「足るを知る者は富む」の類似表現
「足るを知る者は富む」の類似表現としては、「足るを知るは第一の富なり」や「富は足るを知るにあり」などが挙げられます。それぞれの意味や使い方をみていきましょう。
■足るを知るは第一の富なり
「足るを知るは第一の富なり」とは、満足することを知ることが一番の豊かさであるという意味の言葉です。たとえ莫大な資産を手に入れたとしても、それに満足できなければ幸せとはいえません。しかし、自分が今持っているもののありがたみを実感できれば、目の前の幸せを感じられるでしょう。
【例文】
- こんなに恵まれた環境にいるのに不満ばかり口にするなんて、彼は「足るを知るは第一の富なり」という言葉を知るべきだ
- 「足るを知るは第一の富なり」という言葉があるように、現状のリソースを最大限活かして、成果を挙げられるように工夫するつもりだ
■富は足るを知るにあり
「富は足るを知るにあり」は、真の豊かさや幸せを感じるには、置かれている状況や今持っているものへのありがたさを知る必要があるという意味です。今の状態に満足できず、周囲に感謝を持てなければ、客観的にみると幸せな状況であっても、決して満ち足りた気持ちにはなれないでしょう。「足るを知る者は富む」と同様に、現状に満足することの大切さを伝える言葉といえます。
【例文】
- プロジェクトの成功は喜ばしい。「富は足るを知るにあり」というように、現状に感謝しつつ次の目標達成を目指そう
- 「富は足るを知るにあり」という言葉もあるのに、仕事も順調、家族も健康で円満な状態で何がそんなに不満なのか?
「足るを知る者は富む」の意味を知り日々を充実させよう
「足るを知る者は富む」は満足することを知っている人は、精神的に豊かで幸福であるという意味を表す言葉です。たとえ貧しい生活を送っていても、自分が本当に必要とするものを知ってたり、すでに持っているものの価値を実感し理解していたりする人は、十分に満足できるといえるでしょう。
混同しやすい言葉として「分をわきまえる」がありますが、その意味は、自分の身の程を理解して、出過ぎた真似をしないというものです。現状への満足することの大切さを説く「足るを知る者は富む」との違いを確認しておきましょう。
「足るを知る者は富む」は、価値観や生き方を見直すヒントとなる言葉であり、座右の銘としている人も少なくありません。正しい意味を理解するだけでなく、充実した日々を送るためにどのように活かせるかについても考えてみましょう。
構成/橘 真咲