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著作権と知的財産権の違いとは?企業で生成AIを導入する際に注意すべきポイント

2024.09.09

3. 法律・規制に関する留意点

生成AIを利用するのであれば、法律や規制に関しても注意を向けなければなりません。ここでは、生成AIを利用する際に注意すべき法律や規制に関する留意点を解説します。

3.1 個人情報保護法とAIの利用

日本を含む多くの国では、個人情報の取り扱いに関する厳しい法律が定められています。生成AIを利用する場合、特に個人データが含まれるコンテンツの生成には注意が必要です。違法に個人情報が利用された場合、企業は多額の罰金や社会的信用の失墜につながります。

対策としては、下記の点をおさえておくことが大切です。

● 個人情報が含まれるデータをAIに学習させる際は、必ず法的な観点から適切な処理を行う。
● GDPR(EU一般データ保護規則)や日本の個人情報保護法など、関連法規に従ってデータの取扱いを管理する。

3.2 AIに関する新たな法整備の動向

生成AIの普及に伴い、各国でAI技術に関する新たな法整備が進んでいます。特にEUでは「AI法案」が提案され、AIの使用に関する規制強化が進められています。日本国内でも同様に、AIの商用利用に関する規制が強化される可能性が高いため、以下の点を意識しておきましょう。

● 国内外の法整備の動向を継続的にフォローし、法律改正に迅速に対応できるよう、社内に法務担当者を配置する。
● AI技術に関する最新のガイドラインや業界標準を積極的に取り入れ、法的リスクを最小限に抑える。

4. 企業内でのガバナンス体制の構築

生成AIを導入するのであれば、企業内でのガバナンス体制にも目を向けなければなりません。ここでは、どのような社内ポリシーを作ったらいいのか、従業員のリテラシー向上にすべきことなどを解説します。

4.1 AI利用に関する社内ポリシーの策定

生成AIを企業内で安全かつ効果的に活用するためには、AI利用に関する明確な社内ポリシーを策定することが重要です。データの取り扱い方法、AIツールの利用範囲、従業員の教育などを含んだガイドラインが求められます。

策定にあたっては、下記の点に注意して進めていくことが大切です。

● 生成AIの使用に関するポリシーやガイドラインを明文化し、従業員に周知徹底する。
● ポリシーには、コンプライアンスに関する項目を含め、AIの誤用や不正利用を防止するための具体的な措置を盛り込む。

4.2 従業員のAIリテラシー向上

生成AIの導入を成功させるためには、従業員がAIの仕組みやリスクについて理解し、適切に利用できることが不可欠です。AIリテラシーを向上させるための教育や研修が必要です。

そのためには、下記の取り組みを推進していくとよいでしょう。

● 定期的に従業員向けのAI利用に関する研修やセミナーを実施する。
● AIツールの使用に関するマニュアルを整備し、各部門で統一した運用ができるようサポートする。

まとめ

生成AIの導入は企業にとって大きな可能性を秘めていますが、データ流出、商用利用の課題、そして法的なリスクに十分注意を払う必要があります。セキュリティ対策を強化し、知的財産や法規制に関するリスクを慎重に評価したうえで、企業全体でのガバナンス体制を整えることが、生成AIの効果的な活用のポイントです。

文/長谷川貴之

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