「税の透明性確保のためのリスク管理」について
■税の透明性確保のためのリスク管理、外部専門家やアドバイザーの確保
最後にこれまでの研究レポートと同様に、2024年問題の対応に迫られている建設業をピックアップして、他業種と比較した調査結果を示す。
「税の透明性確保のためのリスク管理」では全業種よりも建設業の方が「できている」を選択した企業が多いという結果になった。「外部専門家、アドバイザーの確保」についても、「社会保険労務士とともに会計士または税理士を確保できている」の割合が全業種よりも建設業の方が高い。
この結果から建設業は他の業種と比べ外部の専門家を積極的に活用する企業が多い傾向にあるとわかった。その影響もあり(税理士、会計士を活用しているため)、税の透明性確保のためのリスク管理についても進んだ結果となっていると推測される。
調査結果まとめ:中小企業のESG経営について
<フォーバル GDXリサーチ研究所所長 平良 学 氏>
E(環境)に始まり、S(社会)、そしてG(企業統治)。それぞれに対する中小企業の取り組みを3か月に渡りお届けしました。企業の存在意義を示す経営理念を策定している企業が半数にも満たない、といった結果が示すように、今回のG(企業統治)においても中小企業の取り組みはまだこれから、という状態です。
しかし、グローバルな視点で見ると投資額約4,500兆円以上、世界全体の投資額の24.4%を占める比率までESG投資の存在は大きいものとなっています。世界中の投資家が注目をしており、大手企業はESGについての取り組みや発信を優先的に進めています。
そして、ESG経営の対応は大手企業だけでなく大手企業のサプライチェーンに含まれている中小企業にも求められ、その流れは今後ますます加速していきます。まだ進んでいない中小企業のESG経営ですが、逆に早く取り組むことにより差別化できる可能性も秘めています。
調査概要
調査主体/株式会社フォーバル
調査期間/2024年4月1日~2024年5月31日
調査対象者/全国の中小企業経営者
調査方法/ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数/990人
出典/フォーバル GDXリサーチ研究所調べ
関連情報
https://gdx-research.com/
構成/清水眞希