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ネットリテラシーは、インターネット上でのあらゆるリスク回避のために必要で、個人・企業どちらにとっても大きな意味があります。しかし、どのようなものか、また身につけるにはどうすればいいのかと不安になることがあるでしょう。
この記事では、詳しい意味やITリテラシーとの違い、ネットリテラシーがない人・低い人のリスクなどを解説します。さらに、身につける・教育する場合に知っておくべきポイントもあわせて確認しておきましょう。
「ネットリテラシー」とは?簡単に基礎知識を解説
現在、インターネットが普及し、多くの人々の日常生活に欠かせないものになっています。しかし、「ネットリテラシー」がないと、自分と他者どちらにとってもリスクが高い状態になってしまいます。
はじめに、ネットリテラシーとは何を意味するのか、またネットリテラシーが高い・低いとはどのようなことなのか、ITリテラシーとの違いを確認しておきましょう。
■インターネット・リテラシーを略した言葉
ネットリテラシーとは「インターネット・リテラシー」を略した言葉です。「ネット」は「インターネット」を、「リテラシー」は「ある分野に関する知識」また「それを適切に活用する能力」を指します。
つまり、ネットリテラシーとはインターネットを正しく適切に使いこなすための知識や能力のことです。
インターネットは幅広く普及し、活用するシーンが増えています。よく用いられているものであるからこそ、正しく活用する能力の必要性が高まっているのです。
■ネットリテラシーが高いとはどのようなこと?
ネットリテラシーは、「高い」「低い」などと表現されます。ネットリテラシーが高いとは、「インターネットを適切に使いこなす能力が高い」ことです。
インターネットにはさまざまな情報が蓄積され、拡散され続けています。しかし、そのなかには間違った情報も多いです。
ネットリテラシーが高い人は、インターネット上の情報を鵜呑みにせず、真偽や正確性を見極めて適切に反応できます。自らの情報などを投稿する場合にも、適切にプライバシーの保護が可能です。
■ネットリテラシーとITリテラシーとの違い
ネットリテラシーのほかに、ITリテラシーという言葉もあります。どちらも言葉としては似ていそうですが、意味は異なるため注意が必要です。
ITリテラシーとは、「ITを活用するための総合的な能力」を指します。インターネットをうまく活用できる能力だけではなく、パソコンやスマートフォンなどの情報機器を適切に扱うための能力も含まれるのが特徴です。
つまり、ネットリテラシーとITリテラシーは以下のような違いがあります。
・ネットリテラシー
……インターネットをうまく活用できる能力
・ITリテラシー
……ネットリテラシー・情報基礎リテラシー・コンピュータリテラシーを含めた総合的な能力
ネットリテラシーがない人・低い人の4つのリスク
インターネットをうまく活用できない人のことを、「ネットリテラシーがない」「ネットリテラシーが低い」などと表現します。ネットリテラシーがない人・低い人には以下のような4つのリスクがあり、そのままの状態でインターネットを使い続けるのは危険です。
1.個人情報、企業の内部情報などの流出
2.ウイルスやマルウェアへの感染
3.名誉毀損や信頼の失墜
4.著作権や肖像権の侵害
このほかに、詐欺行為による被害や誘拐などの犯罪に巻き込まれるリスクもあります。それでは、ネットリテラシーがないとどのようなリスクがあるのか、詳しくご紹介します。
■1.個人情報、企業の内部情報などの流出
ネットリテラシーがないと、個人情報や企業の内部情報などが流出するリスクがあります。
ネットリテラシーがない人・低い人は、インターネットに投稿していい情報かどうかが適切に判断できません。その結果、どこに住んでいるのか、名前などの個人情報、また仕事に関するものであれば企業の内部情報などが流出してしまう可能性が高くなります。
■2.ウイルスやマルウェアへの感染
ネットリテラシーがない人・低い人は、ウイルスやマルウェアへの感染リスクも高いです。ネットリテラシーが高い人は、危険なWebサイトや不審なメールがあっても、開けるかどうかを冷静に判断できます。
しかし、ネットリテラシーがない人・低い人はこれらを不用意に開いてしまうため、ウイルスなどに感染する可能性が高くなってしまうでしょう。
■3.名誉毀損や信頼の失墜
ネットリテラシーがない・低い状態は、名誉毀損や信頼の失墜のリスクもあります。
名誉毀損とは、公然と相手の名誉を傷つける行為を指す言葉です。現実世界では行わないような差別的な発言や中傷でも、匿名性のあるインターネット上であればしてしまうことがあります。
また、SNSなどで不適切な発言をしてしまい、炎上につながることもあります。
ネットリテラシーがない・低い人は、インターネット上のリスクへの理解度が低いため、名誉毀損や信頼の失墜につながるようなことをしてしまいやすいでしょう。
■4.著作権や肖像権の侵害
ネットリテラシーがない人・低い人は、著作権や肖像権を侵害してしまうリスクも高いです。
たとえば、著作権を侵害するコンテンツをインターネットにアップロードしてしまうと、それが短期間であっても罪に問われることがあります。
また、画像のなかに他社のロゴマークが入っていただけでも著作権侵害にあたる可能性があるため、画像をアップロードする際は十分に気をつけましょう。
ネットリテラシーを身につける・教育するには?
