AIのすごさを実感する参加者も
前半にはまず北沢氏から、生成AI「Adobe Firefly」を含む、「Adobe Express」の最新機能が紹介された。北沢氏は「Adobe Firefly」について、「ストックフォトサービスの「Adobe Stock」や、作者死後70年以上経過したやパブリックドメインなど、権利関係がクリアなコンテンツをトレーニングに使用しているため、安心して商用利用できる」と説明。案内に従って参加者も、自らプロンプトを入力したり、目指すタッチを選んでイメージの生成を体験した。また、店舗の外観写真に写り込んだ通行人を消したり、どんぶりの端についたスープの汚れをなかったことにしたり、どんぶりの背景のおしぼりを消すといった、北沢氏の実用的なデモンストレーションにも、驚きの声があがっていた。
後半では「Adobe Express」の豊富なテンプレートに、自身の店舗のラーメンなどオリジナル写真を組み合わせて、SNS投稿に使用できるコンテンツの制作に挑戦。自ら持ち込んだPCやスマートフォンを使って、サポートに駆け付けたアドビのスタッフにも積極的に質問しながら、黙々と作業に取り組む参加者の真剣な表情が印象的だった。最後には制作したコンテンツをみんなに発表。フォントを変更したり、アニメーションの要素を追加したり、生成したイラストをアイコンとして使用するなど、初めてとは思えないコンテンツの数々に、今度は北沢氏から驚きの声があがった。
スマートフォンでのコンテンツ作りに取り組んだ、ラーメン店の店主は、「率直に楽しかった。自分の知らない世界を見ることができて良かった」と延べ、今後さらに勉強すれば、「お店のホームページなどにも活用できそう」と手応えを感じた様子。また別の参加者からは、「テンプレートを使った操作が、思ったよりも簡単だったことと、AIのすごさに驚いた」との声も。「今までどうやってやったらいいかわからなかったことを、具体的に教えてもらえてすごく勉強になった」と話していた。
アドビでは今後も「まちの広作室」を、全国へと広げていきたい考え。アドビ 広報部の吉原 淳氏は「画像1枚で約1000語、1分間の動画は少なくても180万語の情報量に値するという、調査会社の研究もある。クリエイティブを使ったビジュアルコミュニケーションは、それだけ有効だということ。ワークショップを通じて、みなさんのビジネスに役立ていただきたい」と話していた。
取材・文/太田百合子