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ダメな経営者に共通するマネジメントに関する5つの誤解

2024.09.24

組織コンサルタントとして、多くの経営者に関わらせていただき早いもので8年半が過ぎようとしています。その間にコンサルタントとして携わらせていただいた経営者様の数は、ご契約には至らぬもご面談などでご縁のあった方を含めると優に1,500名を超えています。

この経験を通じ、いわゆる「ダメな経営者」には共通の特徴があることが分かってきました。今回は、特に多くの経営者が陥りやすい5つの共通する特徴を述べていきます。

はじめに

これから「ダメな経営者」の特徴を上げていきますが、何をもって「ダメ」とするのかの前提条件を揃えておきましょう。我々識学のメソッドでは『組織の脱属人化=仕組み化』を前提としております。なぜなら、成長する組織である以上「階層型組織」を構築しながら「個人の成長環境」を創出していく必要があるからです。

企業の目的実現には社会性が必要であり、その社会性の拡大には規模の拡大と組織の継続性(組織の成長)が不可欠です。規模の拡大に際し、一人の人間には見られる範囲に限界があるので「階層型組織化」は避けられません。また、継続的な組織運営をするには特定のカリスマ(=経営者を筆頭とした幹部陣)に依存する属人的な組織運営ではなく、中間の管理職がその部下に対して確実な成長環境を整えられるかがポイントとなり、そのためには『組織全体での脱属人化=仕組み化』が必須となります。

其の1 そもそもマネジメントの必要性を理解していない

自身で創業している経営者は、その企業理念を叶えるために強い信念(希望)を持っています。裏を返せば、それが叶えられないことは強い恐怖ともなっており、この信念とも恐怖とも呼べるものが原動力となり、業務に突き進んでいます。

そこには、自身での明確な目標設定に始まり、期限時に目標に到達していなければ不足を自責に捉えて行動変化をとことん考え、その行動変化を徹底するという高次の自己管理が求められます。

多くの経営者はこの高次な作業を誰もが当たり前にできるものと考える癖があります。それ故、この環境を従業員に対しても積極的に設定しようとしません。ところが、一般的な従業員は残念ながら自発的に恐怖を持つことが難しく、希望(〇〇すれば□□を得られる)が原動力となります。この希望は得たいものを諦めることやそのレベルを下げることも容易であるため、自己管理を継続的に出来る人は一握りしかいないのが現実です。

其の2 ルール遵守環境を作れない

経営者は自身のコミュニティを作る側の人であり、他人が作ったコミュニティで従業員側として働くことが苦手な人が多いです。故に、他人が設定したルールを疎ましく感じ、守ることも得意ではありません。自身がコミュニティを作る際にもその感覚のままとなり、ルール設定を避けてしまったり、ルール遵守の必要性を感じない傾向があります。そのようなコミュニティは規律がなくなり、組織として機能しなくなってしまいます。

其の3 全てを自分が把握したがる

経営者はその組織の中で誰よりも優秀で経験豊富で覚悟も定まっているので、組織の中で起こっている様々な問題や意思決定事項の全てを把握し、全てに自身の意思決定を通したくなる傾向が強いです。

特に階層型組織化されている組織はその規模も数十名~多ければ100名を超える状態となっています。ここで起こっている問題や意思決定事項をトップの経営者を通そうとなると分かりやすく待ち時間というロスタイムが発生します。

また、人事評価などもトップが最終的に行うとなると、そのパフォーマンスをあまり把握せずにざっくりとした印象のみで実施されることとなり、評価制度も機能しません。

また、中間管理職が自身の責任の下で問題解決や意思決定する機会が奪われ、管理職の成長の阻害要因となってしまいます。

其の4 エモーショナルで感覚的

経営者(特に創業社長)は、先見の明や徹底力、人望、人を見る目もありと色々と兼ね備えた人物です。それ故、部下マネジメントにおいても深く悩まされずに部下を成長させているケースがあります。

このような経営者がいる組織はメンバーの働く目的が「社長がいるから」「尊敬する社長のため」のように社長そのものとなるケースが多いです。すると、組織拡大をすればするほど、階層が下のメンバー達は自ずと社長との距離が出来てしまい、それがモチベーションダウンに直結するという悪いサイクルとなっていってしまうのです。

また、魅力的な経営者ほど相手の感情を動かすことが長けています。相手に応じて「褒める」系もしくは「叱る」系などを使い分けてモチベーションに見事に火をつけていきます。

もちろんですが、このマネジメントにも「再現性」が全くないので、部下の管理職に求めると大変なことが起きてしまいます。

また、この手の経営者は事実ベースではなく感覚的な判断を好む傾向があります。日報に「今日頑張ったこと」を書かせていたり、評価項目に「どれだけ貢献したか」のような定性的な内容が入っていることも特徴です。そして、実際には感覚的なもの(人の好き嫌い)が判断軸の中心となってしまい正しい成長環境ではなくなってしまうのです。

其の5 伴走型のマネジメント

根が優しく面倒見の良い経営者も非常に多いです。そのやさしさが部下の不足を正しく指摘することを阻み、つい部下にとっての「いい人」であることを優先してしまったり、その面倒見の良さ故に本来部下が考えるべき当人の役割部分をついつい示唆してしまったり、同行やオブザーブという名の業務の巻き取りを行ってしまいます。

結果的に、このような環境で育った部下は自分の不足を明確に理解することができないので、その埋め方に迷わせたり、自分は問題なく成長しているという誤った認識すら持たせてしまうのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?多くの経営者の皆様が上記のうち最低でも1つは思い当たるのではないでしょうか?その時点で残念ながらあなたはダメな経営者の仲間入りです。

我々識学のメソッドでは、経営者としての「在り方」をどのようにすべきかにつき、ぶれない答えを持っております。その実践を通じて、もちろん上記の5つの問題点もすっきりと解消されます。ご興味がありましたら是非ともご相談ください。

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