このように、ネットリテラシーがない・低い状態でいることにはさまざまなリスクがあります。ネットリテラシーを身につけたい・社員を教育したいと感じた方は、以下のような対策が有効です。
■対策1.勉強会を実施・参加する
■対策2.社内ガイドラインを策定する
■対策3.情報を発信する際の注意点を理解する
■対策4.情報を入手する際の注意点を理解する
最後に、それぞれの対策方法を確認しましょう。
■対策1.勉強会を実施・参加する
勉強会に参加したり、社員に向けた勉強会を開催したりすると、ネットリテラシーに関する能力を上げられます。社員にネットリテラシーの教育をしたい場合は、個人ではなく会社全体で取り組むことが重要です。
定期的に勉強会を開催し、それぞれで危険性や対処の方法などを実際に考えることで、トラブルを効果的に回避しやすくなるでしょう。
■対策2.社内ガイドラインを策定する
社員にネットリテラシーの教育をしたい場合は、社内ガイドラインを策定することも大切です。社内ガイドラインによってメールの開封ルールなどの基準を明確に定めておくことで、トラブルになるリスクを回避しやすくなります。
同じようにネットリテラシーを教育しても、世代やその人の性格などによっては理解が深まらないケースも考えられます。SNS投稿時のNGワード、トラブル発生時の対処法などをわかりやすい表現で決めておくことで、社内全体での対応力が上がるでしょう。
■対策3.情報を発信する際の注意点を理解する
個人と法人どちらとしても、情報を発信する際にはさまざまなことに注意する必要があります。情報を発信する際の注意点は、以下のとおりです。
・投稿によって居住地が特定されるリスクがある
・他人の誹謗中傷にあたるような投稿はしない
・現実社会で相手にいえないようなことはいわない
・自分が想定しない範囲以上に拡散してしまう可能性がある
・完全な匿名性は担保されていない
・一度アップした情報の完全な削除は難しい
情報を発信する際は、一度冷静になってこれらの注意点をチェックするといいでしょう。
■対策4.情報を入手する際の注意点を理解する
インターネット上で情報を入手する際にも、以下のような点に注意すべきです。
・インターネット上の情報を鵜呑みにしない
・「あなただけ」「今すぐに」など、行動を促す情報に気をつける
・情報を発信する人の狙いを考える
多くの人がインターネット上に情報を発信できるようになった現在では、真偽が不確かな情報が氾濫しています。情報を入手する際は、正しくないかもしれないことを理解しておくことが大切です。
情報を入手する際、冷静に判断する時間をとることで、詐欺行為につながるリスクも軽減できます。
ネットリテラシーの意味を正しく理解しよう
インターネットの活用が進む現代では、ネットリテラシーを身につけることが重要です。ネットリテラシーが低いままでいると、思わぬトラブルになってしまうかもしれません。
言葉の意味やネットリテラシーが低い人のリスク、その能力を身につける・教育する方法などを理解して、インターネットを適切に活用できるようになりましょう。
構成/chihaya