、新商品開発のタスクフォースを編成するなら、企画・マーケティング・技術部門などから、異なる専門性を持つ人材を集めます。
■タスクフォースを設置する目的と効果
企業がタスクフォースを設置する主な理由は、通常の組織体制では対応が難しい課題に迅速かつ効果的に取り組むためです。例えば、急激な市場変化への対応や、新規事業の立ち上げなどが挙げられます。
タスクフォースに期待される効果は、問題解決のスピード上昇や部門を超えた協力体制による、新たな視点やアイデアの創出などです。
さらに、タスクフォースは組織の硬直化を防ぐ効果も期待できます。通常の組織構造では見落とされがちな課題に光が当たり、組織全体の活性化につながることも少なくありません。
■タスクフォースとプロジェクトチームの違い
タスクフォースとプロジェクトチームは、どちらも特定の目的達成のために結成される臨時組織ですが、その性質に違いがあります。
タスクフォースは、緊急性の高い問題に対して短期的かつ集中的に取り組むチームです。例えば、企業の危機管理対応や新商品の緊急開発などが該当します。
プロジェクトチームはタスクフォースに比べ、より長期的な視点で課題解決に取り組みます。
また、タスクフォースのメンバーには、迅速な判断力と高度な専門知識が求められますが、プロジェクトチームでは、長期的な計画立案能力やコミュニケーション能力が重視される傾向です。
タスクフォースの構成と運営の基本
タスクフォースの構成や運営方法を知ると、どのようなチームなのかをより具体的にイメージしやすくなります。参加者の決め方や運営期間、進め方のコツなどを見ていきましょう。
■誰が参加する?
編成を決める際は、課題解決に最適な人材を部署や社内外の垣根を越えて選出します。各分野のエキスパートが集結するイメージです。
一般的には、課題解決に必要なスキルや経験を持つ人材が優先的に選ばれます。チームをまとめるリーダーや、戦略立案を担う参謀的な存在も重要です。
目的を達成するには、適切なメンバーを選ぶだけでなく短期間でチームの結束力を高め、共通認識を持って活動していくための工夫も必要となります。
■いつまで活動する?
タスクフォースの活動期間は、目的達成に必要な時間を見極めて設定します。短すぎると成果が出せず、長すぎると組織がうまく機能しなくなる恐れがあるため、適切な期間設定が重要です。
一般的には数カ月から2年程度が多いですが、期間の長さは課題の複雑さや緊急性によって変わります。例えば、新製品開発なら1年、災害対応なら数週間といった具合です。
期間設定後も、進捗状況に応じた柔軟な調整が大切です。マラソンのペース配分のように途中で見直しを行い、必要に応じて延長や短縮を検討します。
活動終了時期を明確にすれば、メンバーのモチベーション維持や成果の可視化にもつながります。また、期限を区切ることで集中力を高める効果も期待できるでしょう。
■効果的な進め方のコツは?
タスクフォースを効果的に運営するためのポイントを見ていきましょう。まずは、明確な目標設定と共有が不可欠です。チームの羅針盤となる目標を全員で共有することで、一丸となって課題に取り組めます。
チームをまとめるためには、適切なリーダーの選定も重要です。リーダーに求められるものは、多様なメンバーをまとめ上げ迅速な意思決定を行う能力や、迅速かつ柔軟な対応力などです。
また、タスクフォースで得られた知見や経験を組織全体で共有し、蓄積する仕組みづくりができれば、将来の類似事態への対応力が強化されます。
タスクフォースのメリットとデメリット
タスクフォースは企業にとって優れた恩恵がある一方で、事前に押さえておきたい注意点もあります。メリットとデメリットを整理していきましょう。
■タスクフォースのメリットは主に3つ
タスクフォースが組織にもたらす一つ目のメリットは、問題解決にリソースを集中できる点です。
例えば、新製品開発のタスクフォースでは、短期間で集中的に人材や資金を投入し、迅速な成果を上げる効果が期待できます。
二つ目のメリットは、課題に最適なメンバーを集められる点です。各部署から専門知識を持つ人材を集めれば、多角的な視点から解決策を見いだせます。
普段接点のない社内外のメンバーを召集することで、新たな発想やイノベーションを生み出しやすくなる点が三つ目のメリットです。
営業部門と技術部門が協力すれば、顧客ニーズに即した革新的な製品を生み出せる可能性があります。
■タスクフォースのデメリットと解決策
タスクフォースは一時的な組織のため、せっかく得たノウハウが蓄積されにくい点がデメリットです。
例えば、チームの解散とともに、新商品開発のタスクフォースによって生まれたアイデア発想法が失われてしまうことがあります。
また、異なる部署から集まったメンバー間で、衝突が生じやすい点にも要注意です。営業部門と技術部門では、優先すべき課題が異なる場合もあるでしょう。
これらのデメリットを克服するには、活動記録の徹底やチームビルディングの実施、そして全社的な情報共有が欠かせません。