最近、よく耳にすることが多い昆虫・トコジラミ。人間の血を吸い、激しい痒みを引き起こす厄介者です。しかし、彼らに関する正しい知識を身に着けておくことで、その危険をできるだけ回避することができます。今回はそもそもトコジラミとはどんな昆虫なのか?からトコジラミに刺されないようにするための対策までを解説します。
トコジラミとは一体どんな昆虫なのか?
トコジラミとは5~8mmほどの小さな昆虫で、カメムシ目トコジラミ科の一種です。「南京虫」や「床虫」と呼ばれることもあります。「ジラミ」とつくため、髪の毛につくシラミと一緒に考えられがちですが、そちらのシラミはカジリムシ目に属しており、また違った昆虫になります。ここでは、トコジラミの基本的な情報を紹介します。
(1) 血を吸う
トコジラミは人間をはじめ、動物の血を吸います。細長い口を皮膚に突き刺し、15分ほど血を吸い続けます。明るい場所が苦手で、夜の暗い時間に活発に活動し、人間が呼吸で出した二酸化炭素や体温などを察知すると、近づいてきて吸血します。
(2) 飛ぶことができない
トコジラミはチョウやトンボのように翅を持っていないため、飛ぶことができず、自分の力だけでは遠くに移動することができません。しかしながら、人間が運ぶ荷物などに付着することで移動し、世界中に生息しています。特に温暖な地域には多い昆虫です。
(3) 飢餓に強い
トコジラミは何も食べずとも1年ほど生きることができるとも言われています。これにより、長期間血を吸えずに移動しても、生きながらえることができ、分布を拡大し、世界中の人たちの血を吸血しているのです。