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スタートアップへの転職者数は8年前と比べて20代と30代で2.7倍、40歳以上で7.1倍とミドル層の伸びが顕著に

2024.09.20

スタートアップへの年代別の転職者数推移:ミドル・シニア層の伸びが顕著

『リクルートエージェント』でのスタートアップへの転職者数を年代別に見ると、2015年度と比べ、2023年度は40歳以上で7.1倍だった。一方、20~39歳では2.7倍と、ミドル・シニア層の方が若い世代よりも転職者数の伸びが顕著となった。

スタートアップは「経営陣、社員いずれも若く、ハードな働き方なのではないか」「大企業の職場の風土とは異なり、ついていけないのではないか」といったイメージを持たれることが多いが、近年は従業員のワークライフバランスに配慮する企業が増えている。

選考の過程でこうした実情を知ったミドル・シニア層が、転職するケースが増えているのだ。

また、社会課題の解決に向け、先端科学技術を用いたビジネスを展開する「ディープテック・スタートアップ」や大学発のスタートアップには、ミドル・シニア層の転職がとりわけ目立っている。

ミドル・シニア層のエンジニアが持つ先端技術についての豊富な知見・経験は、ディープテック・スタートアップが新技術を生み出し、ビジネスとして展開するために求められている。

スタートアップへの転職時の提示年収水準:400万円未満の割合が減少

『リクルートエージェント』でのスタートアップへの転職時に提示された年収帯別の割合について、2015年度と2023年度を比較したところ、400万円未満の割合が67.4%から41.5%へと、25.9pt減少していた。

400万円以上の年収帯での転職者の割合は増加傾向にあり、400万円以上600万円未満で15.2pt増加。600万円以上800万円未満では、6.7pt増加していました。スタートアップへの転職時には、かつてと比べて提示される年収が高くなってきていると言える。

背景には、スタートアップの資金調達が増加傾向にあることが挙げられる。ベンチャーキャピタルなどからの「エクイティファイナンス」(株式などの発行に対する出資)のほか、金融機関からの「デットファイナンス」(借⼊、融資)など、資金調達手法も多様化している。

国などからの補助金が手厚くなっていることも、賃金アップに寄与している。また、ビジネスが軌道に乗って売り上げが伸びるスタートアップも増えており、従業員の賃金に還元できている企業が増えていることも大きな要因だ。

このほか、自社株を「ストックオプション」として従業員に提供する企業も多い。会社が成長して株価が上がれば従業員の利益となるため、スタートアップで働く金銭的な魅力の一つになっている。

調査概要
調査方法/『リクルートエージェント』求人データ・転職者データの分析
調査対象/『リクルートエージェント』での求人、『リクルートエージェント』を利用して転職した人
有効調査数/非公表
調査実施期間/2024年7~8月
調査機関/リクルート

関連情報
https://www.recruit.co.jp/

構成/清水眞希

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