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半導体業界が注目する「TSMC第3工場」の候補地として浮上した3つの場所

2024.09.13

 

連載「ハイテクの地政学」では、日本、台湾のテクノロジー業界に精通する杉本りうこ氏による最前線レポートをお届けします2024年2月、JASM開所式におけるTSMC創業者のモリス・チャン氏。中国との地政学的緊張に揺れる台湾にとって、TSMCは今や「シリコン・シールド」になっている(撮影:石阪友貴)

米中対立で今や「硝煙なき戦場」と化したハイテクセクター。アメリカや日本の安全保障を考慮した産業政策が、企業経営のチャンスにもリスクにもなっている。そこには当然、世界中の投資家の熱い視線も注がれる。本連載では、地政学リスクの高まる世界における利害対立の最前線を追っていく。

半導体受託製造(ファウンドリー)の世界最大手、台湾TSMC(TSM)は日本で2つの工場建設を進めている。これらに加え、検討が進みつつあるのが3つ目の工場である。この第3工場の立地が、熊本県以外で検討されることが、台湾と日本双方の政策関係者が匿名で明らかにした。

なぜ熊本ではないのか。候補地の条件とは何なのか。台湾側が言及する3つの地名とともに、深層を伝える。

 

本記事は四季報オンラインからの提供記事です

熊本県知事に「ゼロ回答」

「第3工場の建設検討をお願いした」。8月下旬、熊本県の木村敬知事は台湾・新竹のTSMC本社前で記者団に語った。TSMCの経営幹部に会った直後のことである。幹部との面会は和やかに進み、年初に就任したばかりの木村知事にとって晴れがましい「初外遊」だったようだ。しかし肝心の第3工場の展望については、TSMC側はほとんど「ゼロ回答」だった

TSMCは日本で2つの工場計画を進めている。いずれもソニーグループ(6758)とデンソー(6902)、トヨタ自動車(7203)との合弁企業JASMが運営主体で、熊本県菊陽町のソニーの半導体工場そばに位置する。第1工場は建設済みで、今年末に量産段階を迎える。第2工場も今年末に着工し、2027年末の稼働が見込まれる。2つの工場の総投資額は約3兆円に上り、日本政府からは最大1兆2000億円の補助金が得られる予定だ。

JASMの工場外観(撮影:石阪友貴)

TSMCの進出がもたらす地域への経済効果はすさまじい。九州経済調査協会の試算では、第1工場だけで熊本県下に1万人以上の雇用を創出するなど、6.85兆円の経済効果があるという。

これに加えて27年には第2工場もできるわけだから、周辺一帯の工業用地は日台のサプライヤー企業の間で奪い合いになっている。マンションやホテルの建設計画も次々と浮上し、「シリコンバブル」の様相である。

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