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俳優、経営者、抗老化学の研究者、いとうまい子さんに聞く学び続ける「心のあり方」

2024.09.20

学ぶうちに得意なことが増えて、人生を切り開く武器に

――40~50代は、迷いが生まれる時期でもあります。会社などの組織で働く人はキャリアの限界が見えてきて、個人事業主、フリーランス、主婦(夫)は「このままでいいのか」と思う年頃です。

いとう:そうですよね。私もかつては悩んでいました。何かひとつ、ものすごいスキルがあればいいのですが、自分では中途半端だと思う能力なので、漠然とした不安を抱えていました。それを軽くしてくれたのが、大学での学びと、その後の研究でした。

学ぶうちに、得意なことが増えていきます。気がつけばそれが人生を切り開く武器のようになっており、1つだった得意が、2つ、3つと増えていく。しかも、得意なことは掛け算ができる。さらなる価値を産むことができるのです。

得意は、他人の得意との掛け算も生まれます。何かが得意な人同士で、コラボレーションすると、世の中をよくしたり、便利にするなど変化が生まれます。

40~50代に自分の得意を掘り起こしてみるといいと思いますよ。

――不安の気持ちが強く、得意なことがわからなくなることも多いです。

いとう:誰でも必ず得意なことはあります。それがわからないという人は、「こだわらない」ことを意識してみるといいと思います。

「こうでなくてはいけない」というこだわりがあると、身動きが取りにくくなります。仕事、立場、お金、人間関係など、こだわるポイントは人それぞれですが、私はいつの頃からか、「いつか、これは消えてなくなる」くらいの気持ちでいるようになりました。そうすると、気が楽になり、肩の力が抜けるのです。

このリラックスが、とても大切。なぜなら、視界が広がりますし、自分を客観視できますから。緊張状態にあると、視野がどうしても狭くなり、ネガティブな思考に陥ってしまいます。まずは、リラックスして、得意なことを探してみてください。

あとは、自分なりに気分を上げるルーティンを組み込むのもいいと思いますよ。毎朝鏡を見て「今日も大丈夫」とか「今日も楽しく過ごそう」などと自分に声をかけるのも有効。細胞レベルで生き生きとしてくるはずです。

そうすると、ネガティブなことや老いなども見えにくくなります。私は勉強で忙しい時期が、ちょうど更年期だったのですが、「ないもの」として扱っていました。仕事に勉強に忙しくして、意識しないようにしていました。これは美容も同じです。年齢も老いも意識せず、今が最高だと思って生きる。なくしたものを数えるのではなく、あるものを慈しみつつ、少し前進してみる。きっと楽しいことがあるはずです。

「ヒューニング」を教えることで、恩返し

――いとうさんのそのマインドは、iU 情報経営イノベーション専門職大学で「ヒューニング」を教えることにもつながりました。ヒューマン(人間)のチューニングをする学問とのことですが。

いとう:2025年4月から教壇に立ちます。楽器同様、人間もチューニングされていなければ、その人の本来の能力を発揮させることは難しいです。ヒューニングは、自分自身に制限をかけているブレーキを外し、本来の自分の能力を発揮できるようないい状態に導く考え方を教える教科です。

これを知っていると、自分をいい状態に保ち、楽しく生きることができます。未来がある学生の皆さんに、ヒューニングを教えることは、私が学ぶきっかけになった「社会全体への恩返し」にやがてつながっていくと思っています。

***

「研究も従来通り、続けていきますよ」と楽しそうに話すいとうさんは、予防医学、ロボット工学を学び、現在は基礎老化学を研究しています。その目的は、体の健康寿命をのばし、死ぬまで幸せに生きること。4月から、心をいい状態に維持するヒューニングを学生に教えることで、心の健康寿命を伸ばすための、いい気づきを得るでしょう。いとうさんの〝得意〟が増え、その掛け算がどんな未来を見せてくれるのか、とても楽しみです。

取材・文/前川亜紀 写真提供/マイカンパニー

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