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クライアントの「真のパートナー」へ、電通が目指す変革とは?

2024.09.12

年間1兆円以上もの収益を生み出し、広告業界を牽引しつづけている電通グループ。

近年、電通グループは「広告だけでなくコンサルティング領域なども強化・拡充している」と言われているが、

その真意とは。今年1月、国内電通グループを統括するdentsu Japanに新たなリーダーが就任。

若きトップリーダーが変革と未来について語る!

佐野 傑氏
dentsu Japan CEO 兼 株式会社電通 代表取締役 社長執行役員
1970年神奈川県生まれ。92年東京大学経済学部卒業後、株式会社電通に入社。長年ビジネスプロデュース(営業)部門でクライアント業務に従事。2021年電通執行役員に就任。BX、DX領域を統括。24年1月より現職。

新しいdentsu Japanが目指すIntegrated Growth Partner

――佐野CEOは2024年1月にdentsu Japan CEOと株式会社電通 代表取締役 社長執行役員に就任されました。まずは、これまでの経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

「私は大学を卒業して、新卒で電通に入社をしてから基本的に営業一筋です。広告制作、プロモーション企画、メディア戦略など様々なクライアントと二人三脚で電通らしいことにはすべて携わってきました」

――やはり長年培ってきた営業経験は社長の強みなのでしょうか。

「どうでしょう(笑)。しかしポジティブなところは私の強みだと思っています。営業時代からトラブルがあっても、それを乗り越えることで、さらなる信頼に繋げたり、広告以外の手法でクライアントの課題を解決したり、挑戦続きのキャリアだったと思います」

――その経験が、CEO就任から一貫して口にしている「古い電通のイメージを変える」というメッセージに繋がっているのでしょうか。改めて、このメッセージの意図を教えてください。

「dentsu Japanは今、従来からのイメージである広告会社ではなく、クライアントの成長のためにできることは全部行なう〝真のIntegrated Growth Partner〟を目指しています。

 VUCAの時代において、企業が抱える課題が複雑・多様化しているからこそ、広告以外も含む複合的なソリューションで解決していきたいと考えています。すでに事業や企業の変革なども含めた多様なサービスやソリューションの提供など統合力で応えていくことを進めています」

――〝真のIntegrated Growth Partner〟の部分をもう少し詳しくご説明いただけますか?

「新しいdentsu Japanを象徴するキーワードです。〝Comprehensive(総合)〟ではなく〝Integrated(統合)〟という点がポイントです。広告やそれ以外も含め多様なソリューションがきちんと統合され相乗効果を生み出し、高い価値が提供されるということです。

 そして、〝Growth(成長)〟。クライアントのトップラインあるいは企業価値を上げることにコミットしていくという意志。これを〝Agency(代理)〟ではなく、〝Partner〟として一緒に汗をかき、場合によっては一緒にリスクを背負う、そういう存在でありたいという思いが込められています」

――「新しいdentsu Japan」に向けて、佐野CEOはどのようなリーダーを目指しているのでしょうか。

「肩書やポジションはキャップ(帽子)であり、期間限定で与えられた役割にすぎません。いま私に求められている役割は2万3000人いるdentsu Japanのメンバーの能力を最大化し、クライアントや社会に提供する価値を最大化することだととらえています。私たちは、工場などを持たないため、人間が最も大事な資産です。その社員全員の能力が100%発揮できることは、クライアントにとっても社会にとっても有益であると信じています。dentsu Japan全員の能力を、個の能力はもちろん、2万3000人のかけ算によって最大化したいと考えています」

――そのために特に注力したいのはどのようなポイントですか。

「これまで新卒一括採用で体育会系な社風と見られてきた電通ですが、もっと多様な人たちが働く会社にしていかないといけない。

 例えば、昨年、電通ではキャリア採用人数が新卒採用人数を超えました。

 キャリア採用の方々ともよく話すのですが『会社の色に染まる必要はない』と伝えています。小さなことですが、そういったところから始めていきたいんです。新しい人たちが加わることで、新たなかけ算を生み出してほしいですね」

右脳と左脳のかけ算がdentsu Japanの強み

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