できる社長に関して、どのようなイメージを持ってますでしょうか。
仕事が早い人、人心掌握能力が高い人、士気を高められる人、道を示せる人など、様々な項目が出てきます。どのようなイメージをと問いかけましたが、故稲盛さん等、実際の経営者を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
これから話しをしていく中で、できる社長を次のように定義して話しを進めていきます。
できる社長は、社会の変化に対応して会社の成果をあげられる人と決めて話を進めていきます。
できる社長は、過去のことばで投げかけない
成果を上げる人に共通することですが、なぜうまくいかないのかではなく、どうしたらうまくいくのかを考えます。自分自身や部下に対して「なぜ」と語りかけると、できない言い訳や自分なりに頑張ったもしくは上司へのアピールが出てきます。
「なぜ」は過去へ語り掛ける言葉だからです。原因を分析することが重要と過去にばかり目を向けていると前に進まなくなります。過去は変えることはできないのに、「なぜ」と考えている瞬間はあまり意味がありません。
「なぜ」となるのは、情報が足りないからです。情報が足りないのであれば、情報を得るしかありません。普段から必要な情報があがってくる仕組みをつくれている社長は、できる社長です。
情報があがってこないので、会議や現場に行って、「なぜ」と情報収集しにいってしまいます。しかし、会議や現場に行って、「なぜ」と追及すると、無言か言い分けかアピールのどれかが返ってきます。これは社長がそうさせていると考えるべきです。
できる社長は、「なぜ」ではなく「どうする?」と未来に向けた言葉をかけます。部下にどのような行動をするかを求めれば、自分の行動を社長に話すために情報は自分で集めるはずです。行動計画に不足を感じたら、その際に指摘して導くのができる社長です。
できる社長は、過去の言葉で部下に話しかけると自分から動かず、指示待ちになることを知っているのです。時々、出来ない部下に対して、出来ていないことをいつも指摘しているのですが、出来るようにならないのですと聞くことがあります。このような発言はしていないでしょうか。
できる社長は、いつまでに何をすべきか明確であると言う状況をつくって、「間に合う?」「どこで着地しそう?」など、未来へ向けての声掛けをします。
書店で家庭円満なコミュニケーションを書いた書籍を見かけます。具体的な声掛け例があれば調べてみると参考になります。過去ではなく未来のことばで話しましょうとなっています。
できる社長は、過去のことばでは投げかけないです。
できる社長は、任せたことに対して𠮟責しない
社長一人では仕事は出来ません。ですから、仕事を任せます。
仕事を任せることは出来ているでしょうか。仕事を任せたと言いながら、不安で関与している方は多いのではないでしょうか。
口出しをすることは、叱責したのと同じです。本来任せたことを、結局は社長の指示で行うと任せたことにはなりません。とは言え、うちの社員は…と言う声も聞こえてきそうです。
任せることは伝えることではありません。社長自身は部下に言っているのに部下が…と下の責任だと言う人がいます。
これは、社長自身は会社全ての責任を内包していますので、任せることで権限は与えても責任はなくならないからです。伝えたことで社長自身から責任がなくなってしまったという発言です。社外の人に対して、うちのスタッフが…と愚痴を言う社長もいらっしゃいますが、聞いている方は、社長の部下なので社長にも責任はあるのではと感じる人もいるでしょう。愚痴ならいいですが、本気で不満を言う状況は危険です。
このようなタイプの社長は、任せたことに対して叱責します。なぜできないのかと任せた社長自身にも責任があると考える必要があります。
できる社長は、任せるタイミング、目標設定、指示するタイミングで、明確な期限設定とそのために何が必要か等しっかりと約束します。そのため、しかるべきタイミングで報告、相談、また必要に応じて提案してきます。つまり、できる社長は感情もって叱ることはしないと言うことになります。
できる社長を想像してみてください。報告、相談が来たタイミングで、なぜこうしないのかと過去を追跡するイメージはないでしょう。どうしたいか、どうすれば良いのか、未来の話をしているでしょう。
これができる社長が、叱責しない理由です。
できる社長は、任せたことは叱責しません。責任もって部下に結果を出させます。