無印良品を展開する良品計画は、無印良品の世界観を体感できる空間を既存の宿泊施設の中につくる、宿泊事業の新プロジェクト「MUJI room」を立ち上げる。
良品計画では、「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指し、地域の皆様と課題や価値観を共有しながら、地域を活性化するためのさまざまな活動を進めている。
その一環として展開する宿泊事業「MUJI STAY」は、「地域に溶け込むもうひとつのくらし」をコンセプトに、地域における無印良品が目指す世界観を体感できる宿泊・滞在・体験を提供していきた。
事業者をサポートしながら地域と作り上げていく「地域共生型」スキーム
他にも、地域文化のショーケースとして位置付けている「MUJI HOTEL」や、地域の遊休資産を活用した滞在型宿泊施設「MUJI BASE」、「自然を、自然のままに楽しむ。」をコンセプトに今年オープン30周年を迎える「MUJI Camp」を展開している。
これに対して「MUJI room」はホテルや旅館、貸別荘など地域の既存宿泊施設の中に、無印良品のある暮らしを体感できる場をつくるプロジェクトになる。
インバウンドで多くの旅行者が日本に訪れている一方、旅行スタイルの変化などにより、空室が埋まらなくなった旅館・ホテルは全国に多く存在している。
改善をするにも資金不足や、状況を打破できる企画が立てられないという施設が多く、これらの課題に向き合い、事業者をバックアップしながら、地域とともに作り上げていくのが「地域共生型」スキームだ。
他に空間デザインやサービスのみを業務として提供する「受託型」もある。
●地域共生型
良品計画が初期投資、PRと集客、予約管理まで担い、既存の建築・空間を活かしてなるべく小さなコストで空間づくりを実施する。また空間設計や地域体験をプロデュースし、宿泊者向けサービスを開発することで、宿泊事業者にとっては初期投資なく空室だった部屋が稼働(収益化)することに加え、宿や地域全体のPRにもつながるというメリットがある。
●受託型
事業者からの依頼で、空間デザイン・サービスデザインを良品計画が業務として受託するモデル。中長期の滞在や、地域性のある暮らしを感じる体験など、既存のホテル内で無印良品らしい空間を体感できる新しい滞在体験を提供していく。
受託型モデルケース:大阪市此花区「リーベルホテル大阪」内
受託型モデルケースとして、「MUJI room LIBER HOTEL」が2024年12月1日にオープンする。大阪市此花区に位置する「リーベルホテル大阪」内に、素材と過ごし方によって異なる4タイプの無印良品の世界観をデザインした客室を3室ずつ(計12室)開設する。
type Aは、「MUJI HOTEL GINZA」をモデルに、木を基調としたシンプルで使い勝手と心地よい眠りを追求した空間。旅先でのからだと心を整える工夫が凝らされている。
type Bは、土の手触りを感じるタイルを基調とした部屋。寝室とリビングを分ける棚には良品計画が展開するインテリアブランド「IDÉE」とともにセレクトした民藝・工芸品が空間を彩る。
type AとBの部屋には、洗濯機や大型の冷蔵庫、ミニキッチン等があり、中長期の滞在でも快適に過ごせる“住まう”ような時間を過ごすことができる。
type Cは、最大4名で宿泊できるバンクベッドの部屋だ。リビングと寝室がゆるやかにつながり、楽しさと居心地の良さが共存する空間を形成。木地や肌触りの良いファブリックに加え、アクセントとなるタイルを用いるなど、プレーン素材を用いて遊び心を表現している。
type Dは、最大6名で宿泊できるバンクベッドと広々としたリビングを持った部屋だ。窓際で景色を眺めながら腰掛けられるデイベッドや、思い出をみんなで共有できる大きなソファなど、家族や友人とゆっくりと滞在いただける意匠を凝らしている。
■MUJI room LIBER HOTEL 概要
住所 /大阪府大阪市此花区桜島1-1-35
室数/12室
宿泊開始日/2024年12月1日(日)
料金/6万8000円:室~ (※2名の場合)
予約受付/9月5日より開始
LIBER HOTEL予約サイト/ https://hotel-liber.jp/room/muji_room/