10月2日に「ニンテンドーミュージアム」が京都府宇治市にオープンします。任天堂が発売してきた数々の製品を通して、娯楽の歴史を知って体験する施設。歴代のゲーム機や原点である花札を実際に作って遊ぶこともできます。
インバウンドで盛り上がりを見せる京都府に新たな観光施設が誕生しました。今、任天堂がミュージアムをオープンする狙いはどこにあるのでしょうか。
※画像は任天堂ニュースリリース「『ニンテンドーミュージアム』2024年10月2日オープンのお知らせ」より
宇治市が掲げる観光客のリピート率70%の目標達成に寄与するか?
「ニンテンドーミュージアム」がオープンするのは、任天堂宇治小倉工場の跡地。1969年に宇治工場として建設されたもので、花札やトランプの製造、サービスセンターとしてゲーム機の修理業務などを行っていました。これらの業務が宇治市槇島町にある宇治工場に移管しており、任天堂は跡地利用の検討をしていました。
近鉄小倉駅周辺の活性化を図る宇治氏の意向を受け、資料館施設としてリノベーションすることが決定します。
任天堂の有価証券報告書によると、ニンテンドーミュージアムの建物の帳簿価額は43億3300万円。建設仮勘定などを含めると総額はおよそ86億円に及びます。
宇治市の観光振興計画によれば、このエリアの観光の強みとして平等院や宇治上神社などの世界遺産に恵まれ、宇治茶は全国ブランドとして浸透していることなどが挙げられます。一方、情報発信力に欠けて「宇治をよく知らない」という人が多いことや、観光地としての演出不足であることが弱みになっていました。
ニンテンドーミュージアムは、任天堂という世界的な企業の発信力と演出力に期待ができます。
宇治市は観光客のリピーター率を、現状の58%から70%に高めることを目標に掲げており、新たな観光資源が生まれたことは大いに歓迎すべきでしょう。
観光振興計画の前期アクションプランの中には、ニンテンドーミュージアムのオープンを盛り込んでいました。なお、その中には人気アニメシリーズの「響け!ユーフォニアム」の放送も含まれています。
宇治市には観光コンテンツに恵まれるという、追い風が吹いています